この記事では、映画『エクソシスト』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『エクソシスト』の結末・ラスト(ネタバレ)
映画『エクソシスト』の物語は、12歳の少女リーガンが悪魔に取り憑かれてしまうところから始まります。彼女の母親であるクリスは、リーガンの様子が日に日におかしくなっていくことに気づき、医者や心理学者の助けを求めますが、誰も原因がわかりません。そこで、最後の手段として、神父に「エクソシズム(悪魔祓い)」をお願いすることにします。
物語のクライマックスでは、若いカラス神父と、経験豊富なメリン神父がリーガンの部屋で悪魔祓いの儀式を行います。儀式はとても激しく、リーガンは叫び声を上げたり、暴れたりします。悪魔は二人の神父を挑発し、特にカラス神父の母親のことを口にして、彼を精神的に追い詰めようとします。カラス神父は、自分の母親の死を悔やんでおり、その弱点を悪魔に突かれてしまうのです。
儀式の途中、メリン神父は疲労がたたり、リーガンの部屋で亡くなってしまいます。その後、カラス神父は一人で悪魔と対決し、絶望しながらもリーガンを救おうとします。彼は悪魔に「自分に取り憑け!」と叫び、悪魔がリーガンから自分に乗り移るように仕向けます。悪魔はその要求に応じてカラス神父に取り憑きますが、すぐにカラス神父は自分を制御し、悪魔の支配に抗います。
最後に、カラス神父は悪魔に完全に支配される前に、自ら窓から飛び降りて命を絶ちます。これによって、悪魔は力を失い、リーガンは解放されます。カラス神父の自己犠牲によって、リーガンは無事に元の自分に戻ることができたのです。
物語の終わりでは、リーガンと母親が家を引き払い、新しい生活を始める準備をします。リーガンは悪魔に取り憑かれていたときのことを覚えておらず、普通の少女に戻っています。彼女はカラス神父の死については何も知らないままですが、母親のクリスは彼の犠牲によって娘が救われたことに感謝しています。
こうして、リーガンとクリスは新しい生活へと旅立ちますが、カラス神父の自己犠牲という悲劇的な結末が、物語に深い余韻を残しています。
映画『エクソシスト』の考察・解説(ネタバレ)
映画『エクソシスト』で、リーガンはなぜ悪魔に取り憑かれたのか?
映画『エクソシスト』では、12歳の少女リーガンが悪魔に取り憑かれますが、彼女がなぜ取り憑かれたのかについては明確な理由が示されていません。物語の中では、リーガンの母親クリスが忙しい仕事をしており、父親は家庭から離れているため、リーガンが孤独を感じている様子が描かれています。そうした精神的な隙間や弱さが、悪魔に取り憑かれる一因となったのかもしれません。
また、物語の中ではリーガンが家の屋根裏で見つけた「ウィジャボード」という降霊術の道具を使って、霊と遊んでいたことがわかります。これが悪魔に取り憑かれるきっかけになった可能性も考えられます。ウィジャボードは霊や悪魔を呼び出すとされており、これを使ったことで、悪魔がリーガンに目をつけたのかもしれません。
さらに、物語の冒頭で描かれるイラクでの発掘作業や、父メリン神父と悪魔の因縁が示唆されています。これらの要素から、悪魔はリーガンを利用して神父たちと対峙することを望んでいたのかもしれません。総じて、リーガンが悪魔に取り憑かれた理由は、物語の中で複数の要因が絡み合っていることがわかります。
映画『エクソシスト』の悪魔の正体は何だったのか?
映画『エクソシスト』に登場する悪魔の正体は、「パズズ」という古代メソポタミアの悪魔です。物語の冒頭、イラクでの発掘作業中に、父メリン神父がパズズの像やメダルを発見するシーンがあります。これが、物語全体の重要な伏線となっています。パズズは、風や嵐を司る悪霊であり、古代から人々に恐れられてきました。
映画では、パズズがリーガンに取り憑き、彼女を操り恐ろしい行動を取らせます。リーガンの人格が変わり、暴力的で下品な言動を繰り返すようになるのは、パズズが彼女を完全に支配しているためです。彼はリーガンを通じて、神父たちや彼女の家族に恐怖を与え、信仰心を揺るがせようとします。
また、パズズは過去に父メリン神父と対決したことがあり、彼と再び対峙することを目的としてリーガンを選んだとも考えられます。つまり、パズズの正体は、単なる悪魔ではなく、父メリン神父との因縁を持つ強力な存在であり、彼を通じて信仰と悪の戦いを描いているのです。
映画『エクソシスト』は、なぜ怖い映画と言われるのか?
『エクソシスト』が「怖い映画」と言われる理由はいくつかあります。まず、映画のテーマが「悪魔憑き」という非常に恐ろしいものであることです。無邪気な少女リーガンが悪魔に取り憑かれ、普段は考えられないような恐ろしい言動や行動を取る場面は、観る者に強い衝撃を与えます。
また、映画の演出も恐怖を煽る要因です。リーガンがベッドの上で激しく揺れ動いたり、首が180度回転したりと、視覚的に非常にショッキングなシーンが続きます。これらの特殊効果は当時としては革新的で、リアルな描写が観客に深い恐怖感を植え付けました。
さらに、映画全体に漂う不安感や緊張感も恐怖を倍増させます。暗い照明や不気味な音楽、リーガンの変わり果てた姿など、視覚と聴覚を通じて恐怖感を強く感じさせる演出が施されています。
加えて、物語の根底にある「信仰と悪の戦い」というテーマも、人々が持つ宗教的な恐怖心を刺激します。これらの要素が組み合わさり、『エクソシスト』は今でも「史上最も怖い映画」の一つとされています。
映画『エクソシスト』に関わって死亡した人はいるか?
映画『エクソシスト』には、撮影中や公開後に起こった「呪いの事件」として知られる不幸な出来事がいくつかあります。実際に、映画に関わった人々が亡くなったケースがあり、これが「エクソシストの呪い」と呼ばれるようになった原因です。
まず、リーガンの母親役を演じたエレン・バースティンの本当の母親が、映画公開直後に亡くなりました。また、リーガンの家に住む監督役を演じたジャック・マクゴーランが、映画の撮影が終了した後、インフルエンザで亡くなりました。さらに、父カラス神父の母親役を演じたヴァシリキ・マリアロスも、映画の公開直前に亡くなっています。
これらの出来事が続いたため、一部の人々の間で「映画に関わると呪われる」と噂されるようになりました。もちろん、これらは偶然の重なりであり、映画自体が直接の原因ではありませんが、多くの人々にとっては不気味な印象を与えました。
こうした背景が、『エクソシスト』という映画の恐ろしさをさらに強調し、観る者に一層の不安感を与える要因の一つとなっています。
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