映画『レオン(1994)』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『レオン(1994)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『レオン(1994)』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『レオン(1994)』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『レオン』の結末は、主人公レオン(演:ジャン・レノ)が、マチルダ(演:ナタリー・ポートマン)を守るために命を捨てる決断をする、感動的で悲劇的な終わり方を迎えます。

物語の最後、レオンは麻薬取締局の捜査官スタン(演:ゲイリー・オールドマン)との直接対決に挑みます。マチルダはスタンに復讐しようとして捕らえられてしまいますが、レオンが命がけで彼女を救出します。その後、二人はスタン率いる捜査官たちに追い詰められますが、レオンはマチルダをダクトを通じて逃がし、自分は彼女を守るために残ることを選びます。

レオンはプロの暗殺者としてのスキルを駆使して敵を倒していきますが、最終的にスタンとの一騎打ちとなり、彼に致命傷を負わされてしまいます。それでもレオンは最後の力を振り絞り、スタンに接近して手榴弾を仕掛け、自らの命を犠牲にしてスタンを道連れにします。この行動により、彼はマチルダを守り抜き、彼女に新たな未来を託しました。

物語は、マチルダがレオンの遺した植物を学校の庭に植え直すシーンで締めくくられます。この植物はレオンにとって孤独な生活の象徴でしたが、土に植えられることでマチルダの新しい人生の象徴となります。レオンの犠牲は、彼が初めて人間として誰かのために生きた証であり、マチルダにとっても未来へ向かう大きな一歩となりました。この結末は、悲劇的でありながら希望を感じさせる形で物語を締めくくっています。

映画『レオン(1994)』の考察・解説(ネタバレ)

映画『レオン(1994)』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『レオン(1994)』完全版は気持ち悪いと言われるのはなぜ?

映画『レオン』の完全版が「気持ち悪い」と言われる理由は、マチルダ(演:ナタリー・ポートマン)がレオン(演:ジャン・レノ)に恋愛感情を抱いているように描かれるシーンが原因です。完全版では、通常版では削除された約22分の追加シーンが含まれており、その中にはマチルダがレオンにキスを迫るシーンや、彼に「愛している」と伝える場面が含まれています。

マチルダは12歳という年齢設定であり、中年男性であるレオンに対して明らかな恋愛感情を示します。この描写が一部の観客にとっては不快感を与える要因となりました。特に、二人がシャンパンを飲むシーンや、マチルダがレオンに対して大胆な言動を取る場面は、未成年の少女と大人の男性の関係性を美化しているように映るため、批判の的になりました。

ただし、レオン自身はマチルダの感情に困惑しつつも、あくまで保護者的な立場を貫いており、二人の関係が実際に恋愛に発展することはありません。それでも、マチルダの過激な言動や行動が「気持ち悪い」と感じられる理由となり、特に未成年者と中年男性の関係を描くことに対する倫理的な問題として議論を呼びました。

映画『レオン(1994)』の完全版と通常版の違いは?

映画『レオン』の完全版と通常版の主な違いは、未公開だった約22分間のシーンが追加されている点です。リュック・ベッソン監督が編集段階で削除したこれらのシーンには、マチルダとレオンの関係性をより深く掘り下げる内容が含まれていますが、それが物議を醸す要因ともなっています。

完全版には、マチルダがレオンから殺しの技術を学ぶシーンがいくつか追加されています。例えば、マチルダが実際にターゲットに向けて銃を構えたり、爆弾を使う訓練を受ける場面が含まれています。また、二人がシャンパンを飲みながら語り合うシーンや、マチルダがレオンに「愛している」と伝えるシーンも追加されており、彼女の恋愛感情が強調されています。

これらのシーンが追加されたことで、完全版は二人の絆をより濃密に描いている一方で、一部の観客には不快感を与える内容となりました。一方、通常版ではこれらのシーンが削除されているため、二人の関係がよりプラトニックなものとして描かれています。完全版と通常版の違いは、観客が二人の関係性をどう解釈するかに大きく影響を与える要素となっています。

映画『レオン(1994)』でマチルダの家族はなぜ殺された?

