この記事では、映画『12モンキーズ』の結末・ラストをネタバレありで解説し、この映画に関する疑問や謎を分かりやすく考察・解説しています。
映画『12モンキーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
物語は、未来の世界から主人公のジェームズ・コールが過去に送り込まれるところから始まります。未来では、人類のほとんどがウイルスによって絶滅しており、生き残った人々は地下で暮らしています。未来の科学者たちは、コールを過去に送り、ウイルスの発生源を突き止めて、将来に向けて治療法を見つける手がかりを得ようとします。
コールは1990年と1996年の世界を行き来しながら、ウイルスの拡散に関わっているとされる「12モンキーズ」というグループを追いかけます。しかし、物語が進むにつれ、「12モンキーズ」は実際にはウイルスとは関係がなく、ただの環境保護団体であることが明らかになります。実は、ウイルスを広めたのは、科学者であるドクター・ピーターズという男で、彼がウイルスを入れた試験管を持って世界中を旅し、各地にウイルスをばらまいたのです。
物語のクライマックスで、コールはドクター・ピーターズがウイルスを持って飛行機に乗ろうとしているのを知り、彼を止めようと空港に駆けつけます。しかし、コールは警察に撃たれてしまい、目の前でピーターズが飛行機に乗ってしまいます。実はこのシーンは、コールが子供の頃に空港で目撃した記憶の中にあり、彼がずっと覚えていた自分自身の最期の瞬間だったのです。
物語の最後では、未来の科学者の一人が「保険会社の女性」として飛行機に乗り込み、ピーターズと隣の席に座ります。彼女はウイルスのサンプルを回収し、未来での治療法の研究に役立てるために過去に派遣されていたのです。このシーンで、物語が完全なバッドエンドではなく、未来に希望を残して終わることが示唆されています。
結局、コールの努力はウイルスの拡散を止めることはできなかったものの、未来の人類が治療法を見つけるための重要な手がかりを得ることになります。この結末は、運命の残酷さや人類の希望を描きながら、物語を締めくくっています。
映画『12モンキーズ』の考察・解説(ネタバレ)
映画『12モンキーズ』とドラマ版にはどんな違いがあるか?
映画『12モンキーズ』とドラマ版『12モンキーズ』は、基本的な設定やテーマは共通していますが、いくつかの大きな違いがあります。まず、映画版は1995年に公開され、未来から過去に送り込まれる囚人コールが主人公で、ウイルスによって人類のほとんどが絶滅した未来から、ウイルスの起源を探るために過去に送り込まれるという物語です。物語の進行は比較的シンプルで、時間旅行によるパラドックスや精神的な混乱を描くことに重点が置かれています。
一方、ドラマ版は2015年から2018年にかけて放送され、4シーズンにわたって物語が展開されます。ドラマ版では、コールが未来の人類を救うために過去を改変しようとする点は同じですが、映画版に比べてストーリーが大幅に拡張されています。ドラマ版では、ウイルスの起源だけでなく、時間旅行の影響や様々なタイムラインが絡み合う複雑な展開が描かれ、登場人物も多くなり、それぞれの背景や動機が詳細に描かれています。
さらに、ドラマ版では「12モンキーズ」という組織が映画以上に重要な役割を果たし、コールや彼の仲間たちと対立します。時間旅行を使って運命を変えようとする壮大な物語が繰り広げられ、映画版よりもアクションやサスペンスの要素が強調されています。このように、映画版は心理的な要素に焦点を当てたシンプルな物語であり、ドラマ版はより複雑で長期的なストーリー展開を楽しめる作品となっています。
映画『12モンキーズ』のラストで飛行機の中に保険会社の女性が乗っているのはなぜ?
映画『12モンキーズ』のラストで、飛行機の中に「保険会社の女性」として登場する人物は、実は未来の科学者の一員です。彼女の役割は、ウイルスを拡散した張本人である精神科医の助手、ドクター・ピーターズを監視し、ウイルスのサンプルを回収することです。彼女が「保険会社の仕事」と言っているのはカモフラージュであり、実際には未来から過去に派遣された科学者です。
このラストシーンは、物語の結末における重要な意味を持っています。主人公コールは、ウイルスの拡散を防ぐために過去に送り込まれましたが、彼自身がウイルスを拡散する原因を止めることはできませんでした。しかし、未来の科学者たちは、コールの任務が失敗することを予測しており、代わりにウイルスのサンプルを回収することで、未来の世界で治療法を開発する手段を確保しようとしていました。
飛行機の中で彼女が登場することで、未来の科学者たちがこの計画を見越して動いていたことが示され、物語は終わります。これにより、コールの努力は無駄ではなく、彼の行動が最終的には未来の人類を救うことにつながる可能性が示唆されています。ラストシーンは観客に対して希望を残すと同時に、物語全体に隠された複雑な計画があったことを示しています。
映画『12モンキーズ』は新型コロナウィルスを予見しているか?
