映画『サバイバルファミリー(2017)』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『サバイバルファミリー(2017)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『サバイバルファミリー(2017)』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『サバイバルファミリー(2017)』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

物語の最後、長いサバイバル生活を続けた鈴木家は、ようやく元の生活に戻れることになります。ある日、突然すべての電気が使えなくなり、家族は水や食べ物、移動手段もすべて自分でなんとかしなければならなくなりました。都会の生活ができなくなったため、家族は自転車で遠い田舎まで移動し、生き延びるために自然の中での生活に慣れようと必死で努力します。

道中で鈴木家はさまざまな困難に直面し、時にはけんかをしながらも、お互いを支え合って過ごしました。特にお父さんの義之は、家族を守るために一生懸命で、いろいろな決断をしますが、うまくいかないことも多くありました。しかし、この経験を通じて、家族は日常のありがたさや、家族同士が支え合うことの大切さに気づいていきます。

物語のラスト近く、鈴木家は、突然電気が戻り、停電が終わったことを知ります。家族は元の生活に戻るために都会へ戻りますが、サバイバル生活の中で経験したことが彼らの心に大きく影響を与えていました。都会に戻った鈴木家の家には、テレビや冷蔵庫、照明などがすべて元通り使えるようになり、便利な生活が再び始まりますが、家族はそのありがたみを深く感じるようになります。

特に、お父さんやお母さん、そして子どもたちは以前よりもお互いに感謝し合い、協力する大切さを理解しています。最後には、鈴木家の絆が深まり、みんなが自然や便利な生活に感謝する気持ちを持ち続けることが描かれ、物語が締めくくられます。

この映画は、現代の便利な生活が当たり前ではないことや、家族が一緒に困難を乗り越えることで本当の絆が育まれることを教えてくれます。

映画『サバイバルファミリー(2017)』の考察・解説(ネタバレ)

映画『サバイバルファミリー(2017)』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『サバイバルファミリー(2017)』のラストで、実はお父さんは死亡している?

映画『サバイバルファミリー』では、鈴木家の父・義之が川に流される場面が登場します。義之は流されたあとに何とか助かり、家族と再会しますが、このシーンに関しては実は義之が死亡していたのではないか、つまり彼が再会したシーンは家族の妄想や幻想だったのではないかという考察もあります。この考察は、映画が象徴的な演出や物語の余韻を大切にしているため、一部の観客の間で生まれた解釈と考えられます。

義之が川に流された場面は非常に危険な状況で、家族が彼を助けられるかどうかも不透明な瞬間でした。そのため、もし彼が実際に亡くなっていたとすると、家族が彼を再び見る場面は、家族の希望や願い、もしくは彼が生前に家族に残した教訓や愛情を反映しているとも言えるかもしれません。しかし、映画の中で義之が亡くなったとは明言されておらず、あくまで彼は生還して家族と一緒に最後を迎えた形で物語は進行しています。

こうした考察は、映画の曖昧な表現や余韻のある結末が生んだ解釈のひとつであり、観客にとっては多様な解釈を楽しむ余地がある作品とも言えます。

映画『サバイバルファミリー(2017)』はなぜ「ひどい」と言われるのか

『サバイバルファミリー』は、家族が協力しながら過酷なサバイバル生活を送る物語ですが、一部の視聴者からは「ひどい」という評価が見られることがあります。このような評価の理由の一つは、物語がリアルなサバイバルの困難や不便を描く中で、家族の弱さや現実離れした行動が描かれているためです。例えば、家族が非常時に備えた知識やスキルが不足していたり、当初は頼りない行動を繰り返す姿が、観客にとって非現実的に感じられたり、イライラさせられる要因となっている場合があります。

また、家族のキャラクターの設定や行動が、時にステレオタイプに感じられ、感情移入しにくいと感じる人もいます。特に、父親の義之の指示が独断的である場面や、家族がその指示に従うがゆえに無駄な苦労を強いられるシーンなど、ストーリーの中でいくつかの場面が観客にストレスを与えることもあります。

ただし、この作品はサバイバルの過程で家族が成長していく姿を描くことで、日常のありがたさや家族の絆の大切さを伝えることを目的としています。そのため、リアルな視点で観ると「ひどい」と感じる部分もあるかもしれませんが、そこに込められたメッセージを考えながら観ると、また異なる評価ができる作品です。

映画『サバイバルファミリー(2017)』の劇中には矛盾点がある?

