映画『イット・フォローズ』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『イット・フォローズ』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『イット・フォローズ』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『イット・フォローズ』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

『イット・フォローズ』のラストは、観客に多くの解釈の余地を残したまま終わります。物語の終盤で、ジェイと友人たちは「それ」を退治するための最後の作戦に挑みます。彼らはプールに「それ」をおびき寄せ、感電させて倒そうとします。ジェイはプールの中央で待ち、「それ」が現れるのをじっと見つめます。

「それ」は水に入る代わりに、プールの周囲にある電化製品をジェイに投げつけ、彼女を襲おうとします。ジェイは必死に逃れ、友人のポールも協力して、「それ」をプールに落とすことに成功します。プールの中で「それ」に対して攻撃を加え続ける彼らの様子は、一見すると「それ」が倒れたように見えますが、完全に消滅したかどうかははっきりと描かれません。

この後、ジェイとポールはさらに絆を深め、関係を持つことになります。これにより、「それ」がジェイからポールに移った可能性がありますが、物語はそれについて明確に説明しません。映画の最後のシーンでは、二人が一緒に歩いている姿が描かれますが、彼らの後ろには不明瞭な人物がゆっくりと歩いてきます。その人物が「それ」なのか、それとも普通の人間なのかは示されておらず、観客に不安を残します。

このラストシーンは、「それ」が本当に終わったのかどうかを曖昧にすることで、物語全体のテーマである「逃れられない不安」や「追い続けられる恐怖」を象徴しています。二人が普通の日常を取り戻そうとする姿を描きつつも、彼らが完全に安心できる未来が訪れるかどうかは分かりません。映画は、「それ」が単なる怪物ではなく、心の中に根付く恐怖や不安の象徴であることを示唆しているのです。

物語の終わり方は、「それ」が完全に倒されたという解釈も可能ですが、一方で「それ」は永遠に存在し続けるという不安を残します。この結末によって、観客は物語が終わった後も「それ」の脅威を考え続けることになります。映画は、明確な解答を避けることで、恐怖がいつまでも心に残るような余韻を与えています。

映画『イット・フォローズ』の考察・解説(ネタバレ)

映画『イット・フォローズ』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『イット・フォローズ』に気まずいシーンはあるか?

『イット・フォローズ』には、観客が思わず目を背けたくなるような気まずいシーンがいくつか存在します。特に、登場人物たちが直面する「それ」による恐怖が、性的な行為と結びついているため、観客によっては居心地の悪さを感じる場面があります。物語の中で、主人公ジェイは「それ」を他人に移すために性的関係を持たなければならず、その描写は時に不快感を与えるものです。

また、ジェイが恋人に裏切られる形で「それ」を移されるシーンも、非常に気まずい瞬間の一つです。彼女は愛情からではなく、恐怖と自己防衛のために利用されたと知り、大きなショックを受けます。こうした関係の不自然さが物語全体に影響を及ぼし、登場人物たちの間にある微妙な空気が観客に伝わってきます。

さらに、「それ」がさまざまな姿でジェイに接近する場面も、異様で気まずい雰囲気を醸し出します。特に、身近な人々が突然「それ」の姿で現れることがあり、観客は何が現実で何がそうでないのか分からなくなる不安感を覚えます。これらのシーンは、単なるホラー映画の怖さ以上に、人間関係の不安定さや心の闇を浮き彫りにしており、映画全体に独特の気まずさを与えています。

映画『イット・フォローズ』でグレッグ殺され方は?

グレッグの死は『イット・フォローズ』の中で非常に印象的なシーンの一つです。彼はジェイを助けるために「それ」を自分に移そうとしますが、最終的に「それ」に捕まり、命を落としてしまいます。グレッグの死は彼の自宅で起こり、「それ」は彼の母親の姿で現れ、彼の部屋へと入り込みます。

「それ」がグレッグに襲いかかるシーンでは、彼はまったく抵抗することができず、その恐怖が一瞬のうちに彼の運命を決定します。グレッグはベッドの上で「それ」に押さえつけられ、異様な方法で命を奪われます。具体的には、「それ」が彼に対して性的な暴力を加えるような仕草を見せ、そのまま彼の命が奪われるという衝撃的な描写がされます。このシーンは映画全体の不気味さを強調し、視聴者に強い印象を与えます。

グレッグの死は、登場人物たちがどれほど「それ」の脅威から逃れるのが難しいかを示しています。彼がどんなに努力しても、「それ」は避けられず、最終的に彼も犠牲者の一人となってしまうのです。

映画『イット・フォローズ』に出てくる「それ」の正体と?

『イット・フォローズ』に登場する「それ」の正体は、物語の中で明確には説明されません。これは観客に多くの解釈を委ねる形となり、作品のミステリアスな雰囲気を強調しています。「それ」は、人間の姿をしてゆっくりと近づいてくる存在で、特定の人間にターゲットを定め、どこまでも追いかけてきます。

「それ」の姿は、犠牲者の知り合いの姿に変わることがあり、そのため登場人物たちは誰が「それ」なのかをすぐに判断することができません。さらに、「それ」は非常に執拗で、ターゲットがどこに逃げても追いかけてきます。この存在は、一度ターゲットを殺すと、感染が連鎖的に元の相手に戻る仕組みであるため、完全に逃れることは困難です。

「それ」が象徴しているものは、性的な関係によって広がる不安や罪悪感、そして避けがたい恐怖とされています。映画では、「それ」がゆっくりと迫る様子が不気味に描かれ、単なるホラー映画以上に心理的な不安を引き起こす存在として機能しています。

映画『イット・フォローズ』はなぜつまらないと言われるのか?

