この記事では、映画『ザ・コール(2020)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『ザ・コール(2020)』の結末・ラスト(ネタバレ)
映画『ザ・コール(2020)』の結末は、過去と未来のつながりがもたらす恐怖と混乱を象徴する形で締めくくられます。クライマックスでは、ソヨン(パク・シネ)はヨンスク(チョン・ジョンソ)の暴走を止めるために過去と電話でやり取りし、自分の母親を助けようとします。1999年の過去では、ヨンスクがソヨンの母親を捕らえ、命を奪おうとする場面が描かれますが、ソヨンの働きかけにより一度は母親がヨンスクに反撃して彼女を倒します。
その結果、未来が書き換えられ、ソヨンの母親が助かり、二人が再会を果たすシーンが描かれます。この瞬間、観客はソヨンが過去を変えたことで幸福を手に入れたように感じます。しかし、物語はここで終わりません。ラストでは、再び過去が変わり、実はヨンスクが生き延びていたことが判明します。彼女は再びソヨンの母親に襲いかかり、結果として未来の母親が姿を消してしまいます。
映画の最終シーンでは、ソヨンが一人で残される描写があり、過去と未来が完全に収束することのないまま物語が終わります。この結末は、過去に干渉することのリスクや、時間を操作することの危険性を強調しています。同時に、観客に「運命とは変えられるものなのか」という問いを投げかける形で余韻を残します。未来が書き換えられるたびに失われるものがあるというテーマが、悲劇的でありながら印象的なエンディングを作り出しています。
映画『ザ・コール(2020)』の考察・解説(ネタバレ)
映画『ザ・コール(2020)』の最後で、ソヨンの母の姿が消えた理由は?
映画のラストでは、ソヨン(パク・シネ)が一度は母親と再会して安堵しますが、その直後に母親の姿が消えてしまいます。この消失の理由は、過去の世界でヨンスク(チョン・ジョンソ)が再び行動を起こし、未来を変えたからです。具体的には、1999年にヨンスクがソヨンの母親にとどめを刺し、結果として母親が生き延びることができなくなったためです。
物語の中で、電話を通じて過去と未来が繋がり、両者が互いに影響を与えるという設定があります。この影響により、過去のヨンスクが行動を変えるたびにソヨンの未来も変化します。ラストシーンでは、ヨンスクが絶命したかのように見えますが、実際には彼女が生き延び、さらなる凶行を行っていたことが示唆されています。これにより、ソヨンが再び大切な人を失うという結果を招きます。
この消失は、タイムパラドックスと呼ばれる時間的な矛盾を象徴すると同時に、過去を完全に変えることの危険性を強調しています。母親の消失は、物語全体を通じて続く「過去の行動が未来を大きく左右する」というテーマの最終的な結末を描いています。
映画『ザ・コール(2020)』に出てくる伏線とは?
『ザ・コール』には多くの伏線が巧妙に仕込まれています。その一つが、物語の序盤でソヨンの足に火傷の跡があることに関する描写です。これは、過去の世界で発生した火事が原因でソヨンが火傷を負ったことを示唆しています。しかし、ヨンスクが過去で火事を食い止めたことで未来が書き換えられ、ソヨンの足の火傷が消えるという変化が起こります。この伏線は、物語が進むにつれて、時間と因果関係がどのように作用するかを観客に伝える重要な要素です。
また、ヨンスクが「過去を変えることで自分を助けてほしい」とソヨンに頼む場面も、彼女が単に被害者ではなく、後に恐るべき加害者になる伏線となっています。さらに、ヨンスクが自身の母親を殺す場面も物語の後半での彼女の暴走を予感させるものであり、彼女の本性が垣間見えるシーンです。
これらの伏線は、単なる設定の説明にとどまらず、物語が進む中で観客に驚きと納得を与えるよう巧妙に配置されています。伏線が回収されるたびに、物語の緊張感が増していく構造が、この映画の魅力の一つです。
映画『ザ・コール(2020)』でソニの足の火傷が消えたのはなぜ?
映画の中で、ソヨン(ソニというニックネームでも呼ばれます)の足の火傷が消えた理由は、過去の世界でのヨンスクの行動が未来に影響を与えたためです。物語の中では、過去と未来が電話で繋がるという設定があり、ヨンスクが1999年に起きた火事を食い止めたことで、未来のソヨンが火事に巻き込まれず、火傷を負わなかったことになります。
物語の序盤では、ソヨンの足に火傷の跡がある描写があります。これは、過去の火事でソヨンが負った傷跡を示しています。しかし、ヨンスクが火事を防いだ後、未来が書き換えられ、火傷そのものがなかったことになります。この変化は、映画の設定である「過去が未来を変える」というテーマを象徴する重要なポイントです。
このように、火傷が消えたことで、観客にタイムパラドックスの影響や、過去と未来がどれほど密接に関係しているかを強く印象付けます。同時に、ヨンスクの行動が善意だけでなく、後に大きな悪影響を及ぼすという展開への伏線としても機能しています。
映画『ザ・コール(2020)』にグロいシーンはある?
『ザ・コール』には、全体を通して極端にグロい描写は多くありませんが、観客によっては不快に感じる可能性のある場面がいくつか存在します。その中でも特に衝撃的なのは、ヨンスク(チョン・ジョンソ)が自分の母親を殺害するシーンです。この場面では、ヨンスクが怒りと憎悪に駆られて母親に襲いかかり、命を奪う様子が描かれます。直接的な流血や残虐な描写は控えめですが、行為そのものが非常に暴力的で、観る人に強いインパクトを与えます。
また、ヨンスクが殺人に手を染めていく過程や、彼女が人々を支配しようとする冷酷な姿勢も、心理的な恐怖を増幅させています。これらのシーンは物理的なグロさよりも、キャラクターの非道な行動が観客の心に不快感や恐怖感を残すものです。
それ以外にも、過去と未来が交錯する中で生じる時間的な矛盾が、登場人物たちに肉体的な影響を与える場面もあります。ただし、これらの描写は控えめに表現されており、映画全体のトーンを不必要に残酷にすることは避けられています。結果として、『ザ・コール』はグロテスクな描写よりも、心理的なスリルと緊張感に重点を置いた作品と言えます。
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