映画『レオン』で、マチルダの家族が殺害された理由は、父親ジョゼフ(演:マイケル・バダルコ)が麻薬取締局の捜査官スタン(演:ゲイリー・オールドマン)の麻薬を横領していたためです。ジョゼフはスタンの管理下にあった麻薬を密かに抜き取り、自分の利益のために使っていました。

スタンはその行為に気づき、激怒します。彼はジョゼフへの見せしめとして家族全員を殺害することを決意し、自身の部下たちを引き連れてジョゼフの家を襲撃します。この襲撃の結果、マチルダを除く家族全員が無残に殺されてしまいます。

この事件がマチルダとレオンを結びつけるきっかけとなります。マチルダは唯一生き残った家族の復讐を果たすためにレオンに助けを求め、二人は協力してスタンに立ち向かうことになります。家族の殺害は物語の発端となる重要な出来事であり、スタンの非道さを強調する描写としても機能しています。

映画『レオン(1994)』でマチルダはレオンにキスをした?

映画『レオン』で、マチルダがレオンに対してキスをするシーンはありません。ただし、完全版ではマチルダがレオンにキスを迫るような描写が含まれています。具体的には、マチルダがレオンに対して「愛している」と伝え、彼のほほに軽くキスをしようとする場面があります。この行動は、彼女がレオンを信頼し、心を寄せていることを示す象徴的なものとして描かれています。

しかし、これらのシーンは通常版では削除されています。リュック・ベッソン監督は、この部分が観客に誤解を与える可能性があると判断したため、劇場公開版ではカットされたとされています。その結果、通常版では、マチルダとレオンの関係がよりプラトニックで家族的なものとして描かれています。

完全版の中でも、レオンはマチルダの感情に対して一貫して保護者的な態度を取っており、彼女の恋愛感情に応えることはありません。これは、二人の関係性が倫理的な境界線を越えないようにするための重要な描写として機能しています。そのため、観客が感じる不快感や議論の余地はあるものの、物語の中で二人が実際に恋愛的な接触をすることはなく、キスもありません。

映画『レオン(1994)』でマチルダのせいだと言われるのはなぜか?

映画『レオン』で、マチルダの行動が原因でレオンが襲撃されたと言われる理由は、彼女が復讐心から単独で危険な行動を取ったためです。マチルダは、家族を殺したスタン(演:ゲイリー・オールドマン)を自らの手で殺害しようと決意し、レオンの助けを借りずに麻薬取締局に乗り込みます。しかし、その行動が裏目に出て、彼女自身がスタンの部下によって捕らえられる結果となります。

マチルダが捕まったことで、彼女を救出するためにレオンが危険を冒さざるを得なくなります。レオンは彼女を救出することには成功しますが、この行動によってスタンがレオンの存在を知り、標的にするきっかけを与えることになります。最終的に、スタンの襲撃部隊がレオンを追い詰め、レオンは壮絶な戦いの末に命を落とす結果となります。

この一連の出来事から、一部の観客は「マチルダのせいでレオンが死んだ」と解釈しています。しかし、マチルダの行動は彼女自身の未熟さと深い悲しみから来るものであり、彼女を責めるだけでは解釈しきれない複雑な人間関係が描かれています。この点は物語の感動的な要素と悲劇性を際立たせる要因でもあります。

映画『レオン(1994)』でマチルダのその後を描く続編は存在する?

映画『レオン』の続編として、大人になったマチルダを主役に据えた『Mathilda』という作品が企画されていました。この続編では、成長したマチルダがレオンの影響を受け、暗殺者として生きる姿が描かれる予定でした。しかし、この企画は最終的に映画化には至りませんでした。

続編が実現しなかった理由の一つは、製作会社の変更によるものです。リュック・ベッソン監督が別のプロダクション会社を立ち上げたため、映画『レオン』の続編に関する権利が新しい企画に移行できなかったと言われています。そのため、正式な続編としての映画は制作されていません。

それでも、『Mathilda』のアイデアは多くのファンに知られており、もし実現していればどのような物語になっていたのか、議論の的となっています。なお、このコンセプトはベッソンの他作品に影響を与えたともされ、例えば映画『コロンビアーナ』には『Mathilda』のアイデアが部分的に反映されていると指摘されています。

映画『レオン(1994)』の主人公レオンが知的障害を持っていると言われるのはなぜ?

