映画『薔薇の名前』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『薔薇の名前』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『薔薇の名前』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『薔薇の名前』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

物語の最後、修道院での連続殺人事件の真相が明らかになります。ウィリアム(キャスト名:ショーン・コネリー)と弟子のアドソ(キャスト名:クリスチャン・スレーター)は、連続殺人の背後に隠された秘密を追い続けた結果、事件の真犯人が盲目の師ブルゴスのホルヘ(キャスト名:フェオドール・シャリアピン・ジュニア)であることを突き止めます。

ホルヘは修道院の図書館に隠された禁書「アリストテレスの書」を守るため、過激な行動を取っていました。この書物は「笑い」について書かれており、ホルヘは「笑いは信仰を揺るがすものであり、絶対に許されない」と考えていました。彼は、この本を読んだ者が毒で命を落とすように仕掛けを施していたのです。

物語のクライマックスでは、ウィリアムとホルヘが図書館で対峙します。ホルヘは本を守るため、それを焼き捨てることを決意します。しかし、この行動が図書館全体に火を広げ、修道院全体が炎に包まれる大惨事を招きます。修道院の修道士たちは必死に逃げますが、多くの者が火災の犠牲になります。

ウィリアムとアドソは何とか命からがら逃げ出し、修道院が焼け落ちるのを見届けます。この悲劇の後、ウィリアムとアドソは別れ、アドソは修道院での体験を語り継ぐ役割を果たします。物語は、知識への渇望と、それを抑圧しようとする信仰の衝突が招いた悲劇を描きながら幕を閉じます。

この結末は、自由な知識の追求とそれを阻む力の間の永遠の対立を象徴し、観客に深い余韻を残します。

映画『薔薇の名前』の考察・解説(ネタバレ)

映画『薔薇の名前』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『薔薇の名前』のタイトルの意味は?

映画『薔薇の名前』のタイトルの意味については、原作者ウンベルト・エーコの言葉がヒントとなります。エーコは、「薔薇」という言葉が中世において多様な象徴的意味を持っていたことから、このタイトルを選んだと述べています。「薔薇」は愛、美、神秘、そして一時的なものや失われるものを象徴するとされており、言葉の限りない力を表す表現としても使われました。

物語では、「薔薇」が直接的に登場するわけではありませんが、このタイトルは物語の中核である「知識の追求」や「真実の曖昧さ」を暗示しています。また、修道院内での禁書や知識に対する抑圧的な姿勢が描かれる一方で、真実を追い求めるウィリアムの姿勢がタイトルのテーマとも呼応しています。さらに、「薔薇の名前」という言葉そのものが解釈の自由さを表現しているとも言えます。

このように、『薔薇の名前』というタイトルは、物語全体に散りばめられた象徴や隠喩を反映し、観客に多様な解釈を促すものとなっています。

映画『薔薇の名前』の唯一無名な農民の少女とはどんな人物か?

映画『薔薇の名前』に登場する無名の農民の少女(キャスト名:ヴァレンティナ・ヴァルガス)は、物語における重要な象徴的存在です。彼女は物語の中で名前が明かされず、唯一の主要な女性キャラクターとして描かれています。その役割は複雑で、修道院において修道士たちの欲望を満たす対象でありながら、魔女として扱われる側面もあります。

特に、彼女は若き修道士アドソ(キャスト名:クリスチャン・スレーター)の心に深く刻まれる存在です。アドソにとって彼女との出会いは、生涯忘れられない初恋となります。この恋愛は純粋である一方、修道院という厳しい宗教的環境では禁忌とされるものであり、アドソの信仰と感情の葛藤を象徴しています。

また、彼女は修道院の暗い世界に生きる中で、女性としての弱さや無力さを体現しつつも、観客にとっては「人間らしさ」や「愛」の象徴的な存在として映ります。その一方で、修道院での扱われ方や魔女としての非難は、当時の宗教的抑圧や女性差別を浮き彫りにしています。

映画『薔薇の名前』に出てくるアリストテレスの書とは?

映画『薔薇の名前』に登場するアリストテレスの書は、物語の重要な鍵となる禁書です。この書物は「喜劇」について書かれたものであり、笑いやユーモアの価値を肯定する内容が含まれているとされています。しかし、修道院では「笑いは信仰の敵である」とされ、この書物が存在すること自体が禁じられていました。

この書は、物語における連続殺人事件と密接に関わっています。盲目の師ブルゴスのホルヘがこの書物を毒で仕掛け、読んだ者が次々と死んでいくという恐ろしい仕掛けが明らかになります。ホルヘにとって、笑いは神を冒涜する行為であり、この書が広まることを阻止するために極端な手段を講じたのです。

アリストテレスの書は、真実を追い求める知識の象徴であり、同時に宗教的権威が知識を抑圧しようとする象徴でもあります。この禁書が物語の核心に位置することで、知識、権力、信仰の間にある緊張関係が鮮明に描かれています。

映画『薔薇の名前』の連続殺人事件の犯人のネタバレ

映画『薔薇の名前』で起こる連続殺人事件の犯人は、盲目の師ブルゴスのホルヘ(キャスト名:フェオドール・シャリアピン・ジュニア)です。ホルヘは修道院の古い教義や厳格な信仰を体現する人物であり、修道院内での知識や権威を守るため、極端な手段に訴えました。彼の動機は、修道院内に隠された禁書「アリストテレスの書」を守り、それが広まるのを阻止することにありました。

ホルヘはこの書物を読もうとする者たちを殺すため、巧妙な罠を仕掛けます。この罠は、書物のページに毒を塗るというもので、読者がページを指でめくることで毒が体内に入り、死に至る仕組みとなっています。ホルヘにとって、「笑いは信仰の敵」であり、アリストテレスの書が笑いの価値を肯定する内容を持つことから、それを広めることを断固として拒絶しました。

物語のクライマックスでは、ウィリアム(キャスト名:ショーン・コネリー)とホルヘが対峙し、禁書の存在をめぐる信仰と知識の対立が激化します。最終的にホルヘは書物を守るために自らそれを焼き、修道院全体を炎に包む結果を招きます。彼の行動は、極端な信仰がもたらす悲劇として描かれ、物語の核心テーマを際立たせています。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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