映画『2012(2009)』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『2012(2009)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『2012(2009)』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『2012(2009)』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

地球規模の大災害が次々と起こる中、主人公ジャクソン・カーティス(キャスト名:ジョン・キューザック)とその家族は、なんとか命をつなぎ、最終的に「箱舟」と呼ばれる巨大な船に乗り込むことに成功します。この箱舟は、世界中の政府が協力して建造したもので、人類が滅亡を免れるための最後の希望として機能しています。ただし、この箱舟には、膨大な費用を支払った富裕層や一部のエリートだけが乗船する権利を与えられており、ジャクソンたちは密航という形で生き延びる道を選びます。

クライマックスでは、箱舟のゲートが閉じる際にトラブルが発生し、ジャクソンと彼の家族が巻き込まれる危険なシーンが描かれます。ジャクソンと息子が必死に機械を修理し、閉じられかけていたゲートを無事に動かすことに成功。箱舟が完全に機能することで、乗船者たちの命は救われます。

最終的に、箱舟が津波を乗り越え、安定した海域に到達したことで人類は生き延びる希望を取り戻します。生存者たちは、沈んだ大陸が再び海面上に現れるのを待ちながら、船の中で新しい生活を始めることになります。物語は、地球の大部分が水没してしまった新しい世界で、人類が再び立ち上がる未来を示唆しながら幕を閉じます。

この結末は、絶望的な状況でも希望を持ち続けることの大切さや、家族の絆がいかに強いものかを強調したものとなっています。視聴者にとっては、壮大なスケールの映像とともに、人間の生存本能や再出発への希望を考えさせるラストシーンとなっています。

映画『2012(2009)』の考察・解説(ネタバレ)

映画『2012(2009)』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『2012(2009)』がイライラすると言われる理由は?

映画『2012』が「イライラする」と言われる主な理由は、物語の設定にあります。特に、地球滅亡が迫る中で、金持ちやエリートだけが生き残る権利を得るというストーリー展開に、多くの観客が不公平感を覚えるからです。映画では、超富裕層や権力者が莫大な資金を支払い、箱舟に乗って人類滅亡を回避しようとする描写があります。この状況に対して、一般市民が無力な存在として描かれているため、観客にとっては疎外感や不快感を覚える部分があります。

また、主人公たちが箱舟に密航しようとする中で、貧富の差や人間のエゴが強調される場面もあり、一部の視聴者には理不尽さを感じさせる原因となっています。このような社会的不平等が顕著に描かれる一方で、ストーリー全体がヒーロー的な要素で簡単に解決されるため、そのギャップが観客のイライラを引き起こしていると考えられます。

映画『2012(2009)』がひどいと言われる理由は?

映画『2012』が「ひどい」と評される理由の一つは、映像の迫力は素晴らしい一方で、人間ドラマが浅いと感じられる点にあります。たとえば、地球滅亡が目前に迫っているにもかかわらず、登場人物たちの感情表現が薄く、悲壮感や絶望感が十分に伝わらないとの意見があります。映像はハリウッドらしい大規模な破壊やアクションシーンが満載ですが、物語の核心となるべき人間同士の関係性が描ききれていないため、観客が感情移入しづらいと感じる部分があります。

さらに、いくつかのストーリー展開が現実離れしているという批判もあります。特に、箱舟の建造や登場人物たちが次々と危機を乗り越えるシーンがご都合主義的に見えるため、リアリティが欠けているとの声が多いです。これらの要素が組み合わさり、「映像美だけが見どころ」という評価をされることがあります。

映画『2012(2009)』でゴードンが可哀想と言われる理由は?

映画の中でゴードン・シルバーマン(キャスト名:トム・マッカーシー)が「可哀想」と言われる理由は、彼の最期の描写にあります。ゴードンは主人公ジャクソンの元妻ケイト(キャスト名:アマンダ・ピート)の現在の恋人として登場しますが、箱舟に密航しようとした際、ゲート内の機械に巻き込まれ命を落としてしまいます。

この場面が批判を受ける理由の一つは、ゴードンが物語上であっさりと退場することで、ケイトが再び元夫のジャクソンと家族として一丸となるための道筋が作られている点です。ゴードンの死がストーリー進行のための都合の良い犠牲として描かれているように感じられ、一部の観客にとって不快感を与えています。また、ゴードン自身が悪人ではなく、むしろ献身的な人物として描かれているため、その死が余計に「可哀想」と感じられる要因となっています。

映画『2012(2009)』でゴードンはなぜ死亡したのか?

映画『2012』の中で、ゴードン・シルバーマン(キャスト名:トム・マッカーシー)は箱舟に密航しようとした際に命を落とします。彼が死亡した直接的な原因は、箱舟のゲート内の機械に巻き込まれてしまったためです。箱舟の内部は極めて複雑な構造になっており、機械が作動する中で密航者にとって危険な環境でした。ゴードンは不運にもその状況下で命を落とすこととなりました。

物語上では、ゴードンの死が主人公ジャクソン・カーティス(キャスト名:ジョン・キューザック)と元妻ケイト、そして家族が一丸となるきっかけとして描かれています。このため、一部の視聴者には「ゴードンが家族の再結成のための犠牲として消費された」と感じられることがあり、不満を抱く声もあります。特にゴードンは、ケイトや子どもたちに対して献身的な姿勢を見せていたため、その死がより悲劇的に感じられる要因となっています。

映画『2012(2009)』に参加している日本人は?

