この記事では、映画『グレイテスト・ショーマン』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
- 映画『グレイテスト・ショーマン』の結末・ラスト(ネタバレ)
- 映画『グレイテスト・ショーマン』の考察・解説(ネタバレ)
- 映画『グレイテスト・ショーマン』が嫌いと言われる理由は?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』に気まずいシーンはある?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』で少年バーナムにりんごを渡した人は誰?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』に出てくるヒゲ女はなぜ髭を剃らないのか?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』に出てくる障害の種類は?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』が伝えたいことは?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』の団員の一覧は?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』の主人公バーナムがクズだと言われる理由は?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』の団員アンは障害者なのか?
- 映画『グレイテスト・ショーマン』の空中ブランコのアンは、なぜ障害者ではないのに団員となっているのか?
映画『グレイテスト・ショーマン』の結末・ラスト(ネタバレ)
バーナムは、サーカスを成功させ、大勢の観客を集めるが、名声を求めすぎたことで家族や仲間たちとの関係が悪化してしまう。オペラ歌手のジェニー・リンドをプロデュースすることに夢中になり、妻のチャリティや団員たちをないがしろにしてしまう。しかし、ジェニーがツアーを突然辞め、彼の評判は落ちてしまう。
さらに、バーナムのサーカスが放火により焼失し、彼はすべてを失ったかのように思われた。しかし、団員たちは彼を見捨てず、一緒にやり直そうと励ます。バーナムは、自分が本当に大切にすべきものが名声ではなく、家族や仲間であることに気付く。
その後、バーナムはサーカスをテントで再開し、新たな形で成功を収める。彼はサーカスの経営をフィリップ・カーライルに託し、自分は家族との時間を大切にすることを決める。そして、最後には、チャリティと娘たちと一緒に過ごす姿が描かれ、物語は幕を閉じる。
映画のラストは、バーナムが最初に夢見た「人々に驚きと感動を与えるショー」を実現しながら、最も大切なものを見つけるという結末になっている。
映画『グレイテスト・ショーマン』の考察・解説(ネタバレ)
映画『グレイテスト・ショーマン』が嫌いと言われる理由は?
『グレイテスト・ショーマン』が嫌いと言われる理由の一つは、主人公P・T・バーナムがフリークス(奇形)と呼ばれる人々を利用して金儲けをするストーリーだからである。映画では彼が夢を追いかけ、サーカスの団員たちに居場所を与えたように描かれているが、実際には彼のビジネスは見世物小屋として成立しており、倫理的に問題があると感じる人もいる。
また、バーナムは家族を顧みず名声を追い求める姿勢を見せ、特にジェニー・リンドというオペラ歌手に夢中になり、妻チャリティをないがしろにする展開がある。この行動も一部の観客にとっては不誠実に映り、バーナムの人間性を疑問視する要因となっている。
さらに、映画は実話を元にしているが、実際のP・T・バーナムは映画よりもはるかに商売主義的だったと言われており、美化しすぎているという批判もある。こうした理由から、本作に対して嫌悪感を抱く視聴者もいる。
映画『グレイテスト・ショーマン』に気まずいシーンはある?
本作には過激なシーンや露骨な描写はなく、一般的に気まずいとされるシーンは少ない。しかし、一部の観客にとっては、フィリップ・カーライルとアン・ウィーラーの恋愛シーンが気まずく感じられることがある。二人の間には社会的な障壁があり、当時のアメリカでは異人種間の恋愛が強い偏見の対象だったため、二人のキスシーンはその時代背景を踏まえると大胆な描写とも言える。
また、バーナムがジェニー・リンドに執着し、彼女に心を奪われていく描写も、彼の妻チャリティの存在を考えると、観客によっては不快に感じるかもしれない。特に、ジェニーがバーナムに好意を寄せ、最後にキスしようとするシーンは、バーナムの家族への忠誠心が揺らいでいるように見えるため、気まずさを感じる人もいる。
しかし、全体的には家族向けのミュージカル映画であり、過激なシーンはなく、気まずくなる場面も比較的少ない作品である。
映画『グレイテスト・ショーマン』で少年バーナムにりんごを渡した人は誰?
