この記事では、映画『インフェルノ(2016)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『インフェルノ(2016)』の結末・ラスト(ネタバレ)
物語のクライマックスでは、ロバート・ラングドン(キャスト名:トム・ハンクス)がウイルス拡散を阻止するため、シエナ(キャスト名:フェリシティ・ジョーンズ)やWHOのチームとともに、イスタンブールの地下で繰り広げられる激しい攻防に挑みます。ウイルスが隠されていたのは、観光名所である「地下宮殿」の貯水池でした。この場所が物語の最終決戦の舞台となり、ラングドンたちはウイルスを解き放とうとする勢力と対峙します。
最終的に、ラングドンたちはウイルス拡散を未然に防ぐことに成功します。物語の重要な鍵を握っていたシエナは、彼女が信じる理想のために行動していましたが、最終的にはウイルスを拡散させない道を選びます。彼女はその過程で命を落とす形になり、彼女の行動がもたらす結果が物語の大きなテーマとなります。
ラストシーンでは、ウイルス拡散を未然に防げたことで、人類は危機を回避しますが、物語を通じて描かれた「地球の人口問題」や「人類の未来への問い」は観客に委ねられる形となっています。この結末は、単なるハッピーエンドではなく、社会的なテーマを深く考えさせる余韻を残す締めくくりとなっています。
映画『インフェルノ(2016)』の考察・解説(ネタバレ)
映画『インフェルノ』のラストでトムハンクスが落としたものとは?
映画『インフェルノ』のラストシーンでは、ロバート・ラングドン(キャスト名:トム・ハンクス)が重要な場面でIDカードを落とします。このIDカードは、ベッキオ宮殿に侵入するために必要なアイテムであり、物語の進行において大きな役割を果たします。カード自体はマルタ(キャスト名:アイダ・ダーヴィッシュ)から奪ったもので、宮殿の内部に入る際に使用されました。
この場面は、物語の緊張感を高めると同時に、ラングドンがいかに危機的な状況下で行動しているかを示しています。ラングドンはIDカードを使用して宮殿に入り、ウイルス拡散を阻止するために奔走しますが、この小道具が手元から離れることが、観客にさらなる不安と焦燥感を与えます。
また、IDカードを落としたことで、ラングドンが状況をコントロールできなくなりかける様子が描かれ、観客に彼の苦境を強く印象づけます。このシーンのようなディテールが、物語全体のサスペンスをより効果的に引き立てています。
映画『インフェルノ』の原作との違いはどこ?
映画『インフェルノ』は、ダン・ブラウンの原作小説を基にしていますが、いくつかの重要な違いがあります。特に注目すべきなのは、シエナ(キャスト名:フェリシティ・ジョーンズ)の結末が異なる点です。原作ではシエナは物語の最後まで生き延び、ウイルス拡散が防がれない結末となります。しかし、映画ではシエナがウイルス拡散を阻止するために自爆するシーンが追加されており、映画独自の解釈で物語が展開されます。
さらに、原作ではウイルスがすでに拡散してしまい、地球規模で大きな影響を及ぼします。一方で映画では、ラングドンたちが間一髪で拡散を未然に防ぐことができる展開に変更され、緊張感の方向性が大きく異なります。この改変により、映画のラストはより明るく希望的な雰囲気を持つ結末となっています。
これらの違いは、映画をより娯楽作品として楽しみやすくするための工夫と捉えられますが、原作ファンの中には、映画版の改変によって原作の持つ深みや倫理的な問いが薄まったと感じる人もいます。
映画『インフェルノ』がつまらないと言われる理由は?
映画『インフェルノ』が「つまらない」と感じられる理由の一つは、原作小説と比較して緊張感や倫理的な深みが薄れてしまった点です。特に、映画版ではウイルス拡散が防がれるという結末に改変されたため、観客に与える危機感が大幅に減少しました。原作ではウイルスが拡散されることで人類の未来に対する重い問いが投げかけられますが、映画ではそのテーマが弱まった印象を与えます。
また、原作の持つ複雑なプロットや謎解き要素が映画では簡略化され、物語の展開が予想しやすくなってしまった点も批判の対象となっています。観客にとっては、先の読めないスリルや意外性が少ないため、物足りなさを感じることがあります。
さらに、映画のテンポが一定で、緊迫感のあるシーンとそうでないシーンのメリハリが弱いと指摘されています。これによって、観客が物語に深く没入しにくいという意見もあります。ただし、壮大なロケーションや美しい映像美は評価されることも多く、視覚的な楽しみを求める人には魅力的な作品となっています。
映画『インフェルノ』はコロナを予言した作品?
映画『インフェルノ』は、新型コロナウイルスのパンデミックを予言していたのではないかと一部で言われることがあります。映画や原作小説のテーマが「ウイルスを使った人口削減計画」であるため、コロナ禍を経験した観客が共通点を見出したことが、この説を生むきっかけとなりました。ただし、映画は2016年に公開され、原作小説はさらにそれより前の2013年に出版されています。したがって、これが未来の出来事を予見していたというわけではなく、偶然の一致とみるべきでしょう。
また、映画で描かれるウイルスは、地球の資源不足や人口爆発への対策として、特定の人物が計画的に作り出したものです。一方で、実際の新型コロナウイルスは自然発生したとされています。この点でも両者は大きく異なります。
それにもかかわらず、物語の内容が「人類全体がウイルスという見えない脅威に直面する」というテーマを扱っているため、観客が現実のパンデミックと重ね合わせてしまうのは無理もありません。この点が、「予言した作品」として話題になる一因となっています。
映画『インフェルノ』のイニャツィオの役割とは?
映画『インフェルノ』で登場するイニャツィオ(キャスト名:カエサル・セレモニーニ)は、物語の中で重要な役割を果たすキャラクターの一人です。彼はフィレンツェの学芸員であり、ラングドン(キャスト名:トム・ハンクス)が自分の行動を思い出すための手がかりを提供する存在として描かれています。特に、イニャツィオはラングドンがデスマスクを盗む際に重要な情報を与え、ストーリーの進行に大きく寄与します。
ラングドンが自分の記憶を取り戻しながら謎を解いていく過程で、イニャツィオとの接触が一つの転換点となります。彼が提供する情報は、物語の重要な謎解きに直結しており、ラングドンが次の行動に移るきっかけを作ります。また、フィレンツェという歴史的な背景が強く関わる作品において、イニャツィオのようなキャラクターが登場することで、物語全体にリアリティと深みが加えられています。
イニャツィオの役割は直接的な行動には少ないものの、ラングドンが進むべき道を示す「道しるべ」のような存在といえます。そのため、彼の登場は物語の重要なターニングポイントとなっています。
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