映画『12モンキーズ』は、1995年に公開されており、物語の中で描かれるウイルスのパンデミックはフィクションです。この映画が新型コロナウイルスを予見していたというわけではありません。ただし、映画の中で描かれるウイルスの拡散や、世界中の人々が感染症に対して恐怖を抱く様子は、現実のパンデミックと似た状況を連想させるため、一部の観客にとっては新型コロナウイルスと関連づけて考えられることがあります。
『12モンキーズ』では、ウイルスによって人類のほとんどが絶滅し、生存者たちは地下で暮らすことを余儀なくされています。ウイルスの発生源を探るために、主人公のコールが過去に送り込まれ、パンデミックの原因を突き止めようとします。このようなストーリーは、感染症の拡大を防ぐために対策を講じる現代社会の状況と重なる部分があります。
新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くの人々が感染症の恐怖やそれに対する対策の重要性を再認識しました。このため、『12モンキーズ』が描く未来の絶望的な世界観が、現実のウイルス危機と重なるように感じられるのです。しかし、これはあくまで偶然の一致であり、映画自体が新型コロナウイルスを予見していたわけではありません。物語のテーマは、ウイルスの恐怖だけでなく、人類の脆さや運命の無力さを描くことにあります。
映画『12モンキーズ』がつまらないと言われている理由
映画『12モンキーズ』が「つまらない」と言われる理由はいくつかあります。まず、物語の設定や展開が非常に複雑であるため、初めて観る人にとっては理解しづらい点が多いことが挙げられます。時間旅行やパラドックス、精神的な混乱など、SF映画としての要素が詰め込まれており、これらを全て理解しながら楽しむには、観客にある程度の知識や集中力が求められます。そのため、ストーリーを追うのが難しく、途中で混乱してしまう人もいます。
また、映画の展開がスローテンポであり、サスペンス要素が強調されるため、アクションや派手なシーンを期待している観客にとっては物足りないと感じることがあります。主人公のコールが何度も過去と未来を行き来することで、同じようなシーンが繰り返される印象を与え、退屈に感じる人もいるかもしれません。
さらに、映画のテーマが非常に重く、終末感や無力感が漂っているため、観終わった後に暗い気持ちになる人もいます。コールが何度努力しても、運命を変えられず、最終的に彼自身が目撃する悲劇的な結末は、観客に強い絶望感を与えます。このような展開が、ハッピーエンドやスカッとする結末を期待する観客には「つまらない」と感じられる要因となっています。
総じて、『12モンキーズ』は複雑なストーリーや重いテーマを持つため、観る人の好みによって評価が分かれる作品です。
映画『12モンキーズ』のラストはバッドエンドなのか?
映画『12モンキーズ』のラストは、多くの観客にとってバッドエンドと感じられるかもしれません。物語の結末では、主人公のジェームズ・コールが、ウイルスの拡散を防ぐために過去に送り込まれますが、彼の努力にもかかわらず、ウイルスの拡散を止めることはできません。最終的に、彼は子供の頃に空港で目撃した男性が射殺されるシーンを、自分自身が経験することになります。この男性は、実は未来の自分であり、彼は幼い自分の目の前で命を落とすという、悲劇的な運命を辿ります。
また、ウイルスを拡散させた張本人である精神科医の助手、ドクター・ピーターズは、飛行機に乗り込んで世界中にウイルスを持ち出す計画を進めており、これを止めることもできません。コールが失敗したことにより、人類は大きな悲劇を迎えることが確定します。
しかし、物語の最後に登場する「保険会社の女性」は、実は未来の科学者であり、ウイルスのサンプルを回収するために過去に送り込まれています。このことで、未来の人々がウイルスに対抗するための手段を見つける可能性が残されており、完全なバッドエンドではなく、一縷の希望が示唆されています。
このラストは、観る者によって解釈が分かれますが、一般的には「バッドエンド」として捉えられることが多いです。物語全体を通じて、運命の残酷さや人間の無力さが描かれており、コールの犠牲が無駄になったように見えるため、観客に深い悲しみと無力感を与える結末となっています。
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