映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

物語のクライマックスで、イーサンたちはストレンジ・ワールドの真実を知る。彼らが暮らすアヴァロニアの大地は、実は巨大な生き物の体の一部であり、そこに広がる「ストレンジ・ワールド」はその内部に存在するものだった。そして、人々がエネルギー源として依存していた「パンド」という植物は、この生き物の心臓を蝕む寄生体のような存在であることが判明する。

イーサン、サーチャー、イェーガーたちは、世界の命を救うため、パンドを完全に除去しようとする。しかし、アヴァロニアの住人たちはこれまでのエネルギーを失うことに反対する。サーチャーは、科学者としての責務よりも「息子と共に未来を選ぶ」ことを決意し、パンドを破壊する行動に出る。

最終的に、パンドが消えたことで、ストレンジ・ワールドの巨大な生き物は回復し、長年にわたるダメージから復活する。アヴァロニアの人々はエネルギーを失うが、新しい生き方を模索し始める。

ラストシーンでは、イーサンが新しい時代の象徴として自分の道を歩み出す姿が描かれる。サーチャーとイェーガーの親子の確執も和解し、彼らはそれぞれの人生を受け入れる。映画は、新たな未来へと向かう希望を感じさせる形で幕を閉じる。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』の考察・解説(ネタバレ)

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』が気持ち悪いと言われる理由は?

本作が「気持ち悪い」と言われる理由のひとつとして、キャラクター設定やストーリーにおける「ポリコレ(ポリティカル・コレクトネス)」の影響が強いと感じる視聴者がいたことが挙げられる。主人公のイーサンが黒人と白人のハーフであり、ゲイとして描かれている点、足がない飼い犬のレジェンド、主要キャラクターに一般的な美男美女がいない点などが、過度な「多様性の強調」と受け取られた。

また、ファンタジーアドベンチャーとしての設定が独特すぎることも、一部の観客に違和感を与えた。ストレンジ・ワールドの世界観は、視覚的に非常にユニークだが、異質な生物や環境が多いため、CG表現が生理的に受け付けないという意見も見られた。さらに、ディズニー作品に期待される「夢や希望を感じるストーリー」とは異なり、環境問題をテーマにしたメッセージ性が強いため、視聴後の感想が分かれる結果となった。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』が「ポリコレ欲張りセット」と言われる要素と設定

本作は、多様性を強調する設定が多数取り入れられているため、「ポリコレ欲張りセット」と揶揄されることがあった。主人公イーサンは黒人と白人のハーフであり、同性愛者として描かれている。さらに、彼の祖父・イェーガー、父・サーチャーも個性的な見た目を持ち、ディズニー映画にありがちな整った容姿のキャラクターがほとんど登場しない。

また、イーサンの家族が理想的な形ではなく、伝統的な「核家族」像と異なる点も注目された。加えて、飼い犬のレジェンドが片足を失っているなど、「特定の属性を持つキャラクターが多すぎる」と感じた観客から、「ポリコレに配慮しすぎている」との批判が上がった。

物語の中では、こうした多様性が自然に描かれており、キャラクターたちはそれぞれの個性を尊重しながら物語を進めていく。しかし、過去のディズニー作品と比べて「ポリコレ要素が強すぎる」と受け止める観客もおり、本作の評価を大きく分ける要因となった。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』が大コケで爆死した作品と言われる理由

本作は、ディズニーの大作映画でありながら、興行成績が振るわず「爆死」と評された。製作費1億8千万ドル、宣伝費9千万ドルという莫大なコストに対し、全世界での興行収入は約7350万ドルにとどまり、大赤字となった。

本作が失敗した理由としては、まずプロモーションの問題が挙げられる。ディズニーは本作の宣伝を積極的に行わず、公開前の盛り上がりが欠けていた。また、ストーリーやキャラクター設定が一部の視聴者に受け入れられなかった点も影響した。

さらに、ディズニー作品としては珍しく、親子向けの王道アニメーションというよりも、環境問題をテーマにした社会派作品としての側面が強かったため、ターゲット層が曖昧だったことも原因のひとつとされている。結果的に、ディズニー映画の中でも歴史的な大失敗作として語られることとなった。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』で犬の障害の理由は描かれている?

本作に登場する飼い犬レジェンドは、右後ろ足がない状態で登場する。しかし、彼がなぜ片足を失ったのかについては、映画の中で明確に語られていない。この点が、一部の視聴者の間で「ポリコレのために設定されたキャラクターなのでは?」という批判を生む要因の一つとなった。

レジェンドは、身体に障害がありながらも元気に動き回るキャラクターとして描かれており、特にそのハンディキャップがストーリー上の障害になることはない。むしろ、明るく勇敢な性格で、イーサンたちの冒険をサポートする重要な存在として活躍する。

ディズニー作品では、動物キャラクターがユニークな特徴を持つことが多く、レジェンドもその一環として描かれていると考えられる。しかし、視聴者の中には「なぜ足がないのかの説明がないのは不自然だ」と感じる人もおり、結果として「ポリコレ的な演出では?」と指摘されることとなった。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』に出てくるパンドの正体は?

物語の舞台となるストレンジ・ワールドでは、人々が**「パンド」と呼ばれる植物をエネルギー源として利用**している。パンドは街を発展させる大きな原動力となっており、クレイド一家もこの植物をめぐる冒険に巻き込まれていく。

しかし、物語が進むにつれ、パンドは単なるエネルギー源ではなく、ストレンジ・ワールドの「心臓」を蝕む感染源であることが判明する。この事実を知ったイーサンたちは、パンドを破壊し、ストレンジ・ワールドの生態系を守るという決断を下す。

つまり、パンドは一見すると人々にとっての「希望の資源」に見えるが、実際には世界そのものを侵食する存在だった。これは、環境問題に対するメッセージ性を持つ要素として描かれており、持続可能な未来を考えるテーマとリンクしている。しかし、そのメッセージ性が強すぎると感じる視聴者もおり、賛否が分かれる要因の一つとなった。

映画『ストレンジ・ワールド もうひとつの世界』に年齢制限が設けられているのはなぜ?

本作は、**一部の国で年齢制限(PG12やRG12)**が設けられている。理由として挙げられるのは、主人公イーサンが同性愛者であることが映画内で描かれているためである。

イーサンの恋愛対象は、同世代の少年ディアゾであり、映画の中では彼がディアゾに対して恋心を抱いている様子が描かれる。特に際どい描写はないものの、こうしたLGBTQ+の要素が含まれることで、保守的な価値観を持つ国では規制対象とされた。

例えば、中東や東ヨーロッパの一部の国々では、LGBTQ+を扱った作品に対する検閲が厳しく、上映禁止や年齢制限の引き上げが行われた。一方で、ディズニー側はこれを「現代社会における多様性の表現」として正当な描写だと主張しており、賛否が分かれるポイントとなっている。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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