映画『スリー・ビルボード』のネタバレ・あらすじ・考察・解説

映画のネタバレ・あらすじ

この記事では、映画『スリー・ビルボード』のあらすじを簡単に紹介し、結末ラストをネタバレありでわかりやすく解説しています。また、この映画に対する疑問や謎、伏線などについてもわかりやすく考察・解説しています。

スポンサーリンク
[ad00]

映画『スリー・ビルボード』の作品情報


引用元:Amazonプライムビデオ

製作年 2017年
上映時間 116分
ジャンル ドラマ
サスペンス
コメディ
監督 マーティン・マクドナー
キャスト フランシス・マクドーマンド
ウディ・ハレルソン
サム・ロックウェル
アビー・コーニッシュ
製作国 イギリス
アメリカ

映画『スリー・ビルボード』の作品概要

『スリー・ビルボード』は、2017年に公開されたアメリカのドラマ映画です。監督はマーティン・マクドナー、主演はフランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェルです。映画は、小さな町で娘を殺害された母親が、警察の捜査が進展しないことに業を煮やし、町の入口にある三つの巨大な看板を利用して抗議する姿を描きます。強力な演技と鋭い社会批評で高い評価を受け、多くの映画賞を受賞しました。

映画『スリー・ビルボード』の簡単なあらすじ

映画『スリー・ビルボード』のあらすじを簡単に紹介しています。どんな話なのか参考にしてみてください。

ミズーリ州の小さな町エビングで、娘を殺されたミルドレッド・ヘイズは、犯人が捕まらないことに苛立ち、町の入口にある三つのビルボード(看板)を借りて警察の無能さを訴えます。看板には挑発的なメッセージが書かれ、町全体が騒然となります。警察署長のウィロビーや暴力的な警官ディクソンとの対立を通じて、ミルドレッドの戦いは予期せぬ方向へと展開していきます。彼女の行動は町に大きな波紋を広げ、様々な人々の運命に影響を与えます。
[ad01]

映画『スリー・ビルボード』の結末ラスト(ネタバレ)

映画『スリー・ビルボード』の結末ラストをネタバレありでわかりやすく解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画の終盤、ミルドレッドの看板による抗議活動は町全体に大きな影響を及ぼし、様々な人間関係が変化します。ウィロビー署長は自らの病気と向き合いながらも、手紙を残して自殺し、彼の死は町に衝撃を与えます。彼の手紙は、ミルドレッドやディクソン警官に対して、それぞれの心に深い影響を与えるものでした。

ディクソンはウィロビーの手紙を読んだ後、自分の行動を見直し、変わることを決意します。彼は暴力的な過去を反省し、ミルドレッドに協力するために犯人の手がかりを探し始めます。ある日、ディクソンはバーで怪しい男の会話を偶然耳にし、彼が犯人である可能性を疑います。ディクソンはその男に対し自らを犠牲にして証拠を手に入れようとしますが、結果的には彼が犯人であるという確証は得られません。

ミルドレッドとディクソンは、手がかりが不十分であることを認識しつつも、共に犯人を追うために協力することを決意します。映画は、二人が新たな目的に向かって車で旅立つシーンで幕を閉じます。彼らは真の正義を求め続けることを決意し、物語は観客に希望と疑問を残します。この結末は、復讐と許し、そして人間の変革の可能性について深く考えさせられるものであり、観る者に強い印象を与えます。
[ad02]

映画『スリー・ビルボード』の考察・解説(ネタバレ)

映画『スリー・ビルボード』に対する疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『スリー・ビルボード』の事件の真相とは?

映画『スリー・ビルボード』の中心となる事件は、ミルドレッド・ヘイズの娘アンジェラがレイプされ、殺害された未解決の事件です。ミルドレッドは、警察が犯人を見つけ出せないことに業を煮やし、町の外れにある3つの広告ボードに署長ウィロビーを非難するメッセージを掲げます。

事件の真相は、映画の最後まで解明されることはありません。観客は、ミルドレッドと同じように、真犯人が誰なのか分からないまま物語を追いかけます。物語の終盤で登場する男が、事件に関与しているかのような描写がありますが、彼は犯人ではないことが後に判明します。彼がDNA検査で無関係と分かった後、ミルドレッドとディクソンは結局、犯人を見つけることができません。

この結末により、映画は「犯人探し」だけでなく、怒りや復讐、赦しといったテーマに焦点を当てたドラマであることを強調しています。事件の真相が解明されないことで、物語は現実の世界の不確実性と未解決の感情に重きを置いています。

映画『スリー・ビルボード』の真犯人は一体誰なのか?

