この記事では、映画『アンブレイカブル』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『アンブレイカブル』の結末・ラスト(ネタバレ)
『アンブレイカブル』の物語の最後では、主人公デヴィッド・ダンが自分の力と運命を受け入れ、驚きの真実に直面する結末が描かれます。デヴィッドは、大きな列車事故で唯一の生存者となり、自分の身体が病気にもならず、何度も危機を回避してきたことに気づきます。これをきっかけに、彼は自分が「壊れない」力を持つ特別な存在かもしれないと考え始めます。
物語の途中で、デヴィッドは「ミスター・ガラス」と呼ばれるイライジャ・プライスと出会います。イライジャは、骨が非常に脆く、簡単に折れてしまう病気を持って生まれました。そのため、彼は人生のほとんどを孤独と痛みの中で過ごしてきました。イライジャは、漫画に登場するようなヒーローと悪役が現実にも存在するのではないかと考え、デヴィッドをそのヒーローと信じます。
デヴィッドは自分の力を試し、徐々に人々を助けるようになります。彼は息子との関係も深め、家庭の中での自分の役割を見つけていきます。彼が自分の力を受け入れ、責任を持って行動する姿は、彼自身だけでなく家族にも希望を与えます。
しかし、物語の最後で衝撃的な真実が明らかになります。デヴィッドは、イライジャが過去に起こした多くの大規模な事故の黒幕であったことを突き止めます。イライジャは、自分と正反対の「壊れない」存在を見つけるために、何百人もの命を犠牲にして事故を引き起こしていたのです。彼は自分を「悪役」と認識し、デヴィッドという「ヒーロー」を見つけたことで、自分の役割が完結したと信じます。
デヴィッドは、イライジャの犯罪を警察に通報し、彼を逮捕させます。この瞬間、デヴィッドは自分が本当に特別な力を持つ存在であり、その力を正しい目的に使うべきだと確信します。物語は、デヴィッドが自分の力と向き合い、ヒーローとしての道を歩み始める決意を示したまま終わります。ラストは、ヒーローの物語が始まったばかりであることを予感させる静かな余韻を残します。
映画『アンブレイカブル』の考察・解説(ネタバレ)
映画『アンブレイカブル』の三部作は、どの順番で観るのが良いのか?
『アンブレイカブル』の三部作は、公開された順番で観ると最も理解しやすく、物語の流れも自然に楽しめます。順番は以下の通りです。
1.『アンブレイカブル』 (2000年)
2.『スプリット』 (2016年)
3.『ミスター・ガラス』 (2019年)
『アンブレイカブル』は三部作の最初の作品で、デヴィッド・ダンが主人公となり、彼が「壊れない」特性を持つことに気づく物語です。次に『スプリット』を観ることで、マルチプルパーソナリティ障害を持つケヴィン・ウェンデル・クラムという新たなキャラクターが登場し、物語が広がります。ラストにデヴィッドが登場することで、両作品がつながることが示唆されます。
最後に『ミスター・ガラス』では、デヴィッド、ケヴィン、そして『アンブレイカブル』に登場するイライジャ・プライスが集結し、それぞれの物語が交わります。すべての伏線が回収され、キャラクターたちの運命が明らかになるため、この順番で鑑賞するのが最も効果的です。
映画『アンブレイカブル』は、実話を元にしているのか?
『アンブレイカブル』は実話に基づいた作品ではなく、M・ナイト・シャマラン監督の独自のアイデアから生まれたフィクションです。この物語は、スーパーヒーローの存在を現実的な世界に置き換えたらどうなるかという問いから生まれました。物語は、普通の人間が実は超人的な能力を持っていることに気づくというテーマを軸に展開されています。
ただし、現実的な要素が物語に反映されています。主人公デヴィッド・ダンが自分の力を受け入れる過程や、イライジャ・プライスが病気を抱えながらも生きる姿は、成長やアイデンティティの発見という普遍的なテーマとつながっています。また、特別な力を持つ人物が自己認識の葛藤に直面する部分には、現実世界での人間の心の成長が反映されています。
このように、映画は現実の出来事をそのまま描いたものではないものの、日常生活に存在する感情や悩みを反映し、観客にリアルな共感を呼び起こします。
映画『アンブレイカブル』というタイトルの意味は?
『アンブレイカブル』というタイトルは、主人公デヴィッド・ダンの「壊れない」特性を象徴しています。彼は肉体的に非常に強く、病気にもならず、大きな列車事故に巻き込まれても無傷で生還します。この「壊れない」という特性が、物語の中心テーマとなっています。
しかし、タイトルの意味は単に身体の強さだけにとどまりません。精神的な意味でも「アンブレイカブル(壊れない)」ことが重要です。デヴィッドは、自分の能力に気づき、それを受け入れるまでに大きな葛藤を抱えますが、最終的にはその力を使って他者を助ける道を選びます。この選択が、彼の内面的な成長と「壊れない」精神力を示しています。
さらに、タイトルにはもう一つの対比的な意味があります。イライジャ・プライスというキャラクターは、「壊れやすい」身体を持つ人物として描かれ、彼の存在がデヴィッドの「アンブレイカブル」な特性を一層引き立てます。こうした二人のコントラストが、物語に深みを与えています。
映画『アンブレイカブル』に出てくるイライジャの正体は?
イライジャ・プライスは、『アンブレイカブル』の中で非常に重要なキャラクターで、彼の正体は物語の最後で明らかになります。イライジャは、幼少期から骨が非常に脆く、少しの衝撃でも骨折してしまう病気を持っており、そのため「ミスター・ガラス」と呼ばれています。彼は孤独な人生を送り、コミックブックの世界に没頭することで自分の居場所を見つけました。
しかし、イライジャは「自分のように極端に脆い人間がいるなら、その反対に壊れない人間も存在するはずだ」と信じ、その人物を探し続けます。その結果、彼は列車事故の生存者であるデヴィッド・ダンに目をつけ、彼が「壊れない」存在であることを確信します。
物語のクライマックスで、イライジャが自分自身を「悪役(ヴィラン)」と認識していたことが明らかになります。彼は、自分の存在がデヴィッドという「ヒーロー」を誕生させるためのものだったと語り、自分の行動が正当化されると信じています。この衝撃的な告白により、彼が引き起こした数々の事故も明らかになり、物語は大きな転換点を迎えます。
このように、イライジャは単なる脆弱な人間ではなく、自らの運命を受け入れた「ヴィラン」として物語の核を担う重要な存在です。
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