少年時代のP・T・バーナムがりんごをもらうシーンは、本作の重要なポイントの一つだが、その人物については明確な設定がない。役名やキャスト名も不明であり、物語の流れとして「奇形の人こそ優しい」ということをバーナムに気付かせるために登場した象徴的な存在と考えられる。
このシーンは、バーナムが社会のはみ出し者とされる人々に対して親しみや興味を持つきっかけとなる。幼少期に経験したこの出来事が、後のサーカス団結成へとつながる重要な伏線となっている。彼は社会から差別されている人々こそが特別であり、輝くべき存在であると信じ、彼らとともにショーを作り上げていく。
しかし、映画の中ではその人物についての詳しい説明はなく、単なる印象的なエピソードとして描かれている。そのため、りんごを渡した人物が誰なのかについては、観客それぞれの解釈に委ねられている。
映画『グレイテスト・ショーマン』に出てくるヒゲ女はなぜ髭を剃らないのか?
ヒゲ女ことレティ・ルッツ(キャスト名:キアラ・セトル)は、多毛症という症状を持つキャラクターである。彼女が髭を剃らない理由は、映画のストーリーにおいて「自分らしく生きること」を象徴するためだと考えられる。
物語の中で、レティは社会から嘲笑され、隠れるように生きていた。しかし、バーナムのショーに参加し、他の団員たちとともにステージに立つことで、自分自身を受け入れ、堂々と生きる決意をする。髭を剃ることは、社会の基準に合わせることを意味するが、彼女はそのままの自分を受け入れる道を選んだ。
また、レティのキャラクターは、実在した髭のある女性「アニー・ジョーンズ」にインスパイアされていると考えられる。アニーもまた、自身の特徴を隠さず、見世物小屋で活動していた。映画はこうした実在の人物たちの生き方を尊重し、彼女が自分の特徴を受け入れる姿を描いている。
映画『グレイテスト・ショーマン』に出てくる障害の種類は?
本作には、社会から「フリークス(奇形)」と呼ばれた人々が登場する。彼らの特徴には、以下のようなものがある。
・アルビノ(色素が欠乏し、白い肌や髪を持つ)
・小人症(身長が非常に低い)
・巨人症(通常よりも極端に身長が高い)
・巨漢(体が非常に大きい)
・無毛症(髪の毛や体毛が生えてこない)
・結合双生児(体の一部が繋がっている双子)
・多毛症(全身に濃い毛が生えている)
これらの特徴を持つ人々は、19世紀の社会では「普通」とされる人々から差別されることが多かった。しかし、本作では彼らが自分の個性を受け入れ、誇りを持って生きる姿が描かれている。バーナムのショーは、一見すると搾取の場のように見えるが、団員たちにとっては「特別であることを誇りに思える場所」としても機能していた。
映画『グレイテスト・ショーマン』が伝えたいことは?
本作が伝えたいことは、「自分らしく生きる勇気を持つことの大切さ」である。映画は、社会から異質だと見なされた人々が、バーナムのショーを通じて自信を取り戻し、自らの個性を誇りに思うようになる過程を描いている。
特に、劇中歌「This Is Me」は、自分を受け入れ、堂々と生きることの重要性を歌い上げており、本作のテーマを象徴するシーンとなっている。レティや他の団員たちは、これまで隠れるように生きてきたが、ショーを通じて「自分を恥じる必要はない」と気付き、自信を持つようになる。
また、バーナム自身も名声や成功ばかりを追い求めていたが、最後には家族や仲間たちの大切さに気付き、ショービジネスを「人々に夢を与える場」として考えるようになる。このように、映画は「ありのままの自分を受け入れ、他者と共に生きることの大切さ」をメッセージとして伝えている。
映画『グレイテスト・ショーマン』の団員の一覧は?
