この記事では、映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の結末・ラスト(ネタバレ)
クボは、小さな村で病気の母親と二人で暮らしていました。彼は三味線を使って魔法のような力を操り、紙を折りたたんで作った人形を動かして村人たちに物語を語っていました。クボの父親は、勇敢な戦士ハンゾウでしたが、クボが赤ちゃんの頃に亡くなり、母親と二人で祖父やおばたちから隠れて生きてきました。
ある日、クボは夜に家を出てしまい、おばたちに見つかってしまいます。母親はクボを守るために自分の魔法の力を使い、彼を逃がし、自分は命を落とします。クボは、母親の言葉を頼りに、父親が残した伝説の武器「黄金の鎧」を探す旅に出ます。この旅の途中で、クボは魔法の力を持つサルと、かつて父親の仲間だったムシ(人間に戻る前のクワガタ武者)に出会い、彼らと一緒に冒険を続けます。
クボたちは、険しい道のりを乗り越えて、ついに父親の遺した剣や鎧、兜を手に入れます。しかし、最終決戦で、祖父である月の王と対決することになります。月の王は、クボの両親を奪い、クボの目も奪おうとしますが、クボは三味線の弦を使って彼に立ち向かいます。戦いの中で、クボの三味線の弦が切れてしまいますが、クボは亡くなった母親の髪の毛と父親の弓矢を使って、二本の新しい弦を作り、三味線を修復します。これにより、クボは両親の愛と力を受け取り、月の王に勝利します。
最後に、月の王は記憶を失い、人間として村人たちに受け入れられます。クボは、家族の墓の前で、両親の思い出と共に自分の物語を語り、彼らの愛を感じながら穏やかに過ごすことができるようになります。この結末は、クボが家族の絆を通じて、自分自身の強さを見つけ、困難に立ち向かい、成長していく物語です。家族の愛と絆が、どんな困難にも打ち勝つ力を与えてくれるというテーマが込められています。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』の考察・解説(ネタバレ)
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のタイトルの意味は?
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のタイトルには、物語の中で大きな意味が込められています。タイトルにある「二本の弦」は、主人公のクボが持つ三味線の弦を指しています。クボは物語の冒頭で三味線を弾きながら、紙で作られた人形を操り、村人たちに自分の家族の物語を語ります。彼の三味線には三本の弦が張られており、クボの力の源でもあります。
物語の中で、クボは父親と母親を失い、自らの力を使って祖父である月の王との戦いに挑むことになります。その過程で、クボの三味線の弦は切れてしまいます。物語のクライマックスで、クボは亡くなった母親の髪の毛と、父親の弓矢を使って三味線の弦を修復します。これにより、二本の新しい弦が加わり、クボは両親の愛と力を得て、最終的に祖父との戦いに勝利します。
タイトルの「二本の弦」は、クボが自らの力だけでなく、両親から受け継いだ愛と絆の力を使って困難に立ち向かうことを象徴しています。物語の中で失われた弦を、両親の思い出である髪と弓矢で補うことで、クボは家族の絆を感じながら、自分の道を進んでいくのです。このように、タイトルにはクボが成長し、家族の力を信じて戦う姿が反映されています。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』はストップモーションアニメなのか?
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、ストップモーションアニメーションで制作されています。ストップモーションアニメとは、人形やオブジェクトを少しずつ動かしながら、コマ撮り撮影を行い、その画像を連続して再生することでアニメーションを作り出す手法です。非常に手間と時間がかかる技術ですが、その分、作品には独特の質感やリアリティがあります。
本作を制作したのは、アメリカのアニメーションスタジオ「ライカ(LAIKA)」で、ライカはストップモーションアニメの制作で知られています。『KUBO』以前にも、『コララインとボタンの魔女』や『パラノーマン』など、数々の優れたストップモーション作品を生み出しています。『KUBO』では、日本の伝統的な要素や美しい風景をストップモーションで再現し、非常に緻密で美しい映像を作り上げました。
特に、クボが紙で作られた人形を操るシーンや、戦闘シーンでのダイナミックなアクションなど、ストップモーションアニメならではの魅力が詰まっています。キャラクターの表情や動きの細部まで丁寧に作り込まれており、まるで実際に生きているかのような感覚を与えます。CGアニメーションとは違った温かみとリアルさを感じさせるこの技法が、映画全体の雰囲気をより引き立てています。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』でクボが三味線を持っている理由
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』で、クボが三味線を持っている理由は、彼がこの楽器を使って特別な力を発揮できるからです。クボは、母親から受け継いだ魔法の力を持っており、その力を三味線の音に乗せることで、紙を自在に操り、様々な物語を表現したり、戦いの中で武器や防具を作り出したりすることができます。