映画『スリー・ビルボード』では、アンジェラ・ヘイズのレイプ殺人の犯人は最後まで特定されません。物語の中で、ミルドレッドや視聴者は犯人が誰なのかを探し続けますが、結局犯人は不明のままです。

物語の終盤で、ミルドレッドとディクソンが目をつけた男が現れます。彼は酒場で、自分が女性をレイプして殺害したという内容の話をしており、ディクソンはこの男がアンジェラの事件の犯人だと疑います。しかし、後にDNA検査の結果、彼がアンジェラの事件とは無関係であることが明らかになります。

犯人が特定されないまま映画が終わることで、物語は「真犯人を探し出す」という一般的な推理ドラマの枠を超え、未解決の問題にどう向き合うかを問う作品になっています。結局、真犯人は判明しないものの、ミルドレッドとディクソンが共に復讐に向かうことで、彼ら自身の内面の変化が描かれます。犯人が特定されない結末は、現実の世界の不確実性と人々の苦悩を象徴しています。

映画『スリー・ビルボード』は、本当につまらないと言われているのか?

映画『スリー・ビルボード』が「つまらない」と感じられることがあるのは、その期待とは異なる展開や、一般的なサスペンス映画の枠を超えたテーマに焦点を当てているためです。多くの観客は、未解決の殺人事件に対するミステリーの解決や、犯人が特定されるクライマックスを期待しますが、映画はその期待を裏切り、事件の真相を明かさないまま終わります。

また、作品全体が「怒り」と「赦し」というテーマに重きを置いており、ハリウッド的な派手なアクションやサスペンスの緊張感を求めていた観客には、静かな展開やキャラクターの内面に焦点を当てた描写が物足りなく感じられることがあります。特に、キャラクターたちが完全に変わるわけではなく、曖昧な形で終わることが、視聴者によっては不満に繋がることがあります。

それでも、この映画はそのユニークなストーリー展開や、キャラクターの深い心理描写、社会的な問題に対するアプローチで、多くの批評家や観客から高い評価を得ています。観客によっては「つまらない」と感じるかもしれませんが、その内容は非常に重厚で感情的な深みを持っています。

映画『スリー・ビルボード』で広告ボードの発見者ディクソンの役割とは?

ディクソン(サム・ロックウェル)は、映画『スリー・ビルボード』において重要な役割を果たすキャラクターです。彼は、ウィロビー署長の部下で、暴力的で差別的な性格を持つ警察官として登場します。ミルドレッドが町外れに設置したビルボードによって、警察の怠慢が公にされ、ディクソンもその影響を受けます。

当初、彼は怒りにまかせて感情的な行動を取り、広告代理店のレッドを暴行するなど、倫理的に問題のある行動を見せます。しかし、物語が進むにつれて、ディクソンのキャラクターは徐々に変化していきます。彼はウィロビー署長の死後、自分の未熟さに気付き、過去の過ちを反省し始めます。

映画のクライマックスでは、ディクソンはミルドレッドと共に復讐を果たそうと決意し、真犯人とされる人物を追いかけるために協力します。ディクソンの役割は、単なる警察官としてではなく、赦しや成長、そして人間の複雑な感情を体現する重要なキャラクターとして描かれています。彼の変化は、映画全体のテーマである「怒りと赦し」に深く結びついています。

映画『スリー・ビルボード』に出てくる「砂の多い場所」とは、どこか?

映画『スリー・ビルボード』で言及される「砂の多い場所」は、物語の後半でミルドレッドとディクソンが復讐のために向かう場所として登場します。具体的には、彼らが追っている男性が「砂の多い場所」にいるという情報を得て、そこに向かうことが決まります。

この「砂の多い場所」が地理的にどこを指しているのかは映画の中で明示されていませんが、アメリカ南部の砂漠地帯や砂が多い荒涼とした地域を指していると考えられます。物語の設定がミズーリ州であるため、砂漠地帯へ向かうにはかなりの距離があることが示唆されています。

この場所自体が映画の物語の進行において重要な役割を果たしているわけではありませんが、ミルドレッドとディクソンが共に向かう「復讐の旅」の象徴的な舞台として機能しています。二人は共にその道を進むものの、最終的に復讐を実行するかどうかは、彼ら自身の内面の葛藤と対峙しながら決めることになります。

映画『スリー・ビルボード』に出てくるウィロビー署長の役割とは?

