この記事では、映画『ミスター・ガラス』のあらすじを簡単に紹介し、結末ラストをネタバレありでわかりやすく解説しています。また、この映画に対する疑問や謎、伏線などについてもわかりやすく考察・解説しています。
映画『ミスター・ガラス』の作品情報
引用元:Amazonプライムビデオ
製作年 | 2018年 |
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上映時間 | 129分 |
ジャンル | ミステリー サスペンス SF |
監督 | M・ナイト・シャマラン |
キャスト | ジェームズ・マカヴォイ ブルース・ウィリス アニャ・テイラー=ジョイ サラ・ポールソン |
製作国 | アメリカ |
映画『ミスター・ガラス』の作品概要
『ミスター・ガラス』は、M.ナイト・シャマラン監督によるスリラー映画で、2000年の『アンブレイカブル』と2016年の『スプリット』の続編にあたります。この作品は、異常な強さを持つデヴィッド・ダン、24の人格を持つケヴィン・ウェンデル・クラム、そして骨が脆いが天才的な知性を持つイライジャ・プライス、通称ミスター・ガラスの3人を中心に展開されます。彼らの能力と存在をめぐる真実を探求しながら、人間の可能性やアイデンティティに迫る物語です。
映画『ミスター・ガラス』の簡単なあらすじ
デヴィッド・ダンは、超人的な力を持つ孤独なヒーローとして街の平和を守っています。一方、24の人格を持つケヴィン・ウェンデル・クラムはその中の一つである「ビースト」として悪事を働いています。この二人が対峙する中、骨の病を持つが卓越した知性を持つイライジャ・プライス、通称ミスター・ガラスが現れます。彼は彼らの力を利用し、自分の計画を実行しようとします。物語は、3人の特異なキャラクターが交錯し、それぞれの目的と真実が明らかになる展開を描きます。
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映画『ミスター・ガラス』の結末ラスト(ネタバレ)
物語のクライマックスでは、デヴィッド・ダン、ケヴィン・ウェンデル・クラム(ビースト)、イライジャ・プライス(ミスター・ガラス)が精神病院で対峙します。彼らはドクター・エリー・ステイプルの治療を受ける中で、超人的な力は実在しないと信じ込まされそうになります。しかし、イライジャは自らの計画を進め、デヴィッドとビーストの力を世間に知らしめるための策略を練ります。
最終的に、精神病院での激しい戦いが繰り広げられますが、イライジャの計画はドクター・ステイプルの所属する秘密結社によって阻止されます。この秘密結社は、超能力者たちを抑圧し、世間から隠すことを目的としていました。しかし、イライジャは最期に自分の死をも利用し、ドクター・ステイプルの計画を暴露する映像を世界中に配信する仕掛けをしていました。
デヴィッドとケヴィンも死を迎えますが、イライジャの行動によって、彼らの存在と能力が公に知られることとなり、超能力者たちが実在することが証明されます。物語は、これまで隠されてきた真実が明らかになり、新たな時代の幕開けを予感させる形で幕を閉じます。
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映画『ミスター・ガラス』の考察・解説(ネタバレ)
映画『ミスター・ガラス』が意味不明と言われる理由とは?
映画『ミスター・ガラス』が「意味不明」と言われる理由は、物語の展開やラストの結末が多くの観客にとって予想外であり、また解釈が難しい点が多いことにあります。まず、ストーリーの大半が精神病院で進行し、登場人物たちが自らの超人的な能力を信じているかどうかが常に疑問視されます。観客は、彼らが本当に能力を持っているのか、それともすべてが妄想なのかという不確かな状態で物語を追いかけることになります。
さらに、ラストの展開で明かされる「三つ葉のクローバーの組織」の存在が、多くの視聴者にとって突如として登場したように感じられます。この組織が超能力者たちを監視し、制御しているという設定は、物語の終盤になって初めて示されるため、唐突感を与えます。加えて、主要キャラクターたちの最期があまりにもあっけなく、また映像が彼らの死を世界に広めるという結末も、スーパーヒーロー作品の一般的な期待に反しており、一部の観客にとって納得のいかないものとなっています。
これらの要素が重なり、映画が全体として解釈しづらく、意味不明だと感じられる要因となっています。
映画『ミスター・ガラス』は『アンブレイカブル』の続編としての関連性は?
