この記事では、映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』の結末・ラスト(ネタバレ)
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』の結末では、サラ・コナーや新たな仲間たちが未来から送り込まれた新型ターミネーター「Rev-9」との最終決戦に挑むシーンが描かれます。物語を通して、サラは未来での指導者となるダニーを守るため、そして「リージョン」という新たな人工知能が人類を滅ぼす未来を阻止するために戦い続けます。サラとダニーの側には、未来から送り込まれた改造人間グレースや、過去にサラの息子ジョンを殺したT-800(「カール」という名前で呼ばれる)が共に戦う仲間として加わります。
結末のシーンでは、サラたちはRev-9を倒すため、強力な工場での最後の戦いに挑みます。Rev-9は他のターミネーターとは異なり、分裂して動ける機能を持っているため、ダニーたちは何度も危機に陥ります。特に、ダニーが新たな未来のリーダーとして自覚を持ち始め、仲間を守るためにRev-9と戦う姿勢を見せることで、彼女が未来において大切な役割を担う存在であることが描かれます。
最終的に、Rev-9を止めるためにグレースは自らのエネルギー源を使うようダニーに提案し、ダニーはグレースの犠牲によってエネルギー源を利用し、Rev-9にとどめを刺そうとします。さらに、カール(T-800)が最後の力を振り絞り、自らを犠牲にしてRev-9を完全に破壊することに成功します。カールの自己犠牲によって、ダニーとサラは生き延び、Rev-9という脅威から未来を守ることができたのです。
結末で、ダニーはグレースの未来を守るため、彼女が幼い頃の姿を見守りに行きます。彼女は、未来で再びグレースと会うことを誓い、今後も人類の未来を守るために戦い続ける決意を固めます。一方、サラもまた過去に愛する人を失った悲しみを抱えながら、これからの未来に向かって新たな歩みを進める準備をします。
こうして、ダニーとサラはそれぞれの使命を胸に未来への希望をつなげ、物語は未来に備える彼女たちの姿をもって終わります。この結末では、グレースやカールの犠牲があったことで、彼女たちが守るべき未来に新たな光が差し込むことを示唆しています。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』の考察・解説(ネタバレ)
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』は「ターミネーター2」の正統な続編?
『ターミネーター:ニュー・フェイト』は「ターミネーター2」(1991年)の正統な続編として作られています。「ターミネーター」シリーズは、複数の続編が存在しますが、『ニュー・フェイト』はそれらの続編を一度リセットし、「ターミネーター2」の直後の世界観として新たに物語を展開しています。つまり、『ターミネーター3』やそれ以降の作品で描かれた出来事はこの『ニュー・フェイト』ではなかったこととされ、新たな未来や危機が描かれています。
『ニュー・フェイト』では、「ターミネーター2」でのサラ・コナーとジョン・コナーがスカイネットという人工知能を倒した後も、新たな脅威が現れることが示されています。この作品で描かれるのは、「ターミネーター2」後に発生した別の未来からの脅威であり、スカイネットに代わって登場するAI「リージョン」が新たな敵として描かれています。このため、『ターミネーター2』の物語が続きながらも、異なる未来からの新たな敵が現れる設定です。
監督のティム・ミラーとシリーズの生みの親であるジェームズ・キャメロンは、本作を「ターミネーター2」の精神を受け継ぎ、サラ・コナーの再登場や、ターミネーターの新たな役割を描くことに重きを置いています。そのため、『ニュー・フェイト』は「ターミネーター2」の正統な続編として、サラ・コナーやジョン・コナーの運命を引き継いだ物語として作られています。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』がひどいと評される理由とは?
『ターミネーター:ニュー・フェイト』が一部の視聴者から「ひどい」と評される理由には、まず「ターミネーター2」の名作としての評価が高いため、その続編としての期待に応えられなかった点が挙げられます。「ターミネーター2」はアクションやストーリー展開、キャラクターの成長が高く評価されており、多くのファンにとってシリーズの最高傑作とされています。しかし、『ニュー・フェイト』では新たなストーリー展開として、序盤でジョン・コナーがあっさりと命を落とすシーンがあり、これがファンにとってショックで、シリーズの方向性に対する不満が生じました。
また、新キャラクターであるダニーやグレースにフォーカスが当てられ、旧キャラクターであるジョンやサラの存在感が薄くなっている点も批判を受けています。さらに、これまでの作品に登場した「スカイネット」に代わって「リージョン」という新たな敵が登場するため、世界観が変わった印象を与えたことも違和感を覚えた観客が多かった要因です。
加えて、「ターミネーター」シリーズの物語構造やキャラクターの魅力が弱くなったとの声もあり、視覚的な効果は優れているものの、全体的なストーリーの完成度には賛否が分かれる結果となりました。特に旧作ファンにとっては、期待と異なるストーリー展開やキャラクターの扱いが不満を抱かせた要因となっています。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』でt800はなぜ生きてる?
