この記事では、映画『情婦』のあらすじを簡単に紹介し、結末ラストをネタバレありでわかりやすく解説しています。また、この映画に対する疑問や謎、伏線などについてもわかりやすく考察・解説しています。
映画『情婦』の作品情報
引用元:U-NEXT
製作年 | 1957年 |
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上映時間 | 117分 |
ジャンル | ドラマ サスペンス ミステリー |
監督 | ビリー・ワイルダー |
キャスト | タイロン・パワー マレーネ・ディートリッヒ チャールズ・ロートン エルザ・ランチェスター |
製作国 | アメリカ |
映画『情婦』の作品概要
『情婦』(原題: Witness for the Prosecution)は、1957年に公開されたビリー・ワイルダー監督の法廷ミステリー映画です。アガサ・クリスティの戯曲を原作とし、主人公は引退間近の弁護士サー・ウィルフリッドが殺人罪で告発された青年レナード・ヴォールの弁護を引き受ける物語です。映画は法廷ドラマの緊張感とサスペンスを巧みに描き、驚きの結末で観客を魅了します。
映画『情婦』の簡単なあらすじ
ロンドンの老弁護士サー・ウィルフリッド・ロバーズは、心臓発作から回復したばかりですが、若い男性レナード・ヴォールの弁護を引き受けることになります。レナードは富裕な未亡人エミリー・フレンチ殺害の容疑者として起訴されており、彼の無実を主張します。サー・ウィルフリッドは、レナードの無実を証明するために奔走し、事件の真相を探り始めます。しかし、裁判が進む中で、証人や証拠が次々と明るみに出て、事態は予想外の方向へ展開していきます。
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映画『情婦』の結末ラスト(ネタバレ)
映画のクライマックスでは、サー・ウィルフリッドは法廷でレナードの無実を証明するために奮闘します。レナードの妻クリスティーンが証言台に立ち、夫に不利な証言をする一方で、彼女の信頼性に疑念が生じます。彼女の証言によってレナードはますます追い詰められるように見えますが、サー・ウィルフリッドは巧妙な反対尋問を通じて、クリスティーンの証言の矛盾を突き、彼女の証言が嘘であることを明らかにします。
最終的に、レナードは無罪判決を受けます。しかし、サー・ウィルフリッドが法廷から退場した後、真実が明らかになります。レナードは実際にエミリー・フレンチを殺害しており、彼の無実を証明するために全てを計画していたのです。さらに、クリスティーンの証言も夫を守るための巧妙な策略であり、彼女はレナードが無罪となるようにわざと不利な証言をしていたことが判明します。
ラストシーンでは、サー・ウィルフリッドが真実に気付き、ショックを受けます。彼はレナードの無罪を信じて戦ってきましたが、実際にはレナードが犯人であったことを知り、法廷での勝利が苦いものとなります。映画は、法と正義の複雑さ、人間の本性、そして真実が必ずしも明らかにされるわけではないという深いテーマを投げかけ、観客に強烈な印象を残します。
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映画『情婦』の考察・解説(ネタバレ)
映画『情婦』と原作『検察側の証人』の結末の違い
映画『情婦』と原作『検察側の証人』の結末には大きな違いがあります。原作では、レナード・ヴォールの妻、ローマインが法廷で彼に不利な証言をするものの、その後彼を救うために偽証を行います。しかし、最終的にはレナードが真犯人であることが明かされ、ローマインが彼を愛していたが故にすべての計画を仕組んでいたことが判明します。
一方、映画版では、ローマインの証言と偽証が劇的に描かれるだけでなく、結末にさらなるどんでん返しが追加されています。映画のラストシーンでは、レナードが無罪判決を受けた後、彼が新しい恋人と逃げようとする姿が描かれ、これに激怒したローマインが彼を刺し殺すという展開が加わります。この映画オリジナルのどんでん返しにより、物語の緊張感がさらに高まり、視聴者に強烈な印象を残す結末となっています。この違いにより、映画版は原作よりもさらに衝撃的で劇的なエンディングを迎えています。
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映画『情婦』の伏線一覧と回収
クリスティーンの証言の不自然さ
伏線
レナードの妻クリスティーンが証言台に立ち、彼に不利な証言をします。彼女は冷静かつ無表情で、夫に対する敵意を示しているように見えます。サー・ウィルフリッドも彼女の態度に疑念を抱きます。
回収
最終的に、クリスティーンの証言は全て偽りであり、彼女の目的はレナードを無罪にするための策略であったことが明らかになります。彼女は故意に不利な証言をし、サー・ウィルフリッドがその矛盾を突くことでレナードの無罪を確実にする計画を立てていたのです。
クリスティーンの手紙
伏線
裁判の途中で、クリスティーンがレナードに対して憎悪を抱いていることを示す手紙が証拠として提出されます。この手紙は彼女がレナードを裏切っている証拠とされます。
回収
手紙もまた、クリスティーンがレナードを救うための巧妙な計画の一部であったことが判明します。彼女はわざと手紙を書き、それが裁判で使用されることを予期していました。これにより、彼女の証言と手紙の信憑性が崩れ、レナードの無罪が確定されます。
レナードの態度の変化
伏線
裁判が進む中で、レナードは一貫して無実を主張し、サー・ウィルフリッドの弁護に全幅の信頼を置いていますが、時折見せる冷静で計算高い態度が微妙に不自然に感じられます。
回収
ラストシーンで、レナードが実際にはエミリー・フレンチを殺害しており、無実を証明するために全てを計画していたことが明らかになります。彼の態度の変化は、彼が冷静に状況を操作していた証拠であり、観客に対して大きな驚きを提供します。
サー・ウィルフリッドの直感
伏線
サー・ウィルフリッドは経験豊富な弁護士であり、彼の直感や疑念が裁判の進行に影響を与えます。彼はクリスティーンの証言に対して強い疑念を抱き、彼女の証言を覆すための証拠を探し続けます。
回収
クリスティーンの証言を崩すことで、サー・ウィルフリッドはレナードの無罪を勝ち取ります。しかし、最終的に彼の直感が正しかったことが示され、彼は真実を知った後に大きな衝撃を受けます。彼の直感は物語の展開に重要な役割を果たしましたが、結局は彼もレナードの計画に翻弄されていたことが明らかになります。
サー・ウィルフリッドの健康問題
伏線
映画の冒頭から、サー・ウィルフリッドが心臓発作を起こして療養中であることが示され、彼の健康状態が繰り返し強調されます。彼の看護師も彼にストレスを避けるように勧めています。
回収
裁判の緊張感と真実の発見が彼の健康に再び影響を与え、物語の終盤で彼が大きなショックを受けるシーンでその伏線が回収されます。彼の健康問題は、物語の緊張感と彼の感情的な負荷を強調する要素として機能しています。
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