映画『レオン』の主人公レオン(演:ジャン・レノ)が知的障害を持っていると考えられる理由には、彼の行動や生活スタイルが挙げられます。まず、レオンは非常に単調で規則的な生活を送っています。彼は毎日同じ時間にミルクを飲み、植物の世話をし、決まった習慣に従って生活しています。このような習慣への固執は、知的発達の特定の側面に関連している可能性があります。

また、レオンの言動はシンプルで、会話においても複雑な感情や考えをあまり表現しません。特に、社会的な場面でのコミュニケーションに苦手意識があるように描かれており、人間関係を築く際に非常に慎重です。こうした特徴から、観客の中には彼が軽度の知的障害を持つ可能性があると推測する声があります。

ただし、レオンは暗殺者としての仕事において極めて高いスキルを発揮しており、状況判断力や行動力に優れています。この点から見ると、知的障害というよりは、彼の性格や過去のトラウマによる影響が大きいとも考えられます。特に、彼の孤独な性質や社会との関わりの少なさが、彼の行動を一部そう見せている可能性もあります。

結局のところ、映画内ではレオンの知的能力について明確な説明はされていませんが、彼の生活様式や性格がこうした議論を呼ぶ一因となっています。

映画『レオン(1994)』でマチルダとレオンのラブシーンはある?

映画『レオン』には、マチルダ(演:ナタリー・ポートマン)とレオン(演:ジャン・レノ)の直接的なラブシーンはありません。二人の関係性は、主に保護者と子どもという形で描かれており、恋愛に発展することは避けられています。ただし、完全版にはマチルダがレオンに恋愛感情を抱いていることを示唆するシーンがいくつか含まれています。

例えば、完全版では、マチルダが「レオン、私はあなたを愛している」と告白し、彼に恋愛感情を示します。しかし、レオンはこれに対して混乱した態度を見せつつも、マチルダを子どもとして扱い続けます。こうした描写があるため、一部の観客には二人の関係が不適切であると感じられることもあります。

このように、ラブシーンそのものは存在しませんが、完全版におけるマチルダの大胆な言動やレオンへの感情表現が、一部の観客に誤解を与える要素となっています。ただし、映画全体を通じて、レオンはマチルダに対して恋愛的な感情を持つことはなく、あくまで彼女を守り抜く存在として描かれています。

映画『レオン(1994)』の完全版で事後シーンはある?

映画『レオン』の完全版には、事後を示唆するような直接的な描写は存在しません。ただし、完全版に含まれるいくつかのシーンが、そのように解釈される可能性があるため、一部の観客に誤解を与えることがあります。

例えば、完全版には、マチルダとレオンが同じベッドで寝ている場面が含まれています。このシーンでは、二人が何か特別な関係を持ったかのように見える描写はありませんが、観客によっては二人の距離感が不適切に感じられることがあります。また、ふたりの関係性が通常版よりも濃密に描かれているため、完全版が公開された際には、議論を呼びました。

しかし、映画全体のテーマやキャラクターの行動から判断すると、このシーンは単に二人の間に芽生えた絆や信頼関係を象徴するものであり、それ以上の意味を持つものではありません。リュック・ベッソン監督も、二人の関係が恋愛に発展するものではないことを明言しており、事後シーンを意図した演出ではないことを示しています。このため、映画の描写は倫理的な問題を避けつつ、二人の関係を描写していると解釈されています。

映画『レオン(1994)』のマチルダが嫌いだと言われる理由は?

映画『レオン』でマチルダ(演:ナタリー・ポートマン)が嫌いだと言われる理由には、彼女の言動や行動が引き起こす結果が挙げられます。特に、マチルダが感情的な衝動に突き動かされて危険な行動を取る場面が多く、それがレオンの死につながる要因となるためです。

物語の中で、マチルダは家族を殺害したスタン(演:ゲイリー・オールドマン)への復讐心を抱きます。その結果、彼女は単独で麻薬取締局に乗り込み、スタンを殺そうと試みますが失敗し、逆に捕らえられてしまいます。この行動がきっかけで、レオンは彼女を救うために危険を冒さざるを得なくなり、最終的に命を落とすことになります。