本作に登場するサーカスの団員たちは、それぞれ特徴的な個性や外見を持ち、ショーの重要なメンバーとして活躍する。以下が主な団員の一覧である。
アン・ウィーラー(ゼンデイヤ)
空中ブランコのパフォーマー。黒人女性であるため、当時の社会では差別を受けていた。
W・D・ウィーラー(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)
アンの兄で、彼女と共に空中パフォーマンスを行う。
レティ・ルッツ(キアラ・セトル)
ヒゲ女。深い声で歌う力強いキャラクター。
親指トム将軍(サム・ハンフリー)
小人症の軍服姿の団員。ショーでは指揮官のような役割を果たす。
チャールズ・ストラットン(ジェイムズ・バブソン)
実在の小人症のパフォーマー「トム・サム」のモデルとされる。
チェン(ヤン・ルイ)とチャン(ダン・ルイ)
中国の結合双生児の団員。
オムニ・ザ・タトゥード・マン(シャノン・ホルツァプフェル)
体中にタトゥーを持つ団員。
ドッグ・ボーイ(ルシアーノ・アコスタ)
全身が毛に覆われた団員、多毛症の人物とされる。
巨人症の男
大柄な体格を活かしてパフォーマンスをする団員。
彼らはそれぞれ「普通ではない」とされ、社会の中で居場所を持たなかったが、バーナムのショーを通じて自信を取り戻し、「特別であることは素晴らしい」と感じられるようになる。
映画『グレイテスト・ショーマン』の主人公バーナムがクズだと言われる理由は?
P・T・バーナムが「クズ」と言われる理由の一つは、彼がフリークスと呼ばれる人々を利用して金儲けをしていたからである。映画では彼が夢を持ち、差別される人々に居場所を与えたように描かれているが、実際には彼らを見世物として扱い、利益を得ることが目的だったと指摘されることがある。
また、バーナムは名声を求めるあまり、家族をないがしろにし、妻チャリティを顧みない場面が多く見られる。特に、オペラ歌手ジェニー・リンドとの関係では、彼女の成功に執着しすぎるあまり、妻や団員たちとの関係を悪化させる。彼は自分の夢を追い求める一方で、周囲の人々を犠牲にしてしまうため、利己的なキャラクターとして描かれる部分がある。
ただし、物語の終盤でバーナムは過ちに気付き、家族や団員たちを大切にするようになる。彼の行動には功罪があるため、観る人によって評価が分かれるキャラクターとなっている。
映画『グレイテスト・ショーマン』の団員アンは障害者なのか?
アン・ウィーラー(ゼンデイヤ)は、他の団員とは異なり、身体的な障害は持っていない。しかし、彼女は19世紀のアメリカ社会において、黒人女性というだけで差別を受ける立場にあった。
当時、白人と黒人の間には明確な社会的な線引きがあり、特に恋愛関係においては強い偏見があった。アンと白人男性フィリップ・カーライルの関係が物議を醸すのも、その時代の差別意識が影響している。フィリップの家族は、彼が黒人女性と交際することを快く思わず、それが二人の恋を困難なものにしている。
バーナムのショーにおいて、アンは身体的な特徴ではなく、社会的なマイノリティとしての立場から団員に加わったと考えられる。映画では彼女が空中ブランコの名手であり、その美しさと技術によって観客を魅了する存在として描かれている。
映画『グレイテスト・ショーマン』の空中ブランコのアンは、なぜ障害者ではないのに団員となっているのか?
アン・ウィーラー(ゼンデイヤ)は、身体的な障害を持っていないが、19世紀のアメリカ社会では「黒人女性」というだけで差別を受ける立場にあった。そのため、他の団員と同じように社会から疎外され、居場所を求める存在だったと考えられる。
当時のアメリカでは、人種差別が根強く、特に黒人女性は社会的な制約を多く受けていた。アンは白人のフィリップ・カーライルと恋に落ちるが、彼の家族や社会からの圧力により、その関係は困難なものとなる。これは、身体的な特徴ではなく、社会的なマイノリティとしての立場が、彼女をサーカス団に引き寄せた理由と考えられる。
また、バーナムのショーは「普通とは違う」人々を集めるものであり、アンもまた、空中ブランコのパフォーマーとして並外れた才能を持つ存在だった。彼女は、その技術と個性で観客を魅了し、団員たちと共に「特別であることを誇りに思う」ことを学んでいく。
このように、アンは身体的な障害ではなく、人種差別という社会的な壁によって団員の一員となっていたと考えられる。
みんなの考察・感想