この記事では、映画『オデッセイ(2015)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『オデッセイ(2015)』の結末・ラスト(ネタバレ)
映画『オデッセイ』の結末では、火星に一人取り残されていた宇宙飛行士のワトニーが、仲間たちの救出作戦によって無事に地球に帰還します。
物語の最後の救出シーンでは、ワトニーが自ら改造した火星探査機を使い、仲間のいる宇宙船「ヘルメス号」に向かって飛び立ちます。しかし、宇宙船との距離が思った以上に遠く、彼は届かない状況に陥ります。そこで船長のルイスはリスクを承知で、自ら命綱で外に出てワトニーを助ける決断をします。さらに、ワトニーも自分のスーツに穴を開けて、空気の勢いで自らを飛ばすという大胆な手段を使い、最後の一瞬で二人は無事に掴み合います。
ワトニーが仲間と無事に合流した後、「ヘルメス号」は地球へと帰還します。地球に戻ったワトニーは、火星でのサバイバル生活で学んだことを未来の宇宙飛行士に伝えるため、宇宙飛行士を目指す若者たちに向けて講義を行う場面が描かれます。彼はそこで、「困難に直面しても、あきらめずに一つひとつ解決していくことで道が開ける」と語り、火星での経験から得た教訓を伝えます。
映画のラストシーンでは、ワトニーが火星でのサバイバル生活で培った強い意志や知恵を次世代に伝えようとする姿が描かれ、彼の成長や生きる力がしっかりと観客に伝わります。物語はワトニーの無事な帰還と、その後の新たな生活を示し、観客にとっても感動的な締めくくりとなります。この映画は、どんな困難な状況でもあきらめずに挑戦し続けることの大切さを教えてくれる作品です。
映画『オデッセイ(2015)』の考察・解説(ネタバレ)
映画『オデッセイ(2015)』が「つまらない」と言われる理由は何か?
『オデッセイ』が「つまらない」と感じる人がいる理由には、ストーリーが非常に壮大であるにもかかわらず、あまり迫力やハラハラする展開が感じられない点が挙げられます。火星に取り残された主人公のワトニーがサバイバルする設定は非常に緊張感があるはずですが、彼が淡々と冷静に解決策を見つけ出していく姿は、観客に「絶対絶命」の緊迫感をそれほど感じさせないことがあります。
また、科学や技術的な解説が多く含まれているため、シンプルな冒険ものとは異なり、やや知識が必要な面がある点も影響しています。科学的な詳細に興味がない観客には、作業の場面が単調に感じられ、展開が遅いと感じられることがあるのです。さらに、ワトニーがユーモアを交えながら自分を奮い立たせるシーンが多いものの、そこに共感を感じられない場合には、彼が危機にあることを忘れさせてしまう要素にもなっています。このように、ストーリーがスリリングでありながらもテンポが緩やかであるため、観客の中には「つまらない」と感じる人もいるようです。
映画『オデッセイ(2015)』のように火星でじゃがいもを育てることは可能なのか?
『オデッセイ』で主人公ワトニーは火星でじゃがいもを栽培して食糧として確保しようとしますが、現実的には火星でじゃがいもを育てることは非常に難しいとされています。火星は気温が極端に低く、また、地表には農作物を育てるための栄養が少ないため、土壌だけで植物が育つ環境ではありません。また、大気中に酸素がほとんど存在せず、二酸化炭素が多く含まれているため、地球と同じように植物が成長するのは不可能です。
さらに、ワトニーは映画内で排泄物を肥料として使用し、限られた水を供給するなど工夫をしていますが、火星の土壌には有害物質が含まれており、そのままでは植物が生き延びられません。科学的に言えば、映画で描かれたような方法では不可能に近く、火星でじゃがいもを育てて生き延びるという設定は、物語上の工夫と言えるでしょう。実際には、温度や土壌の問題を解決するための人工的な施設が必要であり、簡単には栽培できないのが現実です。
映画『オデッセイ(2015)』のワトニーのセリフ「ヨハンセン臭すぎ」の意味とは何か?
『オデッセイ』で主人公ワトニーが「ヨハンセン臭すぎ」と発言した場面は、火星でじゃがいもを育てるための過程で出たユーモラスなひと言です。ワトニーは限られた資源を駆使して火星で食料を確保しようとし、じゃがいもを栽培することに決めます。その際、肥料として乗組員たちの排泄物を利用することにしました。しかし、排泄物は冷凍保存されていたため、まず解凍する必要があり、その際にかなりの臭いが発生したのです。
「ヨハンセン臭すぎ」というセリフは、解凍中に特に強烈な臭いがした乗組員ヨハンセンの排泄物についての冗談です。ワトニーは困難なサバイバル生活を乗り越えるために、ジョークを交えて気分を保とうとしています。こうした場面では、ワトニーの明るい性格が描かれており、火星で一人きりで生き延びるためにポジティブさを保ちながら日々を乗り切っている様子が伝わってきます。このシーンは物語における緊張感を和らげ、ワトニーの人間味あふれる一面を観客に感じさせる場面のひとつです。
映画『オデッセイ(2015)』は実話を基にしているのか?
