この記事では、映画『ソルト』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『ソルト』の結末・ラスト(ネタバレ)
映画『ソルト』のラストでは、主人公イヴリン・ソルトが自らの運命を切り開くために大胆な行動を取ります。物語の終盤、ソルトはロシアのスパイとしての正体を暴かれ、CIAから追われる立場になります。しかし、彼女は単なるスパイではなく、ロシア側の陰謀を暴き、アメリカを守るために戦う決意を固めていました。
クライマックスでは、CIA内の二重スパイであるテッド・ウィンター(ニコライ)が、アメリカ政府を乗っ取ろうとする計画を進めます。彼の目的は、ロシアの指令を受けてアメリカと他国を戦争状態に導くことです。しかし、ソルトはその計画を阻止するため、ウィンターと直接対峙します。激しい戦いの末、彼女はウィンターを倒し、彼の陰謀を未然に防ぎます。
その後、ソルトはアメリカ政府に身柄を拘束されますが、彼女の行動を見たCIAの同僚ピーボディは、彼女が真に国を守ろうとしていることを理解します。ピーボディは彼女を信じる決断をし、ソルトを解放します。そして、ソルトはロシアの陰謀を完全に壊滅させるため、自らの手で残りの敵を追い詰める決意を胸に逃亡します。
ラストシーンでは、ソルトがヘリコプターから川へと飛び降り、彼女の運命がどこへ向かうのかを暗示しながら幕を閉じます。この結末は、彼女の行動が単なる復讐ではなく、信念に基づくものであることを強調しています。同時に、物語にさらなる続きがあるかのような余韻を残し、観客の想像力を掻き立てる締めくくりとなっています。
映画『ソルト』の考察・解説(ネタバレ)
映画『ソルト』が難しいと言われる理由は?
『ソルト』が難しいと言われる理由の一つは、主人公イヴリン・ソルトの正体が二転三転するからです。物語の冒頭で、彼女はアメリカのCIAエージェントとして登場しますが、途中でロシアのスパイであることが明かされ、さらには自分自身の意志で行動しているのか、誰かに操られているのかが曖昧に描かれます。このように、観客が彼女の行動の意図を理解するのが難しい構成になっています。
さらに、映画は冷戦時代の名残やロシアのスパイネットワークに関する背景知識を前提にしているため、ロシアの計画や組織の目的がわかりにくいという意見もあります。特に、オルロフや「トロイの子」といったロシアのスパイ育成プログラムの詳細が映画内で十分に説明されないため、観客が情報を追うのに苦労する部分があります。
加えて、映画のペースが非常に速く、アクションシーンやプロットの展開が目まぐるしいことも混乱を招きます。一見単純に見えるスパイ映画でありながら、実は心理戦や裏切りが重なった複雑なストーリーが展開されているため、多くの視聴者が「難しい」と感じる理由になっています。
映画『ソルト』の別エンディングのネタバレは?
『ソルト』には劇場公開版とは異なる別エンディングが存在します。Blu-ray特典に収録されたこれらのエンディングでは、主人公イヴリン・ソルトの運命が異なる方向に進みます。一つのバージョンでは、ソルトがロシアのスパイとして再び活動を始める展開が描かれています。このバージョンでは、彼女がロシアの命令に従い続ける道を選び、アメリカへの裏切りを象徴するようなラストになっています。
もう一つのバージョンでは、ソルトがアメリカ側に残り、CIAや政府に協力する道を選びます。このエンディングでは、彼女が過去の罪を清算し、新しい未来を切り開こうとする姿が描かれています。
これらの別エンディングは、物語の解釈を観客に委ねる形になっており、どちらの結末もそれぞれの視点で興味深いものになっています。これにより、物語全体に深みを与え、ソルトというキャラクターの複雑さをさらに際立たせています。
映画『ソルト』に続編はあるか?
『ソルト』の続編は、公開当時に計画されていましたが、最終的に制作されていません。映画の成功を受けて、続編の話が進められましたが、脚本やスケジュールの調整がうまくいかなかったことが理由の一つとされています。また、主演のアンジェリーナ・ジョリーがスケジュールの都合やプロジェクトに対する興味を示さなかったことも影響しています。
続編が制作されていないにもかかわらず、映画のオープンエンディングは物語にさらなる展開の可能性を残しており、観客はその後のソルトの運命を想像することができます。この映画が単独作でありながらもシリーズ化を期待されるほどの人気を得た理由には、主人公の魅力的なキャラクター性と複雑なストーリー展開が挙げられます。
結果として、『ソルト』は続編のない単発の映画として終了しましたが、その後も視聴者の間で語り継がれ、スパイ映画の一つの代表作として評価されています。
映画『ソルト』で、なぜオルロフはソルトがスパイだとCIAにバラしに来たのか?
オルロフがCIAにソルトの正体を密告した理由は、物語全体の鍵となる重要な要素です。まず、オルロフ自身はロシアのスパイマスターであり、冷戦時代から計画されていた「トロイの子」作戦の中心人物です。この計画は、ロシアが幼少期からスパイを育成し、アメリカ社会に潜り込ませるもので、イヴリン・ソルトもその一員として育てられました。
オルロフが密告した主な目的は、ソルトの忠誠心を試すためです。彼はCIAに自分がわざと捕まり、ソルトがロシア側のスパイであると暴露します。これにより、ソルトがアメリカのスパイとして行動し続けるのか、それともロシア側の命令に従うのかを確認しようとしたのです。ソルトがCIAから追われる状況に置かれることで、彼女の真の目的や忠誠が明らかになるだろうと考えました。
さらに、オルロフの行動には、CIA内に潜むもう一人の二重スパイであるテッド・ウィンター(本名ニコライ)の存在を隠す目的も含まれています。彼の密告は、CIAの注意をソルトに集中させることで、ウィンターが計画を進めるための時間稼ぎとなる仕掛けでした。この策略が物語に緊張感を生み出し、観客が次に何が起きるのかを予測しにくくする効果を持っています。
オルロフの密告は単なる裏切りではなく、巧妙な計画の一部として描かれています。この複雑な背景が映画『ソルト』を一層魅力的で奥深い作品にしています。
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