ウィロビー署長(ウディ・ハレルソンが演じる)は、映画『スリー・ビルボード』において、物語の中心的な役割を果たす重要なキャラクターです。彼は、アンジェラ・ヘイズの未解決事件に対する責任を問われ、ミルドレッドによって非難される対象となります。彼は町で信頼され、敬愛されている一方で、事件が解決されないままであるため、ミルドレッドの怒りを引き受ける形になります。

ウィロビーは自分の無力さを感じながらも、プロフェッショナルな態度を崩さず、ミルドレッドとのやり取りを冷静に対応します。しかし、物語の途中で彼が末期のガンに冒されていることが明らかになります。彼は自らの病と死に直面しながらも、家族に対しては温かい心を持ち続け、同僚たちにも支えられています。

彼の死後、ウィロビーの影響は物語の進行に大きな影響を与えます。彼が残した手紙や彼に対する人々の思いは、ミルドレッドやディクソンの行動に変化をもたらします。ウィロビー署長は、映画全体を通じて、怒りと赦し、そして人間性の複雑さを象徴する存在として描かれています。

映画『スリー・ビルボード』は、実話を元に作られているのか?

映画『スリー・ビルボード』は、完全な実話を基にした作品ではありませんが、実際に起こった出来事に触発されています。監督のマーティン・マクドナーは、かつてアメリカを旅行中に、未解決事件に関するメッセージが掲げられた広告看板を目撃したことが、映画の発想の元となったと語っています。この看板には、警察の怠慢に対する非難が書かれており、それがマクドナーに強い印象を与えました。

ただし、映画のストーリーや登場人物、アンジェラ・ヘイズの事件などは完全にフィクションです。映画の物語は、未解決事件に対する母親の怒りや、復讐心、赦しといったテーマを中心に展開されており、実際の事件を具体的に再現しているわけではありません。

そのため、『スリー・ビルボード』は実話に触発されたフィクション作品として位置付けられます。映画が描く人間ドラマや社会的テーマは、実際の出来事からインスピレーションを得たものであり、現実の未解決事件やそれに対する人々の反応に共感できる内容となっています。
[ad03]

映画『スリー・ビルボード』の伏線一覧と回収

映画『スリー・ビルボード』の主要な伏線一覧とその回収についてわかりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

ウィロビー署長の病気

伏線

映画の序盤で、ウィロビー署長が末期の膵臓癌に罹患していることが明らかになります。彼の病気についての言及は、物語の進行に重要な影響を与えます。

回収

ウィロビーは自らの病状が悪化する前に自殺を選び、ミルドレッドやディクソンに手紙を残します。彼の手紙は、ミルドレッドに対しての理解とディクソンに対しての改心を促す内容であり、二人のキャラクターの変化に大きな影響を与えます。

ディクソンの暴力性

伏線

ディクソン警官は、物語の序盤から暴力的で人種差別的な性格が描かれています。彼の行動や態度は、観客に不快感を与えつつ、物語の展開に重要な役割を果たします。

回収

ウィロビーの手紙を読んだ後、ディクソンは自身の過去の行動を反省し、変わることを決意します。彼はミルドレッドと協力し、犯人を追うために手がかりを探し始めます。彼の変化は、物語の終盤で重要な役割を果たし、彼が新しい道を歩むことを示唆しています。

ビルボードのメッセージ

伏線

ミルドレッドが設置した三つのビルボードには、警察の無能さを非難する挑発的なメッセージが書かれています。これが町全体に波紋を広げ、多くの人々の反応を引き起こします。

回収

ビルボードのメッセージは、物語の進行とともに様々な形で影響を与えます。最終的に、ミルドレッドの行動は町の人々や警察に変化をもたらし、特にディクソンに対しては大きな改心のきっかけとなります。

バーでの怪しい男

伏線

ディクソンがバーで怪しい男の会話を耳にし、その男が犯人である可能性を疑います。彼の行動は、物語のクライマックスに向けて重要な手がかりとなります。

回収

ディクソンはその男に対して自らを犠牲にして証拠を手に入れようとしますが、結果的に確証は得られません。しかし、この出来事はディクソンとミルドレッドが協力して犯人を追う動機を強化し、二人の関係が深化するきっかけとなります。

ミルドレッドの決意と強さ

伏線

ミルドレッドは物語の初めから強い決意と不屈の精神を持って行動し、ビルボードを通じて警察に対する抗議を続けます。彼女の行動は、物語の進行に大きな影響を与えます。

回収

ミルドレッドの決意は、最終的に彼女がディクソンと協力して犯人を追うことを決意する形で回収されます。彼女の強さと意志が、物語全体を通じて一貫して描かれ、最終的には彼女とディクソンの新たな旅立ちにつながります。

みんなのコメント