映画『ブレット・トレイン』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『ブレット・トレイン』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『ブレット・トレイン』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『ブレット・トレイン』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『ブレット・トレイン』のラストでは、主人公のレディバグ(ブラッド・ピット)が、激しい戦いの末に生き残る。彼は元々、簡単な任務として「あるカバンを持ち帰る」だけの仕事を引き受けたが、乗客のほとんどが殺し屋や犯罪者だったため、新幹線の中で次々とトラブルに巻き込まれる。

物語の終盤、すべての事件の黒幕が「ホワイト・デス」(マイケル・シャノン)であることが明かされる。ホワイト・デスは、日本の犯罪組織のボスであり、過去に家族を殺した者たちを新幹線に乗せ、互いに殺し合わせるという計画を立てていた。しかし、計画は思い通りに進まず、彼自身も戦いの末に死亡する。

また、冷酷な殺し屋プリンス(ジョーイ・キング)は最後まで生き残ろうとするが、最終的にみかんの配送トラックに轢かれ、あっけなく死亡する。これにより、彼女の策略はすべて無駄になり、映画のブラックジョーク的な結末となる。

最後に、レディバグは無事に新幹線を降り、木村親子や仲間たちと再会する。彼は、偶然と幸運によって生き延びたことを実感し、平穏な日常へと戻ろうとする。物語は、騒がしくもスリル満点の旅が終わり、ユーモラスな余韻を残して幕を閉じる。

映画『ブレット・トレイン』の考察・解説(ネタバレ)

映画『ブレット・トレイン』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『ブレット・トレイン』が「ひどい」「おかしい」と言われる理由は?

『ブレット・トレイン』は日本を舞台にした作品だが、その描写が実際の日本とはかけ離れているため、「ひどい」「おかしい」と感じる視聴者が多い。特に、新幹線の内部のデザインや、東京の街の雰囲気がかなり誇張されており、ハリウッド映画によくある「間違った日本のイメージ」が色濃く出ている。

例えば、新幹線の車内が異常に派手で、カラフルなネオンが光る空間になっていたり、乗客がほとんどいない不自然な状況になっていたりする。また、外の景色や駅の雰囲気も、現実の日本とは異なり、日本人の視点から見ると違和感がある。

さらに、登場人物の多くが欧米の俳優で、日本人のキャストが極端に少ない点も批判の対象となっている。日本が舞台なのに、ほとんどの主要キャストが外国人という設定は、原作小説『マリアビートル』を知る人にとっては特に違和感を感じる部分である。こうした理由から、「ひどい」「おかしい」と言われることが多い。

映画『ブレット・トレイン』に出てくる日本人のキャストは?

『ブレット・トレイン』には、日本を舞台にしながらも日本人キャストは意外と少ない。その中でも主要な日本人キャストは、エルダー役の真田広之と、峰岸役の嶋本信明である。

真田広之が演じるエルダーは、作中で重要な役割を果たすキャラクターであり、ストーリーの後半で活躍する。彼は息子・木村の復讐を助ける立場にあり、剣術を駆使して戦うシーンもある。真田広之は国際的に活躍する俳優であり、彼の存在が映画にリアリティをもたらしている。

嶋本信明が演じる峰岸は、ヤクザの幹部であり、物語の序盤で登場するキャラクター。彼のシーンは短いが、日本のヤクザ組織を描く上で重要な役割を持っている。しかし、映画全体を通して、日本人キャストの割合が低く、日本が舞台であるにもかかわらず、ほとんどの登場人物が外国人であることが批判される理由の一つとなっている。

映画『ブレット・トレイン』に気まずいシーンはある?

『ブレット・トレイン』には、性的なシーンや過激なラブシーンはなく、その点で「気まずい」と感じる場面はほとんどない。基本的にはアクションやコメディ要素が中心の作品であり、家族でも比較的安心して観ることができる内容となっている。

ただし、暴力的なシーンが多いため、そうした描写が苦手な人にとっては「気まずい」と感じるかもしれない。特に、血の飛び散るバトルや、人が無残に殺される場面などが頻繁に登場するため、グロテスクな描写が苦手な観客には厳しい部分もある。

また、キャラクター同士のブラックジョークや皮肉の効いたセリフが多いため、そうしたユーモアが合わないと、会話のやりとりが不快に感じることもあるかもしれない。しかし、性的なシーンや過激なラブシーンがない点では、一般的なアクション映画と比べても観やすい作品と言える。

映画『ブレット・トレイン』が日本じゃないと言われる理由は?