映画『オデッセイ』は、アンディ・ウィアーの小説『火星の人』を原作にしており、実話を基にしているわけではありません。物語は、火星探査中の事故で取り残されてしまった宇宙飛行士ワトニーが、知識と工夫を駆使して火星で生き延びるというサバイバルストーリーです。アンディ・ウィアーは科学や宇宙探査の分野に関する知識を持っており、作中の出来事が実際の科学的知見に基づいているため、リアリティがある内容になっていますが、あくまでフィクションです。
ウィアーは「火星で人が生き延びるにはどうすればよいか」を徹底的に調べ、科学的なアプローチに基づいて書き上げました。映画化にあたっても、実際のNASAや宇宙科学者の意見が取り入れられており、映像も現実に即したものとなっています。このため、フィクションでありながら、まるで本当にあった出来事かのように感じられます。ワトニーが遭遇する困難やその解決策が非常に現実的に描かれているため、観客がまるで実話のように没入して楽しむことができる作品になっています。
映画『オデッセイ(2015)』の爆発事故でじゃがいも畑は全滅した?
映画『オデッセイ』の中で、ワトニーがじゃがいもを栽培していた畑が爆発事故によって全滅するシーンがあります。事故の原因は、居住施設で発生した酸素漏れに伴う気圧の変化で、これにより施設内の温度が一気に低下しました。急激な凍結が起こり、じゃがいも畑は壊滅的な被害を受け、完全に凍結してしまったのです。これにより、ワトニーが食料として育てていたじゃがいもは全て使い物にならなくなり、彼の食糧確保計画は大きく崩れてしまいます。
この事件は、ワトニーにとってさらに厳しいサバイバル状況をもたらし、彼は残り少ない食料でどのように生き延びるかを再び考えなければならなくなりました。畑が全滅したことは、火星での限られた資源がいかに貴重であるかを強調しており、ワトニーが生き延びるためにさらなる工夫や努力が必要になるシーンです。観客にとっても、この事件はサバイバル生活の困難さを強く感じさせるシーンとして印象的に描かれています。
映画『オデッセイ(2015)』に家族や恋人と見ると気まずいシーンはあるのか?
映画『オデッセイ』には、家族や恋人と一緒に見て気まずくなるようなシーンはほとんどありません。この作品は宇宙でのサバイバルがテーマで、主人公ワトニーが火星で生き残るためにあらゆる方法を駆使して奮闘する内容です。アクションやサスペンスの要素はありますが、物語は主にワトニーの努力や科学的な工夫に焦点が当てられているため、過激な暴力やラブシーンもなく、どの年齢層にも安心して観られる内容です。
唯一の例外として、ワトニーがじゃがいもを栽培するために排泄物を肥料として使うシーンが登場しますが、これはサバイバルの工夫として描かれており、あくまでも科学的な視点からの描写です。また、ワトニーがこの困難な状況でもユーモアを忘れずに生き延びようとする姿勢が強調されているため、シリアスな場面でも軽快さが感じられます。この映画は、幅広い層の視聴者に適した作品であり、家族や友人、恋人と気軽に楽しめるでしょう。
映画『オデッセイ(2015)』と原作小説『火星の人』との違いは何か?
映画『オデッセイ』は、アンディ・ウィアーの小説『火星の人』を原作としていますが、映画化にあたりいくつかの違いがあります。まず、映画では緊迫感を高めるために、原作で描かれた細かなシーンの一部が省略されています。例えば、ワトニーが火星でサバイバルするための詳細な手順や技術的な説明が、映画版では簡略化されています。原作では科学的な内容がさらに詳しく描かれており、ワトニーがどうやって水を生成したり、酸素を確保したりするかについても細かく説明されていますが、映画では分かりやすさを重視して一部省かれています。
また、映画版では原作にはなかった緊迫したラストシーンが追加されています。特に、ワトニーが宇宙船に戻ろうとする際、仲間が彼をキャッチしようとするシーンでは距離が足りず、彼が無重力空間を飛び越える場面が加わりました。この演出により、ワトニーが救出される瞬間までのドキドキ感が高まり、映画ならではのスリリングな展開が生まれました。このように、映画版は原作に忠実でありながらも、視覚的なエンターテインメント要素を取り入れることで、観客に緊張感と感動を与える作品に仕上がっています。
映画『オデッセイ(2015)』でワトニーはなぜじゃがいもを育てているのか?
映画『オデッセイ』でワトニーが火星でじゃがいもを育てているのは、生き延びるための食糧を確保するためです。ワトニーは火星に一人取り残され、帰還するためには何か月も自力で生き延びる必要がありました。持ち込まれていた宇宙食は限られており、次の救援が到着するまでの長期間をそれだけで過ごすことはできないと判断したため、彼は火星で自ら食糧を栽培する方法を考えました。
そこで選んだのが、じゃがいもです。じゃがいもはエネルギーが豊富で、少ない資源で効率よく増やせる作物として知られており、火星の居住施設内の限られたスペースでも育てやすいと考えました。また、栽培に必要な水分を自ら生成し、排泄物を肥料として利用するなど、あらゆる資源を工夫して活用しました。このようにして、ワトニーは自分の知識と工夫で火星での栽培を成功させ、食糧を確保することで生き延びる希望を持ち続けることができました。
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