映画『リメンバー・ミー(2017)』のネタバレ考察・解説

映画のネタバレ考察

この記事では、映画『リメンバー・ミー(2017)』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。

映画『リメンバー・ミー(2017)』の結末・ラスト(ネタバレ)

映画『リメンバー・ミー(2017)』の結末ラストをネタバレありで解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

ミゲルは、死者の国で自分の本当の高祖父がヘクターであることを知る。そして、ヘクターが家族を捨てたのではなく、家に帰ろうとしたが、エルネスト・デラクルスに毒を盛られて命を奪われたことが明らかになる。ミゲルは、ヘクターの写真を持ち帰り、彼が家族に忘れられるのを防ごうとするが、時間がなくなり、死者の国から消えそうになる。

そんな時、ミゲルは死者の国の大きな祝祭でエルネストの悪事を暴こうとする。彼の裏切りが死者の国中に知られることとなり、エルネストは罰を受ける。一方、ミゲルはイメルダの助けを得て、家族の祝福を受け、元の世界に戻ることに成功する。

現実の世界に戻ったミゲルは、急いで曾祖母ココのもとへ向かう。彼女はすでに衰弱し、ほとんど言葉を発することができなくなっていた。しかし、ミゲルが「リメンバー・ミー」を歌うと、ココはヘクターのことを思い出し、彼との思い出を語り始める。そして、彼の写真を大切にしまい、ヘクターの記憶が消えずに済んだ。

それから一年後、リヴェラ家は音楽を受け入れ、ミゲルも家族とともに幸せに暮らしていた。死者の日には、死者の国のヘクターやイメルダがミゲルたちを訪れ、再び家族としてつながる。最後に、ミゲルがギターを弾きながら歌い、映画は温かい雰囲気の中で幕を閉じる。

映画『リメンバー・ミー(2017)』の考察・解説(ネタバレ)

映画『リメンバー・ミー(2017)』に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。この先、ネタバレが書かれているためご注意ください。

映画『リメンバー・ミー(2017)』が「やばい」と言われる理由とは?

映画『リメンバー・ミー(2017)』は、ストーリーの完成度や映像美、音楽のクオリティが非常に高く、多くの視聴者から絶賛されている。そのため、感動のあまり「やばい」と表現されることがある。

特に、ディズニーやピクサーの過去の作品と比較しても評価が高く、死後の世界をテーマにしながらも、明るく温かい物語が展開される点が「やばい」と言われる要因の一つである。死者の国の描写がカラフルで美しく、細部まで作り込まれた世界観が視覚的にも圧倒されるほど魅力的である。

また、家族の絆や記憶の大切さをテーマにしたストーリーが、多くの人の心を打つ。特に、クライマックスのミゲルが曾祖母ココに「リメンバー・ミー」を歌うシーンは、感動的で涙を誘う場面として語り継がれている。このように、映画の完成度が高く、観た人の感情を強く揺さぶるため、「やばい」と評価されることが多い。

映画『リメンバー・ミー(2017)』が伝えたいこととは何か?

『リメンバー・ミー(2017)』が伝えたい最も大きなテーマは、「愛する人の記憶を留めている限り、その人は心の中で生き続ける」ということである。

物語では、死者の国に存在する人々は、生者に覚えられている限り存在し続けるが、完全に忘れ去られると「二度目の死」を迎えてしまう。この設定を通して、映画は家族の絆や先祖を敬う大切さを描いている。

また、「夢を追いかけること」と「家族を大切にすること」のバランスについても重要なメッセージを含んでいる。ミゲルは音楽を愛しているが、家族は音楽を禁止している。しかし、物語を通じて、音楽がリヴェラ家にとって本来大切なものだったことが明らかになり、ミゲルは家族の歴史を知りながら自分の夢を追うことの意味を理解する。

このように、映画は「家族の絆」「記憶の大切さ」「夢を諦めないこと」の3つのテーマを強く伝えている作品である。

映画『リメンバー・ミー(2017)』のミゲルとヘクターの関係性とは?