映画『2012』には日本人キャストは登場していません。しかし、本作には日本人クリエイターが制作に関わっています。その一人がVFX(視覚効果)クリエーターの坂口亮であり、彼は本作の圧倒的な映像美と迫力ある破壊シーンを手掛けるチームの一員として参加しました。坂口亮はハリウッドでも活躍する著名なVFXアーティストであり、映画『2012』のリアリティあるビジュアル表現に大きく貢献しています。

映画『2012』は、地球規模の災害や破壊を壮大なスケールで描いた作品であり、特に津波や地殻変動による都市の崩壊シーンは、そのビジュアルのリアルさが話題になりました。このような映像を支えた坂口亮を含む制作チームの貢献は、映画の大きな魅力の一つと言えます。

映画『2012(2009)』で主人公・ジャクソンたちが生還したその後は?

映画『2012』のクライマックスでは、主人公ジャクソン・カーティス(キャスト名:ジョン・キューザック)とその家族が、地球規模の大災害を生き延び、箱舟に乗って生還を果たします。しかし、劇中では彼らのその後について詳細には描かれていません。

ただし、「ブルーレイ&DVDセット」の初回特典ポストカード画像には、映画の結末以降の世界の様相を記した世界地図が公開されています。この地図によると、大災害の影響で地球のほとんどの大陸が水没し、生き残った人々は新たな環境での生活を余儀なくされていることが示されています。このように、物語の続きは公式には描かれていないものの、大陸の大部分が失われた新しい世界が想像される形となっています。

映画『2012(2009)』のツッコミどころは?

映画『2012』にはいくつかのツッコミどころがあり、一部の視聴者にとってはリアリティを損なう要素と感じられています。たとえば、主人公ジャクソン・カーティス(キャスト名:ジョン・キューザック)とその家族が次々と危機的な状況を切り抜けるシーンです。地殻変動や津波といった地球規模の災害が発生しているにもかかわらず、彼らだけが奇跡的に助かり続ける展開に「ご都合主義ではないか?」という指摘が多く見られます。

また、ストーリーの中心にある「箱舟」の建造についても、短期間であれだけの規模の船を作れるのかという疑問が挙がっています。さらに、地球規模の災害が迫っている状況にもかかわらず、物語中盤の人物同士の会話や展開が緊張感に欠けると感じる観客も少なくありません。

これらの点はエンターテインメント映画として大規模な破壊描写に重点を置いているため、物語のリアリティよりもビジュアルやスリルを重視した結果と言えます。観客の中にはこれを受け入れる人もいれば、現実味のなさに違和感を覚える人もいるため、ツッコミどころとして挙げられる要素となっています。

映画『2012(2009)』のカットエンディングの内容とは?

映画『2012』には、本編では削除されたカットエンディングが存在します。その一つとして、津波にのまれて死亡したと思われたハリー・ヘルムズリー(キャスト名:ブル・マンクマ)が、実は箱舟に救出されていたという展開が挙げられます。このシーンでは、ハリーが命を取り留めており、彼の運命に変化が生じています。

カットエンディングでは、他にも一部のキャラクターのその後が描かれていた可能性があり、削除された理由は物語の流れをより簡潔にするためであると考えられます。公開された本編ではハリーの死が強調される形になっていますが、カットされたシーンが加わることで、彼の結末に対する解釈が異なるものとなる可能性があります。

このようなカットエンディングの存在は、映画制作過程での編集や監督の意図がどのように反映されているかを示しており、映画の完成形と別の可能性を楽しむ要素としてファンの間で興味を引いています。

映画『2012(2009)』で大富豪ユーリの愛人タマラはどうなった?

映画『2012』の中で、ロシアの大富豪ユーリ・カルポフ(キャスト名:ズラッコ・ブリッチ)の愛人であるタマラ(キャスト名:ベアトリス・ローゼン)は、劇中で最終的に詳しい運命が描かれることはありません。ただし、彼女が最後に津波に巻き込まれて死亡した可能性が高いと考えられています。

タマラはユーリとともに箱舟への密航を試みますが、彼らが乗船する際に発生した混乱の中で、具体的な生死については明確に示されていません。そのため、視聴者の間では「タマラはどうなったのか?」という疑問が残されています。彼女が救出された可能性も完全には否定できないものの、物語の流れから推測する限りでは、津波によって命を落としたと考えるのが自然です。

タマラの運命は物語全体において大きな影響を与えるものではありませんが、登場人物それぞれの背景や行動に共感する視聴者にとっては気になる要素となっています。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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