映画『トライアングル(2009)』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『トライアングル(2009)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『トライアングル(2009)』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『トライアングル(2009)』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『トライアングル』の結末では、主人公ジェスがループから抜け出せない運命に閉じ込められていることが明らかになります。物語の最終盤、ジェスは船のループから脱出したかのように見えますが、結局さらに大きなループの中にいることが分かります。

ジェスは客船アエロスから飛び降り、目を覚ますと自宅へ戻ります。しかし、家では「過去の自分」が息子のトミーと過ごしており、現在のジェスは自分が虐待的な母親だった過去の自分を目の当たりにします。ジェスは過去の自分を殺害して息子を救おうとしますが、その行動が新たなループを生み出すきっかけとなります。

さらに、ジェスはトミーと共に車で逃げる途中で交通事故を起こしてしまいます。この事故でトミーは命を落とし、ジェスは再び船へと戻る運命をたどることになります。観客には、彼女がこのループを何度も繰り返していることが示唆され、彼女がどれだけ努力しても逃れることができない運命が描かれます。

映画のラストシーンでは、ジェスがタクシーに乗り、港に向かう姿が描かれます。このシーンは、彼女がまた船に乗り込むところからループが始まることを暗示しており、観客に永遠の絶望感を与えます。この結末は、罪悪感や運命の重さがテーマとなっており、逃れられない輪の中に閉じ込められた人間の悲劇を象徴的に描いています。

映画『トライアングル(2009)』の考察・解説(ネタバレ)

映画『トライアングル(2009)』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『トライアングル(2009)』に出てくる矛盾は?

映画『トライアングル』では、ジェスが船から飛び降りた後に自宅へ戻り、過去の自分を殺害するという展開があります。この場面で「過去の自分を殺したら、現在の自分はどうなるのか?」という疑問が生じ、観客に時間や存在に関する矛盾を感じさせます。通常のタイムパラドックスの理屈では、自分自身を殺すことで現在の自分も消失するのではないかと考えられるため、この展開にリアリティを感じにくい部分があります。

さらに、ジェスが船ループの中で何度も同じ出来事を繰り返す中で、他の人物とのやり取りや行動が一貫しないように感じられる部分もあり、それが矛盾として指摘されることがあります。特に、船上で同じ行動をとる他のジェスたちとのタイミングや行動の変化が観客に混乱を与える原因となっています。

しかし、これらの矛盾は、物語が意図的に観客に不安定で不条理な世界を提示し、ジェスの絶望的な状況を描くための手法とも捉えることができます。物語の主題そのものが、論理的な整合性よりもキャラクターの感情や運命の不可避性を強調することに重きを置いているため、これらの矛盾は映画の雰囲気を作る一因となっています。

映画『トライアングル(2009)』の殺人ループ地獄のネタバレ

『トライアングル』における殺人ループ地獄(船ループ)は、ジェスが客船アエロスに乗り込んで以降、同じ出来事を繰り返し経験する恐怖のループを指します。ジェスは船内で次々に人々を殺害し、その後、自分と同じ姿をした他のジェスが現れるという状況に陥ります。このループは、彼女が殺人を繰り返し、何度船から飛び降りても、再び同じ地点からスタートする仕組みになっています。

さらに、この殺人ループ地獄は実はより大きなループの一部であることが物語の進行とともに明らかになります。船から脱出しても、ジェスは交通事故を引き起こし、再び船に戻るというループの輪の中に閉じ込められていることがわかります。この設定により、ジェスがどれだけ努力しても完全に脱出することはできないという絶望的な状況が観客に強く印象付けられます。

映画の終盤では、ジェスがループから抜け出す方法を見つけたように見える瞬間が描かれるものの、最終的にまた同じループが繰り返されることが示唆されます。この構造は、ループの閉塞感とジェスの絶望を強調し、観客に強い印象を残します。

映画『トライアングル(2009)』でジェスは船ループから抜け出すことはできたのか?

ジェスが船ループから抜け出せたかという疑問に対する答えは、映画の展開を踏まえると「抜け出せなかった」という結論になります。物語の中でジェスは何度も試行錯誤を繰り返し、ループを断ち切ろうとしますが、結局は船から飛び降りた後も別のループに巻き込まれ、再び同じ状況に戻ってしまいます。

船ループは、殺人を繰り返す小さな輪の中に閉じ込められているだけでなく、船から抜け出した後もさらなる大きなループの中に取り込まれていることが明らかになります。例えば、ジェスが家に戻った際、過去の自分を殺害しようとする場面がありますが、その結果として再びアエロスに戻る状況が描かれるため、彼女はループを断ち切る手段を見つけられません。

この永遠のループは、ジェスの罪や選択の結果として描かれており、彼女がどれだけ努力しても運命から逃れられないという無情な現実を示しています。映画はそのループが延々と続くことを暗示し、観客に強烈な閉塞感と絶望を残します。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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