この記事では、映画『スプライス』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『スプライス』の結末・ラスト(ネタバレ)
物語は、遺伝子研究を行う科学者のカップル、クライヴとエルサが、動物と人間の遺伝子を組み合わせて新しい生命体「ドレン」を作り出すところから始まります。ドレンは普通の人間とは異なる外見と能力を持ち、急速に成長します。最初は実験対象として扱われていたドレンですが、エルサは母親のように彼女に接し始め、ドレンもエルサに懐くようになります。
ドレンが成長するにつれて、彼女は知性や感情を持つようになり、普通の人間のように考えたり感じたりするようになります。しかし、同時に彼女の行動は次第に予測不可能で危険なものになっていきます。ドレンは自分の正体や存在意義に苦しみ、エルサとクライヴに対して混乱した感情を抱くようになります。
物語の後半で、ドレンは突然性別が変わり、雄へと変化します。これにより、彼女の行動はさらに攻撃的で暴力的なものになり、エルサとクライヴの関係も崩壊していきます。クライヴはドレンと関係を持ってしまい、エルサとの間に大きな亀裂が生じます。その後、ドレンは完全に制御不能となり、クライヴを殺してしまいます。
クライマックスでは、エルサとドレンが最後の対決を迎えます。エルサは、ドレンの暴走を止めるために彼女と戦い、最終的にドレンを倒します。しかし、この戦いでエルサはドレンに襲われ、彼女の子供を身ごもってしまいます。
映画の最後のシーンでは、エルサが研究所でスポンサーの前に立ち、ドレンの遺伝子を使った新しい生命体の研究を続けることを示唆します。彼女の目には冷静な決意が宿っており、彼女がこれからどのような道を進むのかは不明です。エルサのお腹にはドレンの子供が宿っており、物語は非常に不穏な終わり方を迎えます。
この結末は、人間が科学の力を使って生命の創造に手を出すことの危険性と、それによって引き起こされる予期せぬ結果を強く警告しています。物語はエルサがドレンの子供を出産することで、新たな恐怖が始まる可能性を暗示して幕を閉じます。
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映画『スプライス』の考察・解説(ネタバレ)
映画『スプライス』のドレンの性別は雄?
映画『スプライス』に登場するドレンの性別は、最初は雌として描かれています。ドレンは、科学者のクライヴとエルサが、人間と動物の遺伝子を掛け合わせて生み出した新しい生命体です。彼らはドレンを研究対象として育て、最初は雌だと判断します。ドレンは、女性のような姿と性格を持ち、子供から少女、そして大人の女性へと成長していきます。
しかし、物語の後半で、ドレンの体に突然変異が起き、性別が雌から雄に変わります。これは、彼女の遺伝子に組み込まれていた動物の特性の一つで、性転換が可能な生物の遺伝子が影響していると考えられます。ドレンは性別が変わることで、体の構造や行動にも大きな変化が生じ、物語の展開に大きな影響を与えます。
このように、ドレンは元々は雌として生まれましたが、物語の進行に伴い、雄へと変化することで、キャラクターの複雑さと不安定さを強調しています。彼女の性別の変化は、物語のクライマックスで重要な役割を果たし、ドレンの存在がどれほど予測不可能で危険であるかを示しています。
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映画『スプライス』でドレン役を演じた女優は誰?
映画『スプライス』でドレン役を演じたのは、フランス出身の女優デルフィーヌ・シャネアックです。彼女は1978年生まれで、映画やテレビドラマなどで幅広く活動している俳優です。『スプライス』では、非常に難しい役柄であるドレンを演じました。ドレンは人間と動物の遺伝子を組み合わせて作られた生命体で、普通の人間とは異なる動きや表現が求められるキャラクターです。
デルフィーヌ・シャネアックは、この役を演じるにあたって、動物的な身振りや表情を取り入れ、ドレンの異質さと危うさを見事に表現しました。また、ドレンが成長するにつれて変化する心情や身体の変化も、繊細かつ大胆に演じています。彼女の演技は、視覚効果や特殊メイクを駆使したキャラクター造形と相まって、観客に強い印象を残しました。
シャネアックはこの作品で国際的な注目を浴び、彼女の演技力が評価されました。ドレンという複雑で挑戦的な役柄を見事にこなし、観客に忘れられないキャラクター像を残したことは、彼女のキャリアの中でも特筆すべき点と言えます。
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映画『スプライス』のドレンの目的は何?