映画『サバイバルファミリー』には、各地の電源が突然一斉に停止し、全ての電子機器が使えなくなる設定が登場します。しかし、この停電の原因については物語の中で詳しく語られないままです。この「原因不明の大停電」という設定に対して、矛盾を感じる観客もいます。例えば、物語の進行において、電力や電波が突然すべて消えると、現実的には多くの設備や生活インフラが機能しなくなるため、疑問を抱く人もいるのです。

また、家族がサバイバルのために山村へ向かう途中、いくつかのシーンで周囲の人々が生活している様子や、車や自転車での移動が行われている場面があります。もし停電が全世界的なものであれば、移動手段が限られる状況下でこうした活動ができるのかについても、矛盾を感じる部分があるかもしれません。

それでも、この設定は「原因不明」という不安定な状況が人間の行動や心理にどのような影響を与えるかを描くために、あえて不確かなままにされていると考えられます。サバイバルの困難さや家族の試練を描くことに重点が置かれているため、細かな設定の矛盾を超えた物語のメッセージに共感できるような作りになっています。

映画『サバイバルファミリー(2017)』は見ていてイライラする映画?

映画『サバイバルファミリー』の中で、家族の父親である鈴木義之の独りよがりな性格や決断に、観ている人がイライラすることもあるかもしれません。義之は家族を守るために一生懸命ですが、その行動が常に最適なわけではなく、時に誤った判断をすることもあります。たとえば、彼が危険や苦労を無視して無理に移動しようとしたり、家族が疲れていても自分の考えを押し付けてしまう場面などがあり、そのため観客がもどかしく感じる瞬間もあります。

義之の行動は、家族を思ってのものですが、あまりにも独断的なところがあるため、家族の意見を無視してしまう場面もあります。このような彼の性格が物語を通して強調されることで、家族が過酷な状況に直面しながらも、なかなかうまく協力できない展開が続きます。こうした場面は、サバイバル状況下で家族が本当に協力し合えるのかどうかを考えさせるものであると同時に、観客に緊張感を与える要素にもなっています。

しかし、義之の独りよがりな性格が徐々に変化し、家族が協力して生き抜く力を得るまでの過程が描かれているため、物語の最後にはその変化にほっとする観客も多いでしょう。彼の成長を見届けることで、家族の絆や互いの理解が深まる様子が描かれ、作品全体のメッセージ性がより伝わりやすくなっています。

映画『サバイバルファミリー(2017)』には気まずいシーンがある?

映画『サバイバルファミリー』には、サバイバル生活に慣れていない鈴木家のメンバーたちが、初めて遭遇する状況で戸惑ったり、思いがけない失敗をする場面がいくつかあります。たとえば、彼らは水や食べ物を確保するために必死になりますが、どうやって調達していいか分からず、他の人から学ぶシーンや、失敗してしまうシーンが描かれています。こうした場面では、家族が一丸となるどころか、バラバラになってしまう場面もあり、観客には少し気まずさが感じられることもあるかもしれません。

また、サバイバル生活において避けられない現実的な問題にも直面し、食事やトイレの確保など日常生活の中で当たり前にしていたことが困難になる場面があります。こうした状況に対してうまく対応できない彼らの姿は、人間の弱さや、生活がいかに現代の便利さに頼っているかを象徴しており、観客が共感すると同時に不安や気まずさを感じる部分です。

この気まずさが描かれることで、家族が日常のありがたさに気づき、次第に互いに支え合うようになる姿が強調されています。この過程が物語の中で大切なテーマとして機能し、家族の成長や再生に繋がっているのです。

映画『サバイバルファミリー(2017)』で、各地が停電した原因とは?

映画『サバイバルファミリー』では、物語の始まりで突然各地が停電し、すべての電気機器が使用できなくなるという事態が発生します。日常的な電力供給が止まることで、鈴木家を含めた人々は、生活に必要な食料や水、移動手段を自ら調達する厳しいサバイバル生活を強いられます。この停電の原因について、劇中では具体的に説明されることがなく、観客には理由がはっきりしないまま物語が進みます。

この原因不明の停電に関しては、現代の社会が電力やインフラにどれほど依存しているかを描くために意図的に明かされていないと考えられます。停電が始まった原因を曖昧にすることで、現代人が持つ「当たり前の生活」がいかに脆く、予期せぬ事態に対して準備ができていないかを強調しているのです。このため、原因を突き止めることではなく、家族がその状況にどう対応し、どう変わっていくのかが物語の主題となっています。

また、この不明確な停電が観客に不安感を抱かせ、家族が生き抜くために奮闘する姿勢に感情移入しやすくなる効果もあります。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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