映画『ミスター・ガラス』は、2000年の映画『アンブレイカブル』の直接的な続編であり、物語上の関連性が非常に強いです。『アンブレイカブル』では、ブルース・ウィリスが演じるデヴィッド・ダンが、自らが不死身の超人的な力を持っていることに気づき、悪を正す存在としての自覚を持つまでが描かれます。一方、エリヤ・プライス(ミスター・ガラス)は、彼の対極にあるキャラクターとして、脆弱な体を持ちながらも天才的な頭脳を駆使し、デヴィッドを自身の理想に導く役割を果たしていました。
『ミスター・ガラス』では、その後の物語が描かれ、デヴィッドとエリヤが再び対決します。エリヤは、超能力者の存在を世間に知らしめるために、デヴィッドとケヴィン・ウェンデル・クラム(『スプリット』に登場する多重人格者)を利用します。これにより、『アンブレイカブル』で提示されたテーマである「超能力者の存在が現実にあるのか」という問いがさらに掘り下げられ、物語が展開されます。
『アンブレイカブル』の続編として、『ミスター・ガラス』はその世界観を拡張し、登場人物たちの過去の出来事や彼らの関係性が重要な要素として描かれています。
映画『ミスター・ガラス』に出てくる三つ葉のクローバーの意味とは?
映画『ミスター・ガラス』に登場する三つ葉のクローバーは、映画の終盤で明らかになる秘密組織の象徴です。この組織は、超能力者たちの存在を世間から隠し、彼らが社会に混乱をもたらさないようにコントロールするために存在しています。三つ葉のクローバーは、この組織のシンボルであり、映画を通じて繰り返し登場します。
この組織の目的は、超能力者が普通の人々に対して優位に立つことを防ぎ、超人が存在することで社会のバランスが崩れるのを防ぐことです。彼らは、デヴィッド・ダン、エリヤ・プライス(ミスター・ガラス)、ケヴィン・ウェンデル・クラム(ビースト)のような特殊な能力を持つ人物を見つけ出し、その力を封じ込めるためにあらゆる手段を講じています。
三つ葉のクローバーは、一般的には幸運や調和の象徴とされますが、映画内では逆に、超能力者たちの抑圧を意味するものとして機能しています。この組織の存在が明かされたことで、物語は単なるスーパーヒーローの戦いではなく、社会的な力関係や秘密裏のコントロールをテーマとしたものに広がりを見せます。
映画『ミスター・ガラス』に出てくるケイシーの役割とは?
映画『ミスター・ガラス』に登場するケイシー・クック(演:アニャ・テイラー=ジョイ)は、前作『スプリット』から続く重要なキャラクターです。『スプリット』では、ケイシーは多重人格者ケヴィン・ウェンデル・クラム(ビースト)の一つの人格に誘拐されましたが、最終的には彼女の心の傷と共感によって命を救われます。『ミスター・ガラス』でも彼女の役割は大きく、ケヴィンとの複雑な関係性を通じて物語に深みを与えています。
ケイシーは、映画全体を通じてケヴィンの多重人格に対して同情と理解を示し、彼の内なる苦しみを理解しようと努めます。特に、ケヴィンの「本当の自分」である人格に対しては、友人としての支えになろうとする姿勢が見られます。彼女は、ケヴィンを制御し、ビーストが暴走しないようにする重要な役割を担っています。
ケイシーの存在は、ケヴィンの多重人格に対する唯一の「ブレーキ」のようなものであり、彼の暴力性と共感の間で揺れ動く彼の心に影響を与えます。彼女の役割は、単なる被害者から友人へと変化し、ケヴィンの運命に深く関わることになります。
映画『ミスター・ガラス』に出てくる組織の実態とは何か?
映画『ミスター・ガラス』で明らかにされる「三つ葉のクローバーの組織」は、物語の終盤で登場する秘密の組織であり、超能力者の存在を社会から隠蔽することを目的としています。この組織は、デヴィッド・ダンやエリヤ・プライス(ミスター・ガラス)、ケヴィン・ウェンデル・クラムのような特殊能力を持つ人々を発見し、彼らが世間に知られないように監視し、場合によっては抹殺することで、社会の秩序を保とうとしています。
この組織は、超人たちの能力が一般人に知られると、社会的な混乱を引き起こし、バランスが崩れると考えています。彼らの目的は、超能力者がヒーローやヴィランとして社会の中で優位に立たないようにすることで、平等な社会を維持することです。彼らは、デヴィッド・ダンたちが自分たちの力を証明しようとするのを阻止し、その存在を隠蔽し続けるために様々な手段を講じます。
組織の存在が物語において突如明かされるため、一部の観客にとっては驚きの要素となりますが、この組織の登場により、『ミスター・ガラス』のテーマは単なる個人の闘争から、超人と社会の関係性、そして秘密裏に進行する力のバランスを探るものへと広がります。
映画『ミスター・ガラス』と映画『スプリット』の関連性は?