『ターミネーター:ニュー・フェイト』では、かつて「ターミネーター2」で溶鉱炉に沈んだはずのT-800が再び登場します。このT-800(演じるのはアーノルド・シュワルツェネッガー)は、「ターミネーター2」に登場したT-800とは異なる別個体として派遣された存在です。物語の冒頭では、この新しいT-800が、サラ・コナーの息子で未来の指導者となるジョン・コナーを暗殺するために現れ、実際にジョンの命を奪います。これは、「ターミネーター2」の時とは別に、未来から新たに送り込まれたT-800がまだ複数存在していたことを意味しています。
このT-800はジョンを殺した後、指令が終了したため任務を失い、人間としての生活を送るようになり、やがて「カール」という名で普通の家庭を持ち始めます。カールは、長い年月を経て次第に自己意識を持ち始め、自分が行ったジョン暗殺の罪を感じるようになり、その後、サラ・コナーと協力して新たな脅威と戦うことを決意します。
つまり、溶鉱炉に沈んだT-800とは異なり、このT-800は未来からの新たな別個体として送り込まれた存在であり、過去の命令とは異なる生き方を選ぶようになったのです。この新たなT-800が物語における重要な役割を果たし、再びサラと共に未来の脅威に立ち向かうこととなります。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』はポリコレに配慮している?
『ターミネーター:ニュー・フェイト』では、物語の中心が女性キャラクターたちに据えられており、これが「ポリコレに配慮している」と見られることもあります。物語はサラ・コナー、未来から来た改造人間のグレース、そして未来での新たな指導者としての役割を担うダニーの3人の女性を中心に進行します。特に、サラ・コナーは長年シリーズを支えてきた存在であり、彼女の復活と新たな若い女性キャラクターたちの登場によって、物語が多様な視点から描かれることとなりました。
「ターミネーター」シリーズはもともと女性ヒーローとしてサラ・コナーが活躍してきたこともあり、『ニュー・フェイト』では新世代の女性キャラクターを加えることで、その路線をさらに強化した形です。この作品において、男性のT-800や、敵ターミネーターであるRev-9が登場する一方で、メインの戦いを担うのは女性たちであり、物語が新たな方向性を示しているといえます。
ただし、これが「ポリコレに配慮しすぎた」という批判も一部の観客から寄せられており、女性キャラクターたちが中心になることで、従来のシリーズのイメージと異なる印象を受ける人もいるようです。しかし、製作陣は、サラやダニー、グレースといった新旧の女性キャラクターを通して、より多角的なストーリーと新たな世代へのメッセージ性を持たせる意図があったと考えられます。
映画『ターミネーター:ニュー・フェイト』なぜジョンは殺された?
『ターミネーター:ニュー・フェイト』の冒頭で、サラ・コナーの息子であるジョン・コナーが、別のT-800により殺されてしまうシーンが登場します。このショッキングな展開は、物語の出発点として衝撃的であり、「ターミネーター2」で人類の希望として描かれたジョンがいなくなることで、ストーリーの方向性が大きく変わります。ジョンが命を落とすことで、物語はサラ・コナーがどう生き延びていくか、そして新たな未来における戦いを描くものとなりました。
ジョンが殺される理由は、製作陣がサラ・コナーを再び中心に置き、彼女の存在感を際立たせたいという意図があったからです。ジョンを失ったことでサラは今後何を守るべきか、何のために戦うべきかという新たな課題に向き合うことになります。さらに、ジョンがいない世界で新しい指導者として台頭する存在が必要となり、ダニーという新しいキャラクターがその役割を担うことになりました。
この展開は、従来のシリーズとは異なる方向性を提示し、ジョンの物語から新たなキャラクターたちが登場する土壌を作るための決断であったといえます。このため、ジョンの死は物語にとって必然の流れとされ、シリーズに新たな視点と未来を見せるための選択だったのです。
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