映画『そして僕は途方に暮れる』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『そして僕は途方に暮れる』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『そして僕は途方に暮れる』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『そして僕は途方に暮れる』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

菅原裕一は、恋人の里美と喧嘩をしたことをきっかけに、自分の問題から逃げるように家を出てしまう。仕事もせず、友人や家族を頼りながら転々とするが、どこへ行っても過去の行いが原因で居場所を失ってしまう。

最初は大学時代の友人を頼るが、彼の仕事を軽く見てしまい、関係が悪化。次に実家へ帰るものの、家族とも折り合いがつかず、結局また逃げる。さらに元恋人や兄の家も訪ねるが、どこでも過去の無責任な態度を責められ、受け入れてもらえない。

最終的に、裕一は誰からも必要とされず、どこにも行く場所がなくなってしまう。最後の頼みの綱だった兄との関係も壊れ、裕一は一人ぼっちになってしまう。

ラストシーンでは、彼が雪の降る中をただ歩き続ける姿が映し出される。彼がどこへ向かうのか、これからどうするのかは語られないが、逃げ続けた結果、何も残らなくなったことが強く印象に残る結末となっている。

映画『そして僕は途方に暮れる』の考察・解説(ネタバレ)

映画『そして僕は途方に暮れる』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『そして僕は途方に暮れる』はなぜ「つまらない」と言われるのか?

本作が「つまらない」と言われる理由のひとつは、主人公・菅原裕一(藤ヶ谷太輔)の行動に共感しにくい点にある。彼は責任を取らずに問題から逃げ続ける性格であり、その行動にイライラするという感想を持つ観客も多い。

物語は、裕一が恋人と喧嘩し、そのまま家を出るところから始まる。その後、彼は家族や友人を頼るが、どこへ行っても過去のトラブルが浮かび上がり、最終的にどこにも居場所がなくなってしまう。このように、逃げ続けるだけの展開が続くため、成長やカタルシスを求める観客にとっては退屈に感じられることがある。

また、裕一の行動があまりにも無責任で、周囲に迷惑をかける姿に嫌悪感を抱く人もいる。物語に派手な事件や劇的な展開はなく、リアルな人間関係の葛藤が中心となるため、淡々とした雰囲気が「退屈」と感じられる要因になっているとも言える。

映画『そして僕は途方に暮れる』で、主人公の浮気相手とは?

主人公・菅原裕一には浮気の過去があり、その相手はコンパで知り合った女性である。ただし、映画の中では彼女の名前や詳しいキャラクターは明かされていない。

裕一は、彼女と関係を持ったことを当初は認めず、恋人の里美(前田敦子)との間に大きな溝を作ることになる。里美に問い詰められても、はっきりと謝罪することなく、逆に言い訳をして逃げようとする。この態度がさらに彼の評価を下げる要因となっている。

映画では、裕一が過去の行動と向き合わず、ただその場しのぎでやり過ごそうとする様子が描かれる。そのため、浮気相手との関係自体よりも、裕一の「問題から逃げる性格」が物語の大きなテーマになっている。観客の中には、「このような主人公に感情移入できない」と感じる人も多い。

映画『そして僕は途方に暮れる』は舞台で上演された?

本作はもともと舞台作品として制作され、2013年3月に東京・シアターコクーンで上演された。映画版は、その舞台を原作として製作されたものである。脚本・演出は三浦大輔が手掛けており、映画版でも同じく彼が監督を務めている。

舞台版では、映像とは異なる独特の演出が用いられ、主人公の逃避行がより強調される構成になっていた。映画版では、実際のロケ地を活用し、よりリアルな雰囲気の中で主人公の孤独と葛藤を描いている。

舞台から映画への移行によって、登場人物の心理描写や人間関係の変化がより細かく表現されるようになったが、一方で「舞台向きの話を映画にすると単調に感じる」という意見もある。そのため、舞台の持つ緊張感と映画のリアルな映像の違いが、評価の分かれる要因となっている。

映画『そして僕は途方に暮れる』に出てくるアゼリアとは?

アゼリアは、本作のロケ地として使用された神奈川県にある洋食レストランである。物語の中で、主人公・菅原裕一が訪れる場所のひとつとなっており、印象的なシーンで登場する。

このレストランは実際に存在し、地元では老舗の洋食店として知られている。映画の中では、裕一が逃げ続ける中で立ち寄る場所の一つとして描かれており、彼の放浪の旅を象徴するような場面の舞台となる。

映画では、裕一が様々な場所を転々としながら、自分の行き場のなさや孤独を感じる様子が描かれる。そのため、アゼリアのようなレストランのシーンも、彼の心情を反映する重要な場面となっている。観客にとっては、ロケ地の一つとして映画の世界観をよりリアルに感じられる要素となっている。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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