『ブレット・トレイン』は日本が舞台の映画だが、多くの場面が実際の日本とは異なるため、「日本じゃない」と言われることが多い。特に新幹線の内装や駅の雰囲気、東京の街並みなどが、日本の現実とは大きく違っている点が指摘されている。

例えば、新幹線のデザインが極端に派手で、ネオンライトや不自然な装飾が施されている。実際の日本の新幹線はシンプルで落ち着いた内装が多いため、この演出は非現実的に映る。また、乗客がほとんどいない状態で新幹線が走っているシーンも多く、日本の鉄道の混雑状況を知っている人からすると違和感がある。

さらに、ロケ地の多くは日本ではなく、アメリカや他の国で撮影されているため、東京の街並みも実際の日本とは微妙に違う。こうした点が積み重なり、日本を舞台にしていながら「日本じゃない」と感じる人が多くなった理由となっている。

映画『ブレット・トレイン』の海外の反応は?

『ブレット・トレイン』の海外の反応は大きく分かれる。ポジティブな意見としては、「キャストが豪華で、テンポが良くエンタメ要素が強い」「派手なアクションとユーモアのバランスが面白い」といった評価がある。ブラッド・ピットの軽妙な演技や、カメオ出演する有名俳優たちの登場も話題となり、多くの観客が楽しめる娯楽映画として評価している。

一方で、批判的な意見も少なくない。特に「無駄に暴力的なシーンが多く、内容が薄い」「ギャグがくどく、テンポが悪い」という声が目立つ。また、日本を舞台にしながら、日本らしさがあまり感じられない点も指摘されており、日本文化へのリスペクトが足りないと感じた観客もいる。

総じて、アクション映画としてのエンターテインメント性を評価する声がある一方で、内容の薄さや暴力描写の多さを理由に「面白くない」と感じる観客も多い作品となっている。

映画『ブレット・トレイン』に出てくる新幹線の乗客のゲイ役は誰?

『ブレット・トレイン』には、ブラッド・ピット演じるレディバグが身代わりにする新幹線の乗客として、ゲイのキャラクターが登場する。この役を演じたのは、ハリウッド俳優のチャニング・テイタムであり、カメオ出演として登場している。彼の役名はなく、単なる乗客という設定になっている。

このシーンはコメディ要素が強く、レディバグが自分の代わりに危険な目に遭う役として、テイタム演じるキャラクターを利用するという展開になっている。チャニング・テイタムは、普段からユーモアのある演技が得意であり、この映画でも短いながら印象的な登場を果たしている。

彼の出演は事前に予告されておらず、サプライズ的なカメオ出演として話題となった。彼のコミカルな演技が作品のユーモアを強調するシーンの一つとして機能している。

映画『ブレット・トレイン』と伊坂幸太郎の原作小説『マリアビートル』との違いは?

映画『ブレット・トレイン』は、伊坂幸太郎の小説『マリアビートル』を原作としているが、キャラクター設定やストーリー展開に多くの違いがある。最大の違いは、主人公レディバグのキャラクターである。原作では「七尾」という名前の殺し屋で、普段は穏やかで優しい性格ながらも、追い詰められたときに直感と瞬発力で切り抜けるタイプ。一方、映画ではブラッド・ピットが演じるレディバグは、不運続きのヒットマンであり、心理カウンセリングを受けながら「暴力を使わない解決法」を模索するユーモラスなキャラクターとして描かれている。

また、原作ではストーリーがシリアスで、登場人物たちの心理描写が丁寧に描かれているのに対し、映画ではアクションとコメディ要素が強調されている。特に映画版では、ギャグやブラックジョークが多用され、登場キャラクターの死に様も過激かつコミカルになっている。

さらに、原作では登場人物の多くが日本人であり、物語の舞台もリアルな日本の新幹線だったが、映画では欧米の俳優がほとんどを占め、日本の描写もハリウッド的な誇張が加えられている。このため、原作ファンの中には「別物」と感じる人も多い。

映画『ブレット・トレイン』でプリンスは死亡したのか?