映画『ミスター・ガラス』と『スプリット』は、同じ世界観を共有しており、実質的に『ミスター・ガラス』は『スプリット』の続編とも言える作品です。『スプリット』では、ジェームズ・マカヴォイが演じるケヴィン・ウェンデル・クラムが主人公で、彼の体内に存在する24の異なる人格が描かれます。その中でも「ビースト」と呼ばれる凶暴な人格が最も恐ろしく、ケヴィンはこの人格によって特殊な身体能力を発揮します。
『ミスター・ガラス』では、ケヴィン(ビースト)が再び登場し、デヴィッド・ダンやエリヤ・プライスと対決することになります。『スプリット』の終盤で、デヴィッド・ダンが短いカメオ出演を果たし、この2つの作品が同じ世界に存在することが示唆されました。これにより、『アンブレイカブル』『スプリット』『ミスター・ガラス』は一連のシリーズとしてつながりを持つことになります。
『ミスター・ガラス』では、ケヴィンの人格の複雑さやビーストとしての能力が重要な要素となり、物語の中でデヴィッド・ダンとの戦いを繰り広げます。『スプリット』で描かれたケヴィンの背景や能力が、この映画でさらに深く掘り下げられ、物語に大きな影響を与えます。
映画『ミスター・ガラス』とマーベル作品との共通点は?
映画『ミスター・ガラス』とマーベル作品には、いくつかの共通点がありますが、最も顕著な点は「超人たちの存在とそれに対する社会の反応」です。マーベル作品では、スーパーヒーローやヴィランたちが特殊な能力を持ち、その力を使って人類を守るか、あるいは破壊しようとする構図が描かれます。『ミスター・ガラス』も同様に、デヴィッド・ダンやケヴィン・ウェンデル・クラム(ビースト)のような超能力者が登場し、彼らの力が人々にどのように影響を与えるかが中心となります。
もう一つの共通点は、ヒーローとヴィランの対立構造です。マーベル作品では、ヒーローとヴィランが明確に対立し、正義と悪の戦いが展開されます。同様に、『ミスター・ガラス』では、デヴィッド・ダン(ヒーロー)とエリヤ・プライス(ヴィラン)、そしてビーストとの対立が描かれます。しかし、『ミスター・ガラス』では、単純な善悪の対立ではなく、それぞれのキャラクターの動機や葛藤が深く描かれている点で異なります。
また、マーベル作品に登場する秘密組織や政府のように、超能力者を制御しようとする勢力も『ミスター・ガラス』に存在します。三つ葉のクローバーの組織は、マーベル作品のシールドやヒドラのような影響力を持ち、超能力者を監視し、制御しようとしています。この点で、両者の作品は超人たちの存在がどのように社会に影響を与えるかを共通のテーマとして持っています。
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映画『ミスター・ガラス』の伏線一覧と回収
イライジャの計画性
伏線
映画の序盤から中盤にかけて、イライジャ・プライス(ミスター・ガラス)の知性と計画性が強調されます。彼は精神病院内での監視体制を注意深く観察し、他の患者の行動や施設の構造を把握しています。
回収
イライジャは最終的にこれらの観察を活かし、デヴィッド・ダンとケヴィン・ウェンデル・クラム(ビースト)を引き合わせる計画を実行します。彼の詳細な計画と準備が、クライマックスの戦いを引き起こし、真実を世間に公表するための重要な役割を果たします。
ドクター・ステイプルの秘密
伏線
ドクター・エリー・ステイプルは、デヴィッド、ケヴィン、イライジャに対して彼らの超能力が存在しないと信じ込ませようとします。しかし、彼女の行動には一貫して隠された意図が感じられます。
回収
映画の終盤で、ドクター・ステイプルが実は秘密結社の一員であり、超能力者たちを抑圧し、世間から隠すことを目的としていることが明らかになります。彼女の真の目的が明かされることで、物語全体の緊張感が増し、彼女の行動の裏にある意図が理解されます。
監視カメラの映像
伏線
精神病院内には多数の監視カメラが設置されており、常にデヴィッド、ケヴィン、イライジャの動向が記録されています。これらのカメラの存在は、物語の中で何度も強調されます。
回収
イライジャは最終的にこれらの監視カメラの映像を利用し、彼らの超人的な力を証明するための証拠として世界中に配信します。この映像が公開されることで、彼の計画が成就し、超能力者の存在が広く認識される結果となります。
デヴィッドの弱点
伏線
デヴィッド・ダンは水に弱いという弱点を持っています。この弱点は映画の中で何度も言及され、彼の強さの裏にある脆さを示しています。
回収
クライマックスの戦いで、デヴィッドは水槽に押し込まれて窒息しかけます。この場面で彼の弱点が再び浮き彫りになり、彼の危機的状況が強調されます。最終的には、この弱点が彼の敗北に繋がる要因となります。
ケヴィンの人格
伏線
ケヴィン・ウェンデル・クラムは24の人格を持っており、その中には強力な「ビースト」も含まれます。映画を通じて、これらの人格が交互に現れる様子が描かれます。
回収
クライマックスでは、ケヴィンの複数の人格が混在する状況が戦いに影響を与えます。最終的にケヴィンは致命傷を負いますが、彼の複数の人格が彼の行動と結末に重要な役割を果たします。
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