『イット・フォローズ』が「つまらない」と感じられる理由は、映画の持つ独特なテンポと解釈の余地を多く残したストーリー展開にあります。まず、この映画はホラー映画としての派手な演出やジャンプスケアが少なく、じわじわと迫る恐怖を描くことに重点を置いています。そのため、スリルを求める観客にとっては、物足りなさを感じることがあります。

また、「それ」の正体が明確にされないことも、観客によってはフラストレーションを引き起こします。映画は多くの謎を残したまま終わり、すべての疑問に対する解答を提示しないため、物語が理解しにくいと感じる人もいます。このように、すべてを説明しないスタイルが逆に「分かりにくい」や「中途半端」と感じられる原因となっています。

さらに、登場人物たちの行動や会話が淡々としており、緊迫感に欠けると感じる人もいます。彼らの感情表現が控えめであるため、観客が物語に感情移入しにくいと感じることがあります。その結果、映画全体が「退屈」だと捉えられることもあるのです。

ただし、『イット・フォローズ』は、その独特な雰囲気や心理的な恐怖を評価する声も多く、解釈の余地を残す点が逆に魅力的だとする意見もあります。このように、映画の良し悪しは観客の好みに大きく依存しているといえます。

映画『イット・フォローズ』に女性の胸が出てくるシーンはあるか?

『イット・フォローズ』には、女性の体が露出するシーンがいくつか含まれています。その中でも、「それ」が変身した姿として登場する際に、裸の女性が現れる場面があります。これらのシーンは、ホラー映画の文脈において視覚的なショックを与えることを目的としています。性的な行為と恐怖が絡み合ったテーマを持つこの作品では、登場人物たちが裸の人物と遭遇することで、「それ」がただの怪物ではなく、彼らの心に影響を及ぼす存在であることが強調されています。

物語の中では、裸の女性の姿で「それ」がジェイに接近する場面があります。このシーンは特に印象的で、観客に不気味な印象を与えます。映画は、こうした視覚的な要素を使って登場人物たちが感じる恐怖を強調し、観る者に心理的な不安をもたらすことを目的としています。

これらの露出シーンは、単に衝撃を与えるためだけのものでなく、物語のテーマに深く関連しています。「それ」は、性的な行為を通じて感染するという設定を持つため、裸の身体が恐怖の一部として機能しています。こうした演出は、映画全体に緊張感と不安感をもたらし、単なるホラー映画とは異なる深みを持たせています。

映画『イット・フォローズ』に出てくるプール作戦の意味は?

物語の終盤で、ジェイたちは「それ」を倒そうとするために、プールでの作戦を試みます。このプール作戦は、「それ」を一箇所におびき寄せて、感電させることで退治しようというものです。具体的には、ジェイがプールの中央で「それ」を待ち、仲間たちはプールの周囲に電化製品を配置し、「それ」が水に入った瞬間に感電させようとします。

この作戦の背景には、登場人物たちが「それ」を物理的に倒す方法を模索してきた結果があります。しかし、「それ」は人間には見えない場合があるため、ジェイが犠牲となる可能性を覚悟しながらプールの中で待つことになります。このシーンは、友情と恐怖が交錯するクライマックスであり、観客に強い緊張感を与えます。

しかし、作戦は思うように進まず、「それ」は水に入らず、電化製品をジェイに投げつけるという予想外の行動を取ります。最終的に仲間たちの協力によって、「それ」はプールの中に落ち、何とか倒すことに成功したかのように見えますが、完全に解決したかどうかは明示されません。このプール作戦は、登場人物たちの必死さと無力感を象徴する場面として、物語に深い印象を残します。

映画『イット・フォローズ』に出てくる最初の女・アニーの殺され方は?

物語の冒頭で、最初の犠牲者であるアニーが「それ」に襲われる場面が描かれます。このシーンは映画全体の雰囲気を決定づけるものであり、観客に強烈な印象を与えます。アニーは、何かに追われているような様子で家を飛び出し、恐怖に怯えながら逃げ回ります。しかし、彼女が追い詰められてしまうことで、物語の悲劇が始まります。

翌朝、アニーの遺体は浜辺で発見され、その姿は恐ろしく変形しています。彼女の足は不自然に曲がり、骨が折れたような姿になっており、彼女が経験した痛ましい最期が暗示されています。このシーンは、物語全体に漂う不気味さと「それ」の残酷さを象徴しています。アニーがどのようにして命を奪われたのかは詳しく描かれませんが、その後の登場人物たちにとって、この出来事が大きな警鐘となります。

アニーの死は、「それ」の脅威がどれほど恐ろしいかを示すための重要な要素です。彼女が逃げても逃げても避けられなかったという事実が、「それ」の執拗さを観客に伝えます。物語の最初にこのような強烈なシーンがあることで、観客は「それ」がどれほど避けがたい存在であるかを理解し、物語全体にわたって不安と緊張感が持続するのです。

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