映画『スプライス』に登場するドレンは、人間と動物の遺伝子を組み合わせて作られた新しい生命体であり、彼女自身には明確な「目的」というものはありません。彼女はクライヴとエルサという科学者によって実験的に生み出され、最初は研究対象として育てられました。ドレンの存在は、科学者たちが遺伝子操作の限界を探り、生命の可能性を広げるための試みとして誕生したものです。
物語が進むにつれて、ドレンは急速に成長し、知性と感情を持つようになります。彼女は自分が特別な存在であることを理解し、次第にエルサを母親、クライヴを父親のように感じるようになります。しかし、彼女が成長するにつれて、自分が「実験動物」であり、本当の家族ではないことを悟り始めます。その結果、彼女は自由を求め、自分の存在意義を見つけたいという欲求を持つようになります。
ドレンは生まれながらにして生存本能を持ち、自己を守るために本能的に行動します。彼女の目的は、他の生物と同じように生き延びることですが、彼女の行動は、時に予測不能で危険なものとなり、物語の結末に向けて悲劇的な展開を引き起こします。
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映画『スプライス』が「気持ち悪い」と言われる理由とは?
映画『スプライス』が「気持ち悪い」と言われる理由は、作品の中で描かれる遺伝子操作の倫理的な問題や、ドレンという異形の存在が引き起こす不安感、そして物語の展開が観客に強い不快感を与えるためです。まず、主人公の科学者カップル、クライヴとエルサが人間と動物の遺伝子を組み合わせて新しい生命体を作り出す行為自体が、多くの人にとって道徳的に受け入れがたいものです。
ドレンの外見や行動も、観客に「気持ち悪さ」を感じさせる要因の一つです。彼女は人間のようでありながら、動物的な特徴を持っており、成長するにつれて異様な姿に変わっていきます。彼女の行動も予測不能で、知性と獣性が入り混じった振る舞いは不気味さを際立たせます。
さらに、ドレンとエルサやクライヴとの関係が複雑で、時に家族のように接しながらも、実際は実験対象として扱われていることや、性的な緊張感が描かれる場面もあるため、多くの観客に不快感を与えます。これらの要素が組み合わさり、映画全体が「気持ち悪い」と感じられる作品となっています。
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映画『スプライス』に続編はあるのか?
映画『スプライス』には現在のところ続編は制作されていません。公開当時、映画の斬新な設定やテーマが話題となり、続編を望む声もありましたが、公式に続編の発表はされていません。『スプライス』は、遺伝子操作の限界や倫理的な問題をテーマにしており、観客に強烈な印象を与えましたが、そのストーリー展開や結末があまりにも衝撃的だったため、続編を作ることは難しいと考えられています。
映画のラストでは、ドレンがエルサとの間に新しい生命を宿し、エルサが妊娠していることが示唆されます。このエンディングは、続編が制作される余地を残しているようにも見えますが、物語が非常に暗く、道徳的な問題も多いため、その後の展開を描くことは困難とされています。
監督のヴィンチェンゾ・ナタリも、続編のアイデアについて言及したことがありますが、具体的な企画には至っていません。したがって、現時点では『スプライス』の続編は存在せず、今後制作されるかどうかも不明です。
映画『スプライス』のドレンとエルサの関係は?
映画『スプライス』の中で、ドレンとエルサの関係は非常に複雑で、母親と娘のような愛情と、実験対象と研究者という立場の間で揺れ動いています。エルサは、ドレンを自分の遺伝子を用いて作り出しており、ドレンを単なる実験体としてではなく、自分の子供のように感じている部分があります。彼女はドレンに対して保護者のように接し、彼女の成長を見守ります。
一方で、エルサはドレンに対して愛情だけでなく、好奇心や支配欲も抱いており、彼女を研究対象としてコントロールしようとします。ドレンが急速に成長し、知性と感情を持つようになると、エルサはドレンの扱いに悩み、彼女との距離をどのように保つべきか苦悩します。ドレンもエルサを母親として慕う一方で、自分がエルサにとって実験体でしかないことを理解し始め、次第に反発心を抱くようになります。
物語が進むにつれて、ドレンはエルサに対して愛情と怒りが入り混じった感情を持つようになり、二人の関係は次第に破綻していきます。彼女たちの関係は、科学が人間の倫理や感情をどのように超えてしまうかを描いた悲劇的な要素として、物語の中心に据えられています。
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