プリンス(ジョーイ・キング)は、映画のラストでトラックに轢かれて死亡する。彼女は物語の中で狡猾な策略を駆使し、他のキャラクターたちを操りながら自身の目的を達成しようとするが、最後はあっけない形で最期を迎える。

終盤、プリンスはレディバグたちを追い詰めた後、偶然にも線路近くにあったみかんの配送用トラックに轢かれ、即死する。このシーンは突然であり、彼女がどんなに計算高く立ち回っても、結局は運命に翻弄されるという皮肉な結末を迎えることになる。

プリンスの最期は、映画のトーンを象徴するようなブラックジョーク的な演出になっており、観客の間では「意外すぎる死」として印象に残るシーンの一つとなっている。彼女の野心的な性格や策略が裏目に出て、最後は皮肉な形で幕を閉じる点が、この映画らしいオチとも言える。

映画『ブレット・トレイン』が最低と言われる理由は?

『ブレット・トレイン』が「最低」と言われる理由の一つは、原作小説『マリアビートル』と比べて、下品でB級映画のような作風になっている点である。原作は緻密なストーリーと巧妙な伏線が魅力の作品だが、映画版ではコメディとアクションを重視した派手な演出にシフトしている。そのため、原作ファンの間では「伊坂幸太郎の作品らしさがなくなった」と不満の声が上がった。

また、映画のユーモアの質が合わないと感じる観客も多かった。ブラックジョークやスラップスティックな演出が多用されているため、それが「面白い」と感じる人もいる一方で、「下品で安っぽい」と感じる人もいる。特に、血まみれのアクションシーンとギャグの組み合わせが違和感を生む場面があり、緊張感のないストーリー展開が批判の対象になった。

さらに、日本が舞台なのに、日本の文化や新幹線の描写が現実離れしている点も問題視されている。これらの要素が合わさり、「B級映画」「期待外れ」「最低」と評価する人も多くなった。

映画『ブレット・トレイン』がつまらないと言われる理由は?

『ブレット・トレイン』が「つまらない」と言われる主な理由は、豪華キャストを揃えているにもかかわらず、内容が薄く、過剰な暴力や下品な描写が多いためである。

本作にはブラッド・ピットをはじめ、アーロン・テイラー=ジョンソンやブライアン・タイリー・ヘンリー、真田広之など実力派俳優が出演しているが、ストーリーの展開が単調で、キャラクターの背景や成長が十分に描かれていない。そのため、アクションの派手さはあるものの、感情移入しにくいという意見がある。

また、ユーモアのセンスが合わないと感じる人も多く、ブラックジョークやスラップスティックなコメディがくどく、ギャグが寒いと評価されることもある。加えて、登場キャラクターが次々と派手に死んでいく展開が繰り返されるため、物語の深みが感じられず、「ただのドタバタアクション」として消化不良になる観客もいた。

こうした点から、視聴者の中には「期待していたよりも中身がなく、アクションに頼った作品だった」と感じる人が多く、「つまらない」という評価につながった。

映画『ブレット・トレイン』に出てくるレディバグの同僚カーパーのキャストは?

映画『ブレット・トレイン』で、レディバグ(ブラッド・ピット)の同僚であるカーパーを演じたのは、ハリウッド俳優ライアン・レイノルズである。ただし、彼の出演はカメオ扱いであり、クレジットには名前が載っていない(ノンクレジット出演)。

ライアン・レイノルズは、ブラッド・ピットとはお互いの作品にカメオ出演する関係があり、本作での登場もその一環として実現した。彼の出演シーンは短く、あっという間に終わるため、見逃してしまう観客もいる。

レイノルズのカメオ出演は、彼の特有のユーモアを加える要素として楽しめるが、ストーリーの本筋にはほとんど関わらない。そのため、彼の登場が話題になったものの、映画全体の評価には大きな影響を与えていない。

映画『ブレット・トレイン』で最後に木村雄一がレディバグにみかんを渡した意味は?

映画のラストシーンで、木村雄一(アンドリュー・小路)がレディバグ(ブラッド・ピット)にみかんを渡す場面がある。このみかんは、物語の中で象徴的な意味を持つアイテムとなっている。

みかんが登場する理由の一つは、みかんの配送用トラックが、物語のラストでプリンス(ジョーイ・キング)を轢き殺したことと関連している。プリンスは作中で狡猾な策略を巡らせ、最後まで生き残ろうとするが、結局は偶然にもみかんトラックに轢かれて死ぬ。これは、「因果応報」や「運命の皮肉」を示唆する演出となっている。

そのため、木村がレディバグにみかんを渡したのは、「みかんのおかげで問題が解決した」という意味や、「この騒動を無事に乗り切ったことへの象徴的な贈り物」という解釈ができる。ブラックジョーク的なオチでもありながら、同時に映画全体を締めくくる粋な演出となっている。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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