また、彼女がレオンに対して見せる過激な愛情表現や、大人びた態度も一部の観客には不快感を与えました。特に、レオンに恋愛感情を抱いているように見える言動や、彼に対する依存的な態度が批判の的となることがあります。

しかし、これらの行動は、マチルダの年齢や置かれた状況を考えれば、彼女が未熟であるがゆえの行動とも解釈できます。彼女は家族を失い、孤独の中で初めて信頼できる存在であるレオンに出会ったことで、感情的に不安定な状況に陥っていたのです。この点を理解すれば、彼女の行動が単なる「嫌いなキャラクター」として片付けられるものではなく、物語の悲劇性を深める重要な要素であることがわかります。

映画『レオン(1994)』でマチルダを演じた女優は誰?

映画『レオン』でマチルダを演じたのは、当時13歳だったナタリー・ポートマンです。本作は彼女の映画デビュー作であり、その繊細で力強い演技が一躍注目を集めました。ナタリーはオーディションを経てこの役を獲得し、リュック・ベッソン監督からもその演技力を高く評価されました。

ナタリー・ポートマンの演じるマチルダは、家族を失った悲しみと、大人びた態度の中に子どもらしい無邪気さを持つ複雑なキャラクターとして描かれています。その演技は、彼女の年齢を超えた成熟さを感じさせ、多くの批評家から絶賛されました。しかし同時に、未成年の少女が演じるには過激な要素を含む役柄でもあったため、一部では物議を醸しました。

ナタリー自身も後年、本作について「当時は理解していなかったが、大人と子どもの関係が一部の観客に不快感を与えたことは理解できる」と語っています。また、2024年には「中年男性と未成年少女の恋愛描写が問題視されるべき」として、本作を批判する発言もしています。彼女にとって本作はキャリアの出発点でありつつも、長年にわたって議論の対象となる作品でもありました。

映画『レオン(1994)』でレオンがマチルダに言った最後のセリフ「愛してる」の意味は?

映画『レオン』のクライマックスで、レオン(演:ジャン・レノ)がマチルダ(演:ナタリー・ポートマン)に対して最後に言い残した「愛してる」というセリフは、深い意味を持っています。この言葉は、単なる恋愛感情を超えた、彼の人間性とマチルダへの無条件の愛情を象徴しています。

レオンは、それまで孤独な人生を送っていましたが、マチルダと出会ったことで初めて誰かと心を通わせる喜びを知ります。彼にとってマチルダは家族同然の存在となり、彼女の成長を見守り、守り抜くことが生きる意味となっていました。そのため、彼の「愛してる」という言葉は、彼がマチルダと一緒に過ごした短い時間が、自分の人生にとってかけがえのないものだったという思いを込めたものです。

また、このセリフは、彼がマチルダに新たな人生を歩んでほしいという願いを託したメッセージとも解釈できます。彼が「愛してる」と言った瞬間、マチルダの心にはレオンとの思い出が深く刻まれ、彼の生き様が彼女の未来に影響を与えることを示しています。この言葉は、物語の感動的な余韻を残すと同時に、二人の特別な絆を象徴しています。

映画『レオン(1994)』のマチルダの年齢は?

映画『レオン』で、マチルダ(演:ナタリー・ポートマン)の年齢は設定上12歳とされています。物語の中でも、彼女の若さや幼さが行動やセリフに反映されており、特に大人びた態度と子どもらしさのギャップがキャラクターの魅力を際立たせています。

一方で、当時マチルダを演じたナタリー・ポートマン自身は11歳であり、非常に若い年齢でこの役をこなしたことになります。ナタリーの初々しい演技と成熟した表現力は、キャラクターにリアリティを持たせ、観客に強い印象を与えました。彼女の若さが、マチルダが抱える悲しみや復讐心、そしてレオンへの愛情の複雑さをより一層引き立てています。

マチルダの年齢設定は物語にとっても重要な要素であり、彼女が子どもであることが、家族を失った彼女の悲しみや、レオンとの関係性の特異性を説明する要因となっています。この年齢だからこそ、彼女の言動が時に無鉄砲でありながらも感情的に純粋であることが、映画全体のテーマに深みを与えています。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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