物語の最初で、クボは村の広場で三味線を弾きながら、自分の家族の物語を人々に語ります。彼は三味線を弾くことで、紙で作った人形や動物を動かし、まるで生きているかのように演じさせることができます。この能力は、クボが人々の心を惹きつけるだけでなく、彼自身の力の象徴でもあります。
また、三味線はクボにとって、家族との繋がりを示す大切な存在でもあります。三味線を通じて彼は母親の愛情や教えを思い出し、母親が自分を守るために与えてくれた魔法の力を感じることができます。この楽器は、彼が家族の物語を語り継ぐための道具であると同時に、クボが自分自身の力を見つけ、成長するための象徴でもあります。
物語が進むにつれて、クボは三味線を使って、敵との戦いや困難に立ち向かいます。最終的には、切れた三味線の弦を両親の思い出の品で補い、両親の力を受け継いで祖父との戦いに挑むのです。三味線は、クボの成長と家族の絆を表す重要なアイテムなのです。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』がつまらないと言われている理由
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は、多くの観客や批評家から高い評価を受けていますが、一部の観客には「つまらない」と感じられる理由もあります。まず、物語の展開がゆったりとしており、アクションやサスペンスの要素が少なめであることが挙げられます。特に、スピード感や緊張感を求める観客にとっては、クボの冒険がやや平坦に感じられ、退屈に思えることがあるかもしれません。
また、映画のストーリーは、家族の絆や自己発見といったテーマに焦点を当てており、感情的な深みを持たせるために、細かい感情表現や心理描写に時間を割いています。このため、テンポがゆっくりで、全体的に静かな雰囲気が続くため、派手なアクションや劇的な展開を期待する人には物足りなさを感じることがあるでしょう。
さらに、日本文化をベースにしているため、日本の伝統や文化に馴染みのない観客にとっては、物語の設定やキャラクターの行動が理解しにくいと感じられることもあります。三味線や折り紙、神話的な要素がストーリーの中核を成しているため、これらに馴染みがない人にとっては、感情移入しづらい部分があるかもしれません。
これらの要素が重なり、全体として「つまらない」と感じる人がいるのかもしれません。しかし、『KUBO』は美しい映像と深いテーマを持つ作品であり、じっくりと味わいながら観ることができる映画として評価されています。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』でクボの祖父が目を失った理由
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』で、クボの祖父である月の王(レイデン将軍)が目を失った理由は、彼がクボを自分のもとに引き入れようとした際に、クボの母親によって止められたからです。月の王は、冷酷で感情を持たない存在として描かれ、人間の世界を軽蔑しています。彼は孫であるクボを月の世界に連れ戻し、感情や苦しみから解放された存在にしようと企んでいました。
クボがまだ幼い頃、月の王はクボを連れ去ろうとし、その際に彼の片目を奪いました。彼はクボの両目を奪うことで、クボを完全に感情や人間らしさから切り離し、冷徹な月の一族の一員にしようとしたのです。しかし、クボの母親は彼を守るために、自らの命をかけて月の王と戦いました。彼女はクボのもう片方の目を守り抜き、その過程で月の王に深い傷を負わせ、彼の片目を奪ったのです。
物語の中で、クボは自身の片目の秘密と、その裏に隠された家族の犠牲や愛情を知り、祖父である月の王に立ち向かうことを決意します。月の王は、自分が目を失ったことで、クボがどれだけ愛され守られてきたかを理解することができませんでした。彼は目を失ったことを恨み、クボと母親に復讐を誓います。
このように、月の王が目を失った理由は、クボの母親が息子を守るために戦い、彼を庇い続けた結果であり、家族の絆と愛情の象徴として描かれています。
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』のクボの母親はおばたちを殺したのか?
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』で、クボの母親であるサリアツは、物語の中で二人の姉妹、つまりクボのおばたちと対決します。おばたちは、月の王(クボの祖父)の命令で、クボを捕らえて月の世界に連れ戻そうとする悪役として登場します。彼女たちは、クボの母親と同様に魔法の力を持っており、冷酷で恐ろしい存在です。
物語の中盤、クボと彼の母親はおばたちに襲われ、激しい戦いが繰り広げられます。この戦いで、サリアツは自らの命をかけて息子を守ろうとし、姉妹の一人と対決します。彼女は強力な魔法の力を使って姉妹の一人を倒しますが、その過程で自身も深い傷を負ってしまいます。
その後、サリアツは息子を守るために最後の力を振り絞り、残りの姉妹と戦います。彼女はクボを安全な場所へと逃がし、もう一人のおばとも戦い、最終的には彼女も倒すことに成功します。しかし、その代償として、自分の力を使い果たし、命を落としてしまいます。
このように、クボの母親は自らの命を賭けておばたちを倒しました。彼女の行動は、母親としての強い愛情と、息子を守るためにどんな犠牲も厭わないという覚悟を示しています。クボの母親が姉妹たちを殺したのは、息子を守るための正当防衛であり、物語の重要な転機となっています。彼女の犠牲によって、クボは祖父である月の王に立ち向かう決意を固めることができたのです。
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