映画『彼女が好きなものは』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『彼女が好きなものは』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『彼女が好きなものは』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『彼女が好きなものは』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

安藤純(神尾楓珠)は、自分がゲイであることを隠しながら生活していたが、三浦紗枝(山田杏奈)との関係を通じて、少しずつ自分自身と向き合うようになる。紗枝は純のセクシュアリティを受け入れようとするが、彼女が抱く「BLが好きな気持ち」と、純が現実に生きるゲイであることの間には、大きな違いがあった。最終的に、二人は互いの気持ちが違うことを理解し、別れることを決める。

純は、SNSでやり取りをしていた**ファーレンハイト(磯村優斗)とも現実で会おうとするが、彼が突然いなくなってしまい、繋がりを失う。一方で、既婚者でありながらゲイである佐々木誠(今井翼)**との交流を通じ、社会の中で自分を偽りながら生きることの難しさを実感する。

物語のラスト、純は学校で自分がゲイであることをカミングアウトする。そのことで周囲の目が変わり、クラスメイトたちの態度も冷たくなるが、彼は自分の生き方を隠さないことを決意する。純は、自分のセクシュアリティを認め、これからの人生を前向きに歩んでいこうとするのだった。

映画『彼女が好きなものは』の考察・解説(ネタバレ)

映画『彼女が好きなものは』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『彼女が好きなものは』に出てくるファーレンハイトとはどんな人物?

ファーレンハイト(磯村優斗)は、主人公の安藤純(神尾楓珠)がSNS上で唯一本音を打ち明けられる相手であり、純と同じく同性愛者である。彼はリアルの世界ではなく、インターネット上で純と交流し、互いのセクシュアリティに関する悩みを共有する存在として描かれている。

純は、現実世界では自分がゲイであることを隠して生きており、クラスメイトや家族には本当の自分を見せられない。しかし、ファーレンハイトとのやり取りの中では、自分の気持ちを正直に語ることができるため、彼は純にとっての精神的な支えとなっている。

映画では、ファーレンハイトがどのような人物なのか、実際の生活や素顔についてはほとんど描かれない。しかし、彼が純にとって重要な相談相手であり、LGBTQ+としての自己受容について深く語る相手であることが強調されている。彼の存在は、純が自分自身を受け入れる過程で重要な役割を果たしている。

映画『彼女が好きなものは』で安藤純と三浦紗枝が別れた理由は?

安藤純(神尾楓珠)と三浦紗枝(山田杏奈)が別れた理由は、お互いの愛情の形が異なることを悟ったからである。

三浦は、ボーイズラブ(BL)を好む腐女子であり、BLの世界を愛する一方で、現実のゲイの存在については深く考えたことがなかった。しかし、純と出会い、彼がゲイであることを知ることで、彼女の中で理想と現実のギャップが生まれていく。

純は自分のセクシュアリティを隠しながら三浦と付き合うが、彼女が抱く「恋愛」と、自分が彼女に向ける「友情」に近い感情の違いに気づき、次第に距離が生まれていく。そして、最終的にお互いの気持ちが異なっていることを認識し、別れることを選ぶ。

この別れは、単なる恋愛の終わりではなく、純が自分の本当の気持ちを認め、受け入れるきっかけにもなっている。同時に、三浦もまた、BLの世界と現実のゲイの生き方の違いを理解し、自身の価値観に向き合うこととなる。この二人の関係は、セクシュアリティや恋愛観の違いを描いた重要な要素となっている。

映画『彼女が好きなものは』で磯村優斗が演じたのはどんな役?

磯村優斗が演じたのは、安藤純(神尾楓珠)がSNS上だけで繋がっている友人・ファーレンハイトという人物である。ファーレンハイトは、純にとって唯一、本音を語れる相手であり、同じ同性愛者として悩みを共有する存在となっている。

純は普段、学校や家庭ではゲイであることを隠して生きている。しかし、ファーレンハイトとのやり取りの中では、自分の本当の気持ちをさらけ出し、社会の中でゲイとして生きることの難しさについて語る。ファーレンハイトもまた、自身のセクシュアリティを受け入れつつ、同じ立場の純を支えようとする。

映画の中では、ファーレンハイトの素顔や日常生活についてはほとんど明かされず、SNS上での会話が中心となる。彼の存在は、純が自分のアイデンティティと向き合い、少しずつ成長していくための重要な要素となっている。

磯村優斗は、この役を通じて、リアルなLGBTQ+の悩みや葛藤を繊細に演じ、映画に深みを与えている。

映画『彼女が好きなものは』に出てくる佐々木誠とはどんな人物か?

**佐々木誠(今井翼)**は、結婚して家庭を持ちながらも、自身がゲイであることを隠して生きている男性である。彼は、同性愛者であることを公にせず、社会的には「普通の男性」として家庭を築いているが、その裏では自分の本当の気持ちを押し殺して生活している。

佐々木は、安藤純(神尾楓珠)が自身のセクシュアリティに悩み、社会にどう適応していくべきか迷っている姿を見て、彼を優しく見守る存在となる。彼は純に対し、同性愛者としての現実や社会の厳しさを伝えながらも、無理に自分を変えようとせず、自分らしく生きることの大切さを示唆する。

しかし、佐々木自身は完全に自由ではなく、周囲の期待や世間の目を気にしながら生きている。彼の存在は、「社会に適応するために自分を隠す道」と、「自分の本当の姿を受け入れる道」の間で揺れ動く純にとって、一つの未来の可能性を示すキャラクターとなっている。

佐々木の生き方は、観客にとっても考えさせられる部分が多く、映画のテーマである「自分の本当の姿を受け入れること」の難しさをリアルに描いている。彼の存在が、純の成長に大きな影響を与え、物語の中で重要な役割を果たしている。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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