ミゲルとヘクターは、物語の序盤では単なる旅の仲間のような関係だった。しかし、物語が進むにつれて、ヘクターは実はミゲルの高祖父(ひいひいおじいさん)であることが明らかになる。

ヘクターはかつてミゲルの家族を捨てたとされていたが、実際には家族のもとへ戻ろうとしていた。しかし、その途中でエルネスト・デラクルスに毒を盛られ、命を奪われてしまったため、帰ることができなかった。ヘクターが生者の世界から忘れられかけていたのは、この真実が長い間隠されていたからである。

ミゲルはヘクターと共に行動するうちに、彼が家族を本当に愛していたことを知り、誤解を解こうとする。最終的に、ミゲルが現実世界で曾祖母ココに「リメンバー・ミー」を歌うことで、ココはヘクターのことを思い出し、彼の存在が家族に認められるようになる。この瞬間、ミゲルとヘクターの関係は「旅の仲間」から「家族」としての絆へと深まるのである。

映画『リメンバー・ミー(2017)』のリヴェラ家で音楽禁止の理由とは?

リヴェラ家では、代々音楽を厳しく禁止している。その理由は、ミゲルの高祖父であるヘクターが音楽を愛し、家族を捨てて旅に出たと思われていたからである。

ヘクターの妻であるイメルダは、夫が家を出た後、一人で娘のココを育てなければならなかった。彼女は音楽を嫌い、自分たちの家族が靴職人として生きていくことを決意する。そして、「家族第一」という考えのもと、子どもたちや孫たちに「音楽は絶対に禁止」と教え続けてきた。こうしてリヴェラ家では、音楽が代々タブーとなり、楽器を持つことさえ許されなくなった。

しかし、物語の終盤で、ヘクターは本当は家族を捨てたのではなく、戻ろうとしていたが、エルネスト・デラクルスに命を奪われたことが判明する。ミゲルがこの真実を家族に伝えたことで、長年の誤解が解け、リヴェラ家は再び音楽を受け入れるようになった。そして、ミゲルの音楽の才能も家族に認められ、音楽を楽しむことが許されるようになった。

映画『リメンバー・ミー(2017)』の裏設定とは何か?

『リメンバー・ミー』には、ストーリーの裏に隠されたさまざまな設定がある。その中でも有名なのが、ミゲルの相棒である犬・ダンテの存在である。

ダンテは「メキシカン・ヘアレスドッグ(ショロ)」という犬種であり、この犬はメキシコの伝説において、死者の国と生者の世界をつなぐ神聖な存在とされている。古くから、ショロは亡くなった人の魂を死後の世界へ導く役目を持つと考えられていた。そのため、映画の中でダンテがミゲルを死者の国へと導く役割を果たすのは、メキシコの伝承を元にした裏設定となっている。

また、ダンテは物語の途中でアレブリヘ(カラフルな霊獣)の姿に変化するが、これは彼が本来持っていた「死者の国の案内役」としての役割を完全に覚醒させたことを意味している。このように、単なるペットではなく、メキシコの文化や伝承を反映した重要なキャラクターとして描かれている。

映画『リメンバー・ミー(2017)』が「泣ける」と言われる理由とは?

『リメンバー・ミー』は、多くの視聴者から「泣ける映画」として評価されている。その理由の一つは、作品が「死後の世界」をテーマにしており、亡くなった愛する人への想いを呼び起こす内容だからである。

特にクライマックスのシーンでは、ミゲルが「リメンバー・ミー」を曾祖母ココに歌いかけることで、彼女の記憶がよみがえり、亡き父ヘクターの存在が家族に認められる。このシーンは、家族の愛と記憶の大切さを強く訴えかけるものであり、多くの視聴者が感動する瞬間となっている。

また、映画全体を通して、「亡くなった人を忘れないことが、彼らを生かし続ける」というテーマが描かれているため、自分の家族や大切な人を思い出しながら観ることで、自然と涙がこぼれるという意見も多い。メキシコの「死者の日」という文化を通して、「死は終わりではなく、記憶の中で生き続けることができる」という希望に満ちたメッセージを伝える点が、この映画を「泣ける」と感じさせる大きな要因である。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『シネマヴィスタ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『MIHOシネマ』